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尾行の理由

ミーヤはどこから誰が見ても黒豹の姿でアタシの目の前にいる。


アタシに着いてきた理由を聞いて、納得して解放したからである。


人型にも動物型にもなれると言うので、動物型になってもらった。


人型だとアレが丸見えなのが嫌だからだ。


因みに黒豹だけど、白いハート型の胸毛は健在である。


ミーヤの話しをまとめると。


ミーヤは大地を守る地王であり、アタシと言う謎の生物が何なのか調べるようにと世界の王から指示を受けていたと。


この世界を破壊しようと企むような奴なら殺してしまえ。ただの生物なら放置しても良い。特殊な能力を持っているなら調べて報告しろと。


因みに穴の中で助けを求めて居たのは、アタシが近付いて来ていることが分かっていたので反応を見たかっただけだそうだ。


ミーヤを助けようとしてくれたので少なくとも、世界を破壊しようと画策するような生物ではないと判断したが、

見たことのない丈夫なヒモ、一番近くにいるネズミとウサギがいる方向に真っ直ぐに向かっていったところを見て、特殊な能力を持っていると判断し調査の為に尾行したと言うことであった。


助け損どころか、フラグだったらしい。


良く考えれば見事に『にゃ』に釣られてしまったがどう考えてもフラグだとしか考えられない。


ただ回収出来たのがモフモフ猫ではなくて筋骨隆々のミーヤだっただけだ。


アタシは自分の迂闊さを呪うしかなかった。


一番偉い人に命じられたのはミーヤだけではなく、大空の王にも同じような命が与えられていたと。


どうやらあの巨大な鷲が大空の王だったようだ。


あんなエンカウントのしかたをすれば、普通逃げるだろうと思ったが、アタシの逃げ足が速すぎたから捕まらなかっただけかと思い直す。


少しでもバッタを調べたり、落ちてきた空を見上げて何があったのかと探っていたらアウトだったと考えられる。



あんな巨大な鳥と対峙したところで対処法なんて思い付かない。


いきなり戦闘になんてなっていたらThe ENDだったに違いない。


そこまで聞いて、世界の王がどんな相手か分からないけど、

この大地の王や、あのばかでかい大空の王よりも上の存在が命じたのならしかたがないだろうと、納得して解放したのだが。


黒豹になって座っているミーヤから新たに無視できない話しを聞いた。


先程、観念して目を閉じたと思っていたが、実はあの時に大空の王と念話をしていたと言うことである。


伝えたことは『世界を破壊しようとするような邪悪な存在ではないが、我を捕らえる事が出来るほどの実力を持っている。接触するときは注意しろ。その能力は……』


どんな状況で力をしめしたか細かく説明していたので割愛するが、糸を出す力と掴むことが出来なくなる魔法が報告された内容であった。



色々、嫌な事ばかり報告されてアタシはため息を付くしかなかった。



ただ約束を一つも守らない、大地の王には制裁を加える必要がありそうだ。


いくら擬態だったから助ける必要がなかったとしても、約束を反古にされるのは許せない。


だがしかし、すでに解放してしまった手前、たいした事は出来ないが。



暫く考えてから包帯を出して尻尾の先に結んだ。


とうぜん大きい蝶結びである。


黒豹の身体に白い包帯は良く映える。


尻尾の先で揺れる蝶蝶は可愛らしさを演出する。


自然に切れるか消えるまで着けていなさい。


これが勝者が敗者に対して課す枷である。



ミーヤは尻尾に付けられたリボンが嫌そうにみえる。


猫科の生き物にとって大事な尻尾に戒めが付けられたのだから。


そんな事をしているうちに結局に朝になってしまった。



眠れなかったけどまぁいいや。



ミーヤに「アタシの事を報告したのだから、もう着いてこないでね」と伝えてから「今度こそ さよならね」とアタシは言って離れようとした。



その時、なにかが頭の上を通過していった。



その後、すぐ突風が吹き荒れる。


アタシは体勢を低くして吹き飛ばされないように耐えているが、ミーヤはそよ風を受けているがごどく、微動だにしない。


こんな時、体重がある奴は羨ましい。


風が吹き抜けた後、空から茶色い何かが降ってきた。


イベント終了かと思えばまたイベント。


大体予想は付くけど、今度は何?


ダッシュで逃げたら逃げられるだろうかと真剣に悩むマッキーであった。



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