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チュートリアルで死ねと言われた ——最適化された檻から、デバッグを。  作者: 忘却セミコロン


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6/20

はじめての食事と、この世界のこと

遠くから肉を焼く香りがして、二人は誘われるように街の中心へと歩いた。


カナデはぐぅと鳴くお腹を、反対の手でおさえたままだ。


とりあえず、早く何か食べさせてあげよう。





中央の広場までたどり着くと、そこにはいくつかの屋台が並んでいた。





「何か食べたいものはある?」


少し屈んでカナデに目線を合わせ、律は優しく尋ねた。


顔を少し綻ばせ、カナデはキョロキョロと屋台を見回す。


そして、鶏肉を香ばしくローストしながら販売している一軒に目が釘付けとなった。





カナデもお肉が好きだったな)





「鶏だね。」

くすりと笑い、律は金銭の入った袋の中をカナデに見せる。


「私はあれがいくらかくらいかわからないんだけど、自分で買って来れそうかな?」


カナデは屋台の看板を確認し、金銭袋の中をのぞいて大きくうなずいた。


「うん、できる」


「そう、えらいね。じゃあ必要な分のお金を取り出してくれる?」


「うん」





カナデは銅色の硬貨を3つ取り出し、屋台へ駆けて行った。





金を渡し、ソワソワしているカナデに思わず口元が緩んだ。


奴隷として売られてはいたが——


値段を見て、迷わず硬貨を選べる。

文字も読めているのだろう。


(教育は受けている)





律は気づいたらこの世界に来ていて、ごく自然に言葉を理解し、話せている。


それがなぜなのかは、わからない。


——考えようとすると、思考が滑る。





そんな律にとって、カナデは得難い存在だ。


この世界のことを少しでも教えてもらい、今後の方針を立てよう。





肉の串を手に、嬉しそうに小走りで戻ってきたカナデを連れて、律は人目がつきにくい大木の木陰にカナデを座らせた。


「ゆっくり噛んで食べるんだよ?」


「うん!」


言うが早いか、お肉を口に頬張るカナデに苦笑しながら、律は金銭袋の硬貨を数えた。


焼けた肉の匂いにコクリと喉が鳴ったが、手持ちを確認する方が先だ。


硬貨を1種類ずつ地面に並べ、硬い肉と格闘しているカナデに尋ねる。





「食べながらでいいから、このお金のことをちょっと教えてね。」


(まずは、お金の仕様を確認しないと)





カナデは口いっぱいに肉を頬張ったまま、コクコクとうなずいた。





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