表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チュートリアルで死ねと言われた ——最適化された檻から、デバッグを。  作者: 忘却セミコロン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/19

被験者 No.19

国立ゲノム医療研究センター内 未登録区画


*****





静かになった病室内で、気を失った律を片腕で支え、無表情の女性研究員風アンドロイドが立っている。


律の携帯は音声ノイズが煩いと判断し、彼女が先ほどシャットダウンさせた。





そこへ、人間の研究員2名が入室してくる。






背の高い男性研究員は律のポケットを改め、財布から学生証とマイナンバーカードを取り出した。

「…国立武蔵野高専…天野律…。イオ、【カナデ】と照合した結果は?」





アンドロイドのイオが答えた。

「声帯振動特性は【アンカー】との共鳴体と70%以上一致。【天野律】と断定します」


「そうか。わかった。エントランスで待機し、次の被験者を待ってくれ。」


「了解です」





律を見ることもなく、イオは病室をあとにした。





「高専……家族がいない中、折れずに勉強を頑張った子だろうに…」

背の低い女性研究員は慣れた手つきで律を車椅子に乗せながら呟く。





「…そうやって被験者を逃した奴が出たから、このフェーズまでアンドロイドになったんだ。」


「……もう、あまり考えるな」





「…そう…ですね」





車椅子から律が落ちないよう、女性はバンドで固定しながら、振り切るように言った。


「それでは、この子……No.19を定着室に運びますね。」


「…ああ。」





病室から静かに律を運び、女性が出ていった。


男性は残されたカップを手に取り、顔を僅かに歪ませた。





そして【導入ナノマシン投与済み】と手元の書類に書き加える。


ペン先の音だけが、やけに大きく響いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ