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輪の剣②

ランドはその夜夢を見た。それははじめて見る景色だった。森の中をマルーシャと2人で歩いていると、霧の中から光が飛んできて、どこかに導こうとしているかのように二人の目の前で円を描くように回転しながら霧の中に進んで行くのだ。


ランドは警戒しながらも、マルーシャの手を掴むとゆっくり足元を確認しながらその後をついて行った。


すると目の前に大きな湖に現れた。その湖の先に見たこともないお城がそびえ立っていた。

ランドはその城が遥か昔に消えた伝説のキューラ城だと確信した。


ランドとマルーシャが呆然としているところに見知らぬ老人が立っていた。その老人が2人に話しかけてきた。


「よくきた光の子らよ。時は近づいている。全ての剣と清き心が揃し時、光は闇に打ち勝つであろう。急ぐのだ!光の子らよ、力を与えし剣が闇の手に落ちようとしている。剣の片割れは今も天と地の狭間で眠っている。光が消えて時の砂が落ちるその瞬間に赤と緑が指し示す光のその先を…手に入れるのだ。闇が迫るその前に、急ぐのだ。光の子らよ…時は満ちておる」


そう老人が言い終わると、ランドはハッとして目が覚め飛び起きた。ランドはいやにリアルなその夢のことを暫く考えていた。するとポケットの中の緑の石に熱が帯びているのに気づき取り出してみると、光を帯びて一直線にシアフィスの森を指していた。そして昨夜貰った方位磁石を取り出すとその光がその方位磁石に向かって光だした。


ランドはその光の指すあたりを調べると、昨夜は気がつかなかったが鎖のついている真ん中がへこんでいた。ランドはそこに緑の石をあててみると見事にピッタリとはまったのだ。すると光が消え、抜こうとしたが緑の石はそこから外れなかった。


「今のはいったいなんだったんだ…」

ランドがつぶやいていると、マルーシャも目をこすりながら起きだしてきた。


「ランドもう朝?」

「いやまだだ、ちょっと夢を見てな」

「あら、夢なら私も見ていたわよ。キューラ城に行った夢だったわ」

「マルーシャお前も見たのか? 老人が出てきただろう?」


「私が見たのは湖のほとりに建っている美しいお城の夢よ。あっでも頭に王冠を被った年配の男の人がでてきて砂に赤の光をかざせって言ってたわ。後何か言ったような気がしたんだけど、目が覚めちゃってわからなかったわ。でもなんだか笑っていたような気がしたわ。何のことかしら?」


首をかしげるマルーシャにランドは暫く考えてハッと気づいた。

「砂に赤の光をかざせ…マルーシャ! 赤の石持ってきてるか?」

「ええ持ってるけど、それがどうかしたの?」

「昨日もらった砂時計とその石を貸してみろ」


ランドの鋭い声に驚きながらもマルーシャは言われるままポケットの小さな袋の中から石と砂時計を取り出しランドに手渡した。ランドはそれを受け取ると砂時計を念入りに調べはじめた。


すると首飾りの鎖の間に方位磁石と同じように窪みがあり、反対から覗くと確かに向こう側がみえるが、鎖のある方が大きな窪みがあり、赤の石をあてるとこれもピッタリと入ってしまった。


ランドは寝袋から起き出し、墨になっていた火だねに枯葉をくべて火をおこすと石のある方を上になるようにして炎にかざすと、なんと砂時計が天に向かって赤い光を放ちだした。


「ランドこれはいったいどういうことなの?」

「俺にもわからないが、ご先祖様が俺達のところにやってきて速く輪の剣を取りにこいって催促しに来たんじゃないのか?」


ランドはあわてて地図と方位磁石と砂時計の三つを地面に置きながら、その場にあぐらをかいて座りなおし考え込んでしまった。


マルーシャは何がなんだかわからなかったが、いつになく真剣な様子のランドをただだまって見守っていた。


「マルーシャ、今から森の中に入るぞ!」

ランドは突然立ち上がると、寝袋をたたみ焚き火の火を消し、慌ただしく荷造りをはじめた。


「ランド、森って今から墓地に行くの?」

「いや、予定変更だ。先に祈りの塔に向うぞ。何かが俺達を待っているようだ」


「何よそれ! まだ夜明けまでかなり時間があるんでしょう。何もこんな夜中に森に入らなくても…それに輪の剣って何? 祈りの塔って何? 私達お墓参りに来たんじゃないの?」


「説明は後だ。今から行かないと夜明けに間に合わない。マルーシャも早く仕度しろ、置いていくぞ。まずは輪の剣を手にいれてからだ」


「わかったわよ。ランド! 当然馬に乗って行くんでしょ?」

夜中にシアフィスの森に入ると言うランドに対して、マルーシャはここで一人で待っているのも心細いし、かといってランドの後ろを馬でついて行くのもまた気が進まなかった。


渋って動こうとしないアルーシャにランドはため息をつくと、アルーシャの寝袋と自分の寝袋をアルーシャの馬に積みなおしながら言った。


「俺と相乗りならいいだろ。リアなら俺達の後をついてくるだろう」


「ええ! それならいいわ。もう! はじめからそう言ってよ。でも月がでているとはいえ、森の中じゃ暗いんじゃないの? 正確な場所なんてわかるの? 道はわかっているの?」


「この方位磁石についた緑の石の光が方位磁石に吸収されてふたの中に光が放たれているんだ。だから暗闇でも見えるってわけだ。夜明け前の少しの間光があらわれて、中の羅針盤の磁針が剣の場所を指し示すようだ。行くぞ」


そう言うとランドは方位磁石を自分の首にかけ、砂時計をマルーシャの首にかけると、先にマルーシャをランドの馬のダノンに乗せてから自分もまたがり、方位磁石の指し示す方角に走らせた。







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