スーリア王妃の死⑤
マル―シャはこれから何が始まるのか聞きたい気持ちをおさえながら黙って座っていた。
しばらくして旧礼拝堂の中のろうそくの炎が消えたかと思うと、祭壇がある前の小窓がいつの間にか開け放たれていてそこから淡い光が入ってきた。
すると、礼拝堂の中が眩しい光を放ったかと思うと、中央の白い布の上にその光が浮かんだ。
その後からその光を包むかのようにもう一つ青い光が飛び込んできてその光を包み込んだ。
その瞬間パーッと二つの光がからみあい光が天井に向かって光ったかと思うとそこに信じられない光景が目に飛び込んできた。
マル―シャは信じられないというかのように両手に手をあててその目の前に見える光景に目を奪われていた。瞳からは大粒な涙が溢れてきた。
その時突然、声が聞こえてきた。
「マル―シャ、私の可愛い娘」
その声と姿はまさに亡くなったばかりのスーリア王妃その人だった。
マル―シャは思わず立ち上がった。
「おっお母さま! 私、私ごめんなさい。私がわがままを言って戦場にでたりしたから」
マル―シャは思わず言葉を発していた。
その場にいたランナも驚いた顔をしていたが何も言わずただ見守っていた。
「マル―シャ、あなたが謝ることは何一つありませんよ。わたくしが神の元にめされるのはわたくしの定め、マル―シャ、わたくしはあなたという娘を持てたこと本当に幸せだったわ。ありがとうマル―シャ。あなたは自分の信じる通りに生きればいいのですよ。そしてどうか忘れないで、あなたは周りを照らす光、あなたがその光を失わない限り、必ず希望は見つかるはずです。あなたをずっと見守っていますよ。どうか無くさないであなたのその笑顔を」
マル―シャは目から溢れる涙をぬぐうこともせずほほ笑みを向けて大きく頷いた。
すると安心したかのようにほほ笑みを浮かべたかと思うとスーリア王妃は隣に座っていたランドとランナに向かって頭をさげたように見えたかと思うと目の前の光が濃くなり三人の目の前に青い衣装を身にまとった少年がスーリア王妃の前に降り立つとすーっとスーリア王妃の姿が光になって消えてしまった。
後には窓から差し込む淡い月明りの光だけが残っていた。




