地下牢①
四人は乗ってきた馬をスシュル湖の近くの元の繋いであった場所に戻すと、早朝、人けがまだない都の街道をスシュル湖から真っ直ぐに城まで歩いて戻った。
まだ、朝が早いこともあり、すれ違う人もまばらで、なんとか無事に城まで到着することができた。三人は裏門の様子を林の木の陰から伺っていた。裏門のすぐそばにある厨房の屋根の煙突からはすでに煙が立ち上っていた。
「あああっ腹減ってきたなあ」
ルカはお腹をさすりながら閉ざされたままになっている裏門の城門を眺めていた
「ねえ、城まで戻ったはいいけどどうやって入るの? このまま堂々と門に姿を見せて大丈夫かしら? ねえルカ、グレナに城の戻り方聞かなかったの?」
「この俺がそんなに先のことを気にして聞くと思うか?」
「そうだな、さてどうするか」
「えっ? ランドあなたも何も考えてなかったの?」
てっきり城に戻る方法も考えているものだとばかり思っていたマルーシャは意外そうにランドの顔をみた。
「・・・」
ランドはどうすればいいのか考えている様子で四人はしばらくの間、その場でじっと様子をうかがっていると、不意に裏門から一台の馬車が出てきた。
その馬車はしばらく行くと急に停まった。三人は様子をうかがっていると、馬車の中から出てきたのはグレナだった。
グレナは辺りを伺っている様子で、人がいないのを確認すると、林の中へ入ってくるようだった。
「姫様! 姫様いらっしゃるのでしょう。でておいでくださいませ。姫様」
「グレナ、ここよ」
マルーシャの声にグレナは四人に気付き近づいてきた。
「まったく、どれだけ心配したと思っているのですか!」
「ごめんなさい」
グレナはマルーシャのシュンとした態度に笑顔を向けて、マルーシャをそっと抱きしめた。
「これから買い出しに行くのですけど、一緒に乗っていかれますか?」
「えっいいの?」
グレナは返事の代わりに大きく頷いた。
「皆様方は、そのまま裏門から入りなさい。休暇届けは今日まで出してありますから、今日はゆっくり休みなさい」
そういうと、グレナはマルーシャだけを馬車にのせ、都の方角へと馬車を走らせた。




