高橋 弟 1-2
俺らは体の汚れを落とし、湯船に浸かった。
目の前の弟は、無邪気に風呂専用のおもちゃで遊んでいる。
高橋「なあ、お前のクラスに山田 まりっているか?」
高橋(弟)「まりちゃん?そうだよ、兄ちゃんよく知ってるね」
高橋「そうか、同じクラスなのか。」
高橋(弟)「まりちゃんがどうかしたの?」
高橋「ああ、まあな。まりちゃんってどんな子だ?」
高橋(弟)「んーー、友達は多いよ?ただ、、」
高橋「どうした?」
高橋(弟)「ちょっと、怖いかな」
高橋「こわい?どうしてだ?」
高橋(弟)「よく、クラスの男の子と喧嘩するから」
高橋「喧嘩?殴り合いとか?」
高橋(弟)「ううん。まりちゃんはね、女の子の友達が一緒だと優しいんだ。だけどね、男の子だけのときは、「新しく覚えた技を練習させろ」とか言ってくるんだ。勿論皆痛いのはいやだから拒否するけど、まりちゃん強引だから、気づいたら練習代にならなきゃいけないの」
高橋「で、でも女だろ?痛いとか無いだろ?」
高橋(弟)「兄ちゃん何も分かってないな。まりちゃんのパンチは兄ちゃんより痛いよ。まりちゃんいつも言うもん「兄貴で練習してるからな!痛いか?」って」
えええええええ。
なに?!あの天使の顔の裏に本当に悪魔の顔があるの!?
マジ?!
嘘でしょ!
ただの悪魔じゃないか!
高橋「そ、そうか。すごい奴だな。まりって奴は」
高橋(弟)「うん。僕は苦手なタイプだ」
う、余計に言いづらくなった。
だがしかし、俺は言わねばならぬ。
高橋「なあ、弟よ。実は俺の友達の妹がその、まりちゃんなんだ」
高橋(弟)「!?まりちゃんが言ってた兄貴?」
高橋「そうだ。そして、今回その兄貴が、まりに仕返しがしたいと俺に作戦を持ってきたんだ」
高橋(弟)「作戦?仕返し?」
高橋「そう、仕返しだ。俺の友達が考えた作戦ではどうしてもお前の協力が必要なんだ」
高橋(弟)「え!?僕?なんで?」
俺は、弟に今回の作戦の話をした。
高橋(弟)「いいね。ぼくのトロフィーを見せ付けてやる」
あれ?あれれれれ?
おかしいな。
俺の予想ではここは
高橋(弟)「いやだよおおおお。何で僕なんだあああああ」
とか、言うと思ったのだが、
何故こいつは乗り気なんだ。
高橋「おまえ、いいのか?」
高橋(弟)「勿論だよ兄ちゃん!僕、頑張るよ!」
高橋「お、おう。よろしく頼むぞ」
これは、これは予想外すぎる。
僕は、この結果を師匠やサトーに伝えるため風呂場を後にした。




