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第8話 トカゲは蛇に勝る

木の上にいる方が、地面よりずっと安全だと気付いたのはいつからだろう。

《よじ登り》を覚えてから、行動範囲は一気に広がった。


「……これ、思った以上に便利だな」


枝を掴み、体を引き上げる。

まだ完璧じゃないが、地面を歩くよりはマシだ。

視線を下に向けると、草むらの間を小さな魔物が動いているのが見えた。

その中に、ひとつだけ違う動きがある。


「……何だあれ」


草を滑るように移動する細長い影。

蛇か?


《個体を確認》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族:グリーンスネーク

種族ランク:平凡種

ランク:F

レベル:3

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「俺よりレベルは低いか…」


ヘビとトカゲ、普通に考えれば負けるのはトカゲ。

だけど、今は違う。

俺だって強くなった。


(……いけるか?)


俺は息を殺して枝を移動する。

一歩、二歩。

枝が揺れないように慎重に進む。

真上まで来た。


グリーンスネークはまだ気付いていない。


「……よし!」


枝を蹴る。

一気に落下。


ガブッ!


首に噛みつく。


「入った!」


グリーンスネークが暴れる。

体をねじり、地面を叩くように動く。


「離なすもんか!」


尻尾を振り抜く。


「《刃尾》!」


ガンッ!

鈍い衝撃。

だがまだ動く。


「しぶといな……!」


グリーンスネークが体をひねり、反撃してくる。

鋭い牙が腕にかすめる。


「っ……!」


痛みが走る。

HPが少し減ったのが分かる。


「なら……!」


噛みついたまま、距離を詰める。

ガブッ!

もう一度深く食い込ませる。

尻尾を振り下ろす。

ガンッ!


さらにもう一撃。


ガンッ!


動きが鈍くなる。


「これで最後!」


最後に強く振り抜く。

グリーンスネークの体が崩れ落ちた。

静かになる。


「……はぁ」


息を吐く。勝った。

その瞬間だった。


視界にパッドが現れる。


《討伐成功》


《経験値を獲得》


《レベルアップ》


3〜8


そして表示が切り替わる。


《進化条件を満たしました》


俺はこの前のように右へスライドする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【進化】

進化可能な種族を選択してください。


▶︎ファングリザード


▶︎シャドウリザード


▶︎アーマードリザード、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「進化!」


やっとここまできた。

だがリザード?よくわからない。

どっちにしろここまできたんだ


「……やっとだな」


俺はその文字を見つめたまま、ゆっくり息を吐いた。

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