第7話 木登りは思いの他むずかった
「さて……。」
昨日決めた寝床の前で大きく伸びをする。
朝日が森を照らし、葉の隙間から光が差し込んでいた。
「今日も生き残らないとな。」
昨日は運よくホーンラビットを倒せた。でも、この森にはもっと強い魔物がいる。
空を飛んでいた、あの巨大な生き物だっている。
「あれは忘れよう。」
今の俺じゃどうにもならない。俺は近くを歩き始めた。
歩いていると、一際高い木が目に入る。
「上から見たら何か分かるかも。」
そう思い、木に前足を掛けた。
しかし――
ズルッ。
「あっ。」
地面へ落ちる。
「思ったより難しいな。」
もう一度挑戦する。今度は爪をしっかり立てる。
少し登っては滑り、
また登っては滑る。
「はぁ……。」
何度目かの挑戦。
コツを掴んできた。
爪を深く引っ掛け、尻尾で体勢を保つ。
少しずつ。
本当に少しずつだが、高さを稼いでいく。
その時だった。
目の前にパッドが現れる。
《スキルを習得しました》
《よじ登り Lv1》
「おっ!」
やっぱりそういうことか。
何度もやれば覚えられるらしい。
「これなら色々試してみる価値はありそうだ。」
《よじ登り》を覚えたおかげか、身体が軽く感じる。
さっきまで苦戦していた木も、今ではスイスイ登れる。
「あっという間だな。」
枝の上まで登ると、森を見渡せた。
遠くには昨日立っていた丘。
その先には川が流れている。
さらに奥には、霧に包まれた山まで見えた。
「あそこまで続いてるのか……。」
この世界は想像以上に広い。
「いつか行ってみたいな。」
そう呟きながら景色を眺める。風が気持ちいい。
しばらく休んだあと、俺は木から飛び降りた。
ストン。
「よし。」
これで移動もしやすくなる。
一つスキルを覚えただけなのに、できることが増えた。
「次は何を試そうかな。」
そんなことを考えながら、俺は森の奥へ歩き出した。
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