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第6話 寝床探し


「あんな生き物もいるのか……。」


空を見上げながら呟く。もう姿は見えない。

それでも、さっきの光景は頭から離れなかった。


「……っと。」


今は考えても仕方ない。まずは今日を生き延びることだ。

日はまだ高いが、暗くなる前に寝る場所を見つけなければならない。

俺は丘を下り、森の中を歩き始めた。


しばらく進むと、大きな岩山が見えてくる。


「あれなら雨もしのげそうだ。」


近付いてみると、岩の下には小さな穴が開いていた。


「洞穴?」


入口は俺の体より少し大きいくらい。

慎重に中を覗き込む。


暗い。


……何も見えない。


「誰かいたりしないよな。」


少し緊張しながら一歩踏み入れる。

ひんやりとした空気が肌を撫でた。


奥行きはそれほどなく、人間ならしゃがむくらいの広さ。

俺には十分すぎる。


「いいかも。」


地面も乾いている。

雨が降っても安心できそうだ。


「今日からここを寝床にしよう。」


俺は洞穴の入口まで戻り、周囲を見渡す。近くには川。

食べられそうな木の実も少しだけ実っている。


「悪くない。」


住む場所が決まると、不思議と安心感が湧いてきた。


「異世界一日目にしては上出来かな。」


そう呟きながら、俺は洞穴の中で丸くなる。

トカゲの体は思っていた以上に暖かい。


「……眠い。」


目を閉じる。

風の音。

葉が揺れる音。

どこかで鳥の鳴く声。


日本にいた頃とはまるで違う景色なのに、不思議と落ち着く。


「おやすみ……。」


そうして俺は、この世界で初めて安心して眠りについた。

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