表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/27

第26話 基礎が終わって応用始まり

「今日はここまでだ。」


ガルドの声を聞いた瞬間、俺はその場へ倒れ込んだ。


「はぁ……はぁ……。」


全身が痛い。腕は上がらない。

足も震えている。

尻尾なんて感覚すらなかった。


「……こんなん死にますよ…。」


「死なん。」


「死にますって〜…?」


「死ぬならその程度だったってことだ。」


「師匠が厳しすぎるんですよ。」


「誰が師匠だ。」


「え?」


「勝手に師匠にするな。」


「もう師匠でいいじゃいですか。」


ガルドはため息をつき、大剣を肩へ担ぐ。


「好きにしろ。」


「じゃあ師匠。」


「……。」


「返事してくださいよ」


「うるさい。」


思わず笑ってしまう。

最初は怖いだけだったガルドも、少しずつ話せるようになってきた。

修行が始まって、もう二週間。

毎日が地獄だった。

朝は日の出前に起きる。

山を何十往復も走る。

崖を《壁走り》で登り続ける。

巨大な岩を押す。

木を何百回も斬る。

最後は大剣を振る。

それを毎日。


何度倒れても。


容赦なく続けられた。


「最初は木剣すらまともに振れなかったのに。」


マロンが笑いながら水を渡してくる。


「ありがとう、マロン」


ゴクゴクと一気に飲み干す。


「今じゃガルドさんの剣も少しだけ動かせるようになったね。」


「あれでも少しだけどな」


思い返すだけで腕が痛くなる。

最初は一ミリも動かなかった。

今では数回なら持ち上げられる。

それでもガルドからすれば、まだまだらしい。


「師匠。」


「何だ。」


「いつになったら強くなったって言ってくれます?」


ガルドは少し考えたあと、鼻で笑った。


「まだ一回も思ったことねぇ。」


「だが。」


ガルドは俺を見る。


「最初よりはマシになった。」


その一言だけで疲れが吹き飛びそうになる。


「ほんとですか!」


「勘違いするな。」


「まだ弱い。」


「でも最初のお前なら、今のお前には勝てん。」


「それは嬉しいですね。」


自然と笑みがこぼれた。

少しずつでも強くなっている。

その実感が何より嬉しかった。

ガルドは空を見上げる。


「明日から修行を変える。」


「え?」


「基礎は終わりだ。」


俺は目を丸くする。


「終わったんですか!」


だが嫌な予感しかしない。


「明日からは実戦だ。」


「森へ入る。」


「魔物と戦いながら覚えろ。」


「今までは体を鍛えた。」


「これからは戦い方を叩き込む。」


ガルドは口元を少しだけ上げた。


「安心しろ。」


「まだ地獄だ」


マロンはなにか苦笑いをしていた。

俺は空を見上げて大きくため息をついた。


「はぁ……。」


でも、不思議と嫌じゃなかった。

もっと強くなりたい。

サブロークハントを倒すために。

七龍に認めてもらうために。


「まあ、まずはガルドに認めてもラウトこからかな。」


リアクションお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ