第2話 転生したらトカゲだった
「……痛っ。」
目を開けると、そこは見知らぬ森だった。
湿った土の匂い。巨大な木々。聞いたこともない鳥の鳴き声。
「ここ……どこだ?」
立ち上がろうとして違和感に気付く。
「え?」
腕が短い。
いや、腕ではない。
前足だ。
慌てて近くの水たまりを覗く。
映っていたのは――
黒っぽい、小さなトカゲ。
「……は?」
何度瞬きをしても変わらない。
俺は人間ではなく、十数センチほどの小さなトカゲになったんだ
「嘘だろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
叫んだつもりだった。
しかし口から出たのは、
「キュッ!」
という情けない鳴き声だけ。
しばらく呆然としていると、目の前に青白い光が集まり、一枚の半透明な板が現れた。
まるでゲームのタブレット画面だった。
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《個体を確認》
《種族:トカゲ》
《種族ランク:平凡種》
《ランク:F》
《レベル:1》
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ゲームのステータスみたいだ。
「ゲーム最後にやったのドラ◯エだっけか」
さらに文字が浮かぶ。
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名前:なし
種族:トカゲ
種族ランク:平凡種
ランク:F
レベル:1
HP:12
MP:4
攻撃:2
防御:1
敏捷:5
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【スキル】
・噛みつき Lv1
・尻尾たたき Lv1
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【ユニークスキル】
《再生尾》
切断された尻尾を高速で再生する。
切り離した尻尾は一定時間動き続け、敵の注意を引くことができる。
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「ステータスはあるけど…弱すぎるな。」
攻撃2。
防御1。
完全に雑魚だ。
その時だった。
ガサガサッ。
茂みが揺れる。
現れたのは俺より三倍は大きいネズミ。
赤い目でこちらを睨んでいる。
「いきなりボス戦かよ!」
ネズミは一直線に飛びかかってきた。
俺は必死に横へ飛ぶ。
ズザッ!
間一髪。
「やるしかない!」
後ろから噛みつく。
ガブッ!
ネズミが一瞬よろけた!
「よし!」
しかしネズミも反撃してくる。
ガリッ!
「痛っ!」
HPは残り7。
「だったら!」
木の根元へ誘導し、相手が飛びかかった瞬間に横へ。
ゴンッ!!
ネズミは木に激突した。
その隙に――
ガブッ!
ガブッ!
ガブッ!!
ネズミは動かなくなった。
《討伐成功》
《経験値を獲得》
《レベルアップ》
Lv1→Lv3
目の前のパッドが再び淡く光る。
《条件を達成しました》
《進化が解放されました》
俺は恐る恐る画面を横へスライドさせる。
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【進化】
進化可能な種族を選択してください。
▶ 牙トカゲ
▶ 岩甲トカゲ
▶ 疾風トカゲ
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「……え?」
画面には三つの名前が並んでいる。
「進化……?」
何だこれ。
進化、スラ坊がスライムになる感じか。
俺は目の前の画面を食い入るように見つめた。
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