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第15話 トカゲの壁走り

「うおおっ!」


枝を蹴り、そのまま一直線に飛びかかる。

サブロークハントは少女へ向けていた視線を俺へ移した。


ガキィン!


《刃尾》と大剣がぶつかり、甲高い音が森へ響く。


「っ……!」


重い。

今まで戦った魔物とは比べものにならない。


「やばいかもな…!」


勢いのまま弾き飛ばされ、地面を転がる。


「ぐっ……!」


すぐに体勢を立て直す。

サブロークハントは追撃してこない。

ただ黙って剣を構え、こちらを見つめている。

沈黙。

ただ、一歩。

また一歩と近付いてくる。

その姿に無駄な動きは一切なかった。


「魔物っていうよりは戦士だな。」


少女が震えた声で叫ぶ。


「逃げて! 勝てない!」


「それでも!」


俺は少女の前へ立つ。


「君を見捨てたらもう人には戻れない気がする!」


サブロークハントが地面を蹴った。


「あの巨体で!?」


一瞬で目の前まで距離を詰められる。

剣が横薙ぎに振るわれる。


ギィン!


《刃尾》で受け流す。

だが、その衝撃だけで数メートル吹き飛ばされた。


「はぁ……はぁ……。」


強い。

レベル差だけじゃない。

経験も、技術も、全部負けている。


「でも……!」


逃げるわけにはいかない。

俺は近くの木へ飛び移る。


《よじ登り》を使い、一気に幹を駆け上がる。

サブロークハントも俺を追うように木へ飛びついた。


「えっ!?」


登れるのか!

しかも速い。


「だったら!」


俺は枝へ飛び移らず、そのまま隣の岩壁へ飛びついた。

指先が岩を掴む。


「……クソ!」


必死によじ登ろうとした、その瞬間。

パッドが光を放つ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《スキル進化》

《よじ登り》Lv2

  ↓

《壁走り》Lv1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「え……!?」


次の瞬間だった。

今まで掴まなければ登れなかった岩壁を、足だけで駆け上がっていた。


「走れてる!?」


壁を蹴り、そのまま空中で反転する。

サブロークハントの真上を取る。


「これなら!」


《刃尾》を振り下ろす。

黒い刃が一直線に走った。

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