第13話 森の主は熊だった
「ふぅ……。」
倒したホーンラビットを食べ終え、俺は近くの岩へ腰を下ろした。
あの時は勝つのは難しかったが今じゃ楽勝だ。
「最初は抵抗あったけど、この肉にも慣れたな。」
前の世界なら絶対に考えられない。
生肉をそのまま食べるなんて。馬刺しはありだが…。
でも今は、不思議と何も思わない。
「俺もすっかり魔物ってことか。」
苦笑しながら立ち上がる。
パッドを確認すると、レベルは少しだけ上がっていた。
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名前:なし
種族:ファングリザード
種族ランク:中位種
ランク:D
レベル:10
HP:52-3up
MP:9-1up
攻撃:15-2up
防御:4
敏捷:10-1up
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「前はupなんて表示出なかったよな。」
多分鑑定?もレベルアップしてんだろう。
本題に戻るが、どこにいるのかも分からない森の主を探し回るだけでは埒が明かない。
「何か手掛かりでもあれば……。」
俺は木へ飛び乗り、《よじ登り》を使って枝の上を進む。
高い場所からなら、やはり何か見つかるかもしれない。
しばらく移動していると、不自然な光景が目に入った。
「……あれ?」
木々が何本も倒れている。この前もあった。
まるで巨大な何かが突っ込んだような跡だ。
俺は慎重に地面へ降りる。そして折れた木を見上げる。
「でかいな……。」
俺の体ほどもある幹が、根元からへし折られていた。
人間なら何十人いても無理だろう。
近くの地面には、一つ毛が残っていた。
「これ……。」
前足を並べてみる。毛1本1本が大きい。
《個体を確認》
パッドを向ける。
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リズクルベアーの鋼毛
ランク:C
〈説明〉
鋼鉄並みの硬さを誇るリズクルベアーから落ちた毛。
これだけでも鋼鉄並みの硬さを誇るため、鎧などにつかわれる。
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「リズクルベアー…てことはくまか!」
この前後だけでやった時はわからなかったが、
アイテムはできるんだ。それと鑑定結果から考えるに、
森の主はこのリズクルベアーで問題ないだろう。
「これは大きな発見だな。」
その時だった。
ゴォォ……
風が吹き抜ける。
草が揺れ、鼻先に強い獣の匂いが届く。
「……血?」
新しい匂いだった。
俺は匂いを頼りにゆっくり歩く。
すると少し先に、一体の魔物が倒れていた。
体長は三メートルほど。
鋭い牙を持つ狼型の魔物。
すでに息はない。
「は…?」
俺はさっきまでの余裕がなくなった。
傷は一つ。
首元を、一撃で噛み砕かれている。
争った形跡すらなかった。
「こんなの……俺には無理だ。」
そう思ったその瞬間。
「いやああああ!」
誰かの悲鳴だ。
俺はすぐさまその方向に向かった。
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