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18.親切な門番

本日(9/3)3回目更新

宜しくお願い致します。

 想定していたよりも早く勇者の情報を得て少し浮かれた後、私はスクリューの街門にて取り調べを受けていた。


 取り調べと言っても、この街に来た目的や出身地、犯罪歴を聞かれただけだ。

 身分を証明できるものが無かったので念のための確認、後は私の外見が幼かったため心配で話を聞きたかったのだろう。


「じゃあ、個人識別の仮カードの発行料金で銅貨三十枚になるけど、お金は持っているかな? 持っていないのなら、今回だけ貸してあげるよ」


「心配ご無用ですよ。はい、銅貨三十枚です」


 こんなこともあろうかとしっかりと準備はしておいた。道中で助けた商人の方から少しばかり金銭を融通してもらっていたのだ。


「しっかりした子だなぁ、可愛いなぁ……。あ、仮カードは役所で市民登録するか、傭兵ギルドで傭兵登録するか、商業ギルドで商人として登録してね。何処で登録しても登録料は同じで銀貨一枚で個人識別プレートを発行してもらえるよ。それじゃあ、危ない人に絡まれないように気を付けてね! 何か困ったことがあれば聞きに来てね! 街中で見つけた時でも、いつでも聞いてくれて構わないから!」


 ……先程の求婚男といいこの門番といい、若干危ない人が多いように思えるが、とても親切にしてくれたので気にしないことにする。


 門番の男に見送られ、私はついにスクリューの街に足を踏み入れた。


「ふむふむ、活気があるいい街だ」


 門を通過して視界にまず飛び込んでくるのは人、人、人。今までこの世界で見てきた村と比較してしまうと、人数の多さに圧倒される。まるで最近見たアンデットの大群のようだ。


 アンデットの大群と違うのは、皆一様に活気があるという点。中には悪いことがあったのか頭を抱える人物もいるが、視界内はほぼ笑顔の住人で埋まっていた。


 まだ街の入り口だというのに街のあちこちで声や音が響いてくる。


 この国の人間が殆ど集まっているのではないかと思えるほどこの街は広く、港街だというのに海へたどり着くには時間が掛かることは確実だろう。


 まあこの世界に来てから海はそれなりに見ている。焦って見に行く必要もないだろう。


 それよりもまず、傭兵ギルドとやらに出向いて個人識別証を発行してもらう必要がある。


 ……いや、別に傭兵にならずとも《封緘》を上手く使えば商いはできるだろうし、商人として個人識別証を発行してもらえばよいのでは?


「早速で悪いんだけど、傭兵ギルドと商人ギルドのどちらに登録すれば良いのか迷っているんだ」


「はぁ、もう私に会いに来てくれたんだね、可愛いお嬢さん。なんでも聞いてくれ」


 はい。

 私は再び門へと引き返し、親切な門番へ問いかける。


「……商業ギルドと傭兵ギルド、それぞれの登録に関するメリットとデメリットが知りたいので、その辺りについて聞かせてもらえるかい?」


「その程度は一般常識だよ。そうだね、違いというとまずは歴史かな。商業ギルドに比べ傭兵ギルドは歴史が浅い、というより商業ギルドの仕組みを基に傭兵ギルドが創られたって感じかな。傭兵ギルドは三大龍魔王との戦いの後に、戦力の把握とサポートを行うために急いで創られた組織なんだ」


 確か聞いた話だと龍魔王との大戦が終結したのが約二十年前だった。

 ということは最大でも傭兵ギルドの歴史は二十年程か。


「両ギルド共に登録自体は変わりない。違いを実感できるのはランクが上がってからだね。商人ならオークションへの参加権や取引での信用、傭兵ギルドなら危険区域への探索権や護衛依頼での信用を得られる」


「珍しいものを手に入れたいなら商人ギルド、行動範囲を広げたいなら傭兵ギルドということかな」


「そういう認識で構わないよ。そして最終的にものをいうのは資金か戦闘能力のどちらかだということも把握しておいてくれ。……正直危険だから勧めたくはないが、商人ギルドは家柄とかも見られるから傭兵ギルドの方がランクは上げやすいかもね」


「なるほどね、助かったよ。職務中に失礼した」


「ずっといてくれてもいいんだよ」


「では、失敬」


 助かったのは事実で、彼も良い人に変わりはないのだが、私は逃げるように門の一室を後にする。


 話を聞いて分かったのは、私に合っているのは傭兵ギルドだろうということ。


 一応旅をしている関係上行ける場所は多い方がいいし、商人になったら人付き合いにも力を入れなければならない。私がアンデットであることを隠していくなら人付き合いは極力避けた方が無難だろう。


 そもそも私が目指すガダスは何処にあって、ここからどう向かえばいいのだろうか。


 街に入る前に出会った男のように、移動、もしくは旅をする場合は地図等が必須だろう。傭兵ギルドに地図が販売されているかも確認しなければ。


 後は……宿かな。

 と言ってもお金は登録料分しかないので稼がなければ泊まれないが。


 最悪、裏路地などで時間を潰すことになるだろうが、睡眠は必要無いので問題はない。


 それに街の外で一晩中採取を行うのも良いだろう。

 そんなことを考えつつ、私は傭兵ギルドへ向かうため、近くにいた婦人へ道を尋ねるのだった。


シャニ〇スでバグ発生。バックアップ無し。一年分データ消失。つらい。

読んでいただきありがとうございました。

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