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希望の星の強調介入ー5

悠里が孤独な戦いを繰り広げているころ、都は。バイラオーラへと変身し、《ラ・フィエスタ》の代表として、戦列に加わっていた。

 怪人達の攻撃は、航輝を容赦なく攻め。痛めつけていった。

 都は、その間、唇を噛みしめて耐えなければならなかった。あまりに強くかみしめたため、唇から血がにじむ。

誰が見ても、航輝は限界だった。フルフェイスのヘルメットははじけ飛び、顔が見えている。

剣もボロボロになり、熱線銃は先ほどの爆発で放してしまった。

「イーッ!!(お嬢、次はどうしますか?!)」

「航輝が逃げられるように、道を作っておくわよ!」

「イーッ!!(でも、あまり派手にやると、不審に思われますぜ)」

航輝がまだ生きているのは、都達ラ・フィエスタのメンバーの協力によるところが大きい。派手な攻撃をするふりをして、怪人たちの攻撃を妨害しているのだ。

「やらないと、死んじゃうんだから、やるの!!」

「イーッッ!!(合点だ!!)」

都は、構成員を指揮して、よく働いていた。

時には航輝の逃げる道を、時には航輝の隠れることの出来る場所を、他の組織の怪人達にバレない様に。また、これを見ている聖園・ジゼル・由美香に不信がられない様に。細心の注意を張らないながら航輝をサポートしていた。

しかし、それももう限界だ。ある怪人の電撃鞭により、航輝は一瞬、意識を失い膝をつく。

(まだなの?悠里ちゃん?!)

悠里の作戦では、この怪人たちが撤収してからが、都や航輝たちの出番となる。

(その前に、死んじゃうわよッ!!)

当初の予定より一五分も長引いている。都の焦燥感は極限に達していた。もしや悠里の作戦は失敗してしまったのではないだろうか。

みれば、上空には、聖園・ジゼル・由美香を乗せた。個人用浮遊台が降りてきている。

 そろそろ頃合いと見たのだろう。降りてきて「なぜ、私の指示を聞かず、飛び出したのです」とか、涙ながらに嘯いた後、悪の組織を追い払う『フリ』をするのだ。

 悠里からは、まだ連絡が無い。由美香にあれをやられてしまったら、もう勝ち目がないのだ。

都は、決断した。

ありったけのステップを踏むと、跳躍し、由美香を乗せた浮遊台に飛び蹴りを見舞ったのである。

「な、なっ!!」

荘厳な音楽を流し、降りてくる由美香の浮遊台を、都の『死神の靴』が貫いた。

大爆発を起こす浮遊台に飛ばされる格好で、由美香と都は、波止場の倉庫の屋根を突き破り、落下した。幸い地面直前で受け身を取ることが出来たが、かなり痛い。

「ちょっと、《ラ・フィエスタ》のバイラオーラさん!話が違うんじゃありませんか?!皆さんはこの後、あの愚か者に止めを刺そうとした所を、私に止められ、少しだけ戦って逃げ帰るという、お約束ではありませんか」

 由美香が、都に小さく耳打ちする。

 この段階で、都の中で何かが切れた。

「ふっざけんな」

「え?」

「ふざけるな、って言ってんのよ!!傲慢女あぁぁ!」

大声で叫ぶ。倉庫の中だとはいえ、周囲のギャラリーに聞こえてしまっても構うものか。

「……なっ?!ご自分が何を言っているのか解っていますの?!」

「ああ、何度でも言ってやる。あんたは世間知らずの馬鹿な女よ。自分の幼稚な復讐心を満たす為だけに、いったいどれだけ人を苛めれば気が済むっていうの!!」

「ば、馬鹿者ですって」

打ち合わせとは違う出来事に、倉庫の中に入ってきた、怪人や戦闘員たちの動きが止まる。

 もう止まらない。悪の女幹部バイラオーラとしても、都個人としてもどうしても言わねばならない事があるのだ。

「いう事に欠いて、スターライツレッドが愚か者ですって?!一人で、一〇〇以上の悪の構成員と戦っている者のどこが、愚かだというの!?それも理解出来ない者が馬鹿であると言って何か問題でもあるかっ!!」

《ラ・フィエスタ》の戦闘員が近寄ってきて、バイラオーラを中心に円陣を組む。迷惑そうにしているかと思いきや、都が戦う意思を決めた事が嬉しそうだ。

航輝が戦闘員に担がれてやってくる。

「お…い、都。やめろ、おまえまで、巻き込まれちゃうだろうが……」

航輝が息も絶え絶えに、言う。

こんな時にも、人のことを心配して、本当に不器用な人だ。

由美香は、顔を真っ赤にして

「い、言いましたわね《ラ・フィエスタ》程度の組織、何時だって潰すことが出来るんですのよ?!」

「構わない。来るがいいっ!!我ら《ラ・フィエスタ》は、勇敢な者の方に着く事にする!!」

バイラオーラのロングスカートをはためかし、都は高らかに宣言する。

《ラ・フィエスタ》を危険にさらす事になるが、重蔵なら解ってくれるだろう。

由美香は、怒りを押し殺し小さな声で、都達に言った。

「予定を変更しますわ、あなたも怪人たちに潰されてしまいなさい。それからわたくしが直々に成敗して差し上げますわ」

由美香がそう言った時、航輝と都の端末に、悠里からの通信が入った。都達が、ずっと待ち望んだ通信だった。

「お兄ちゃん!!お待たせっ!首領達の説得に成功したよ!!!」

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