6章 人生始発ホームの東京
プロローグの補足~幸せを探し求めるオイには、朝の光がまぶしい東京駅に来た。
駅の賑わいの中で、旅の仲間たちがいた。
それは、甥っ子のラッキー健二、ワイズマン、スピ女、「魂の声」である。
駅のアナウンスが響き、列車が発車準備であった。
駅の外は、ガラス張りの高層ビルが朝日にきらめいていた。
街路樹の緑が都会の硬質な風景にやさしさを添えていた。
車内にはコーヒーの香りが漂い、汽笛の音が新たな一日の幕開けを告げる。
オイらハッピーネス・ハンターは、東京駅を出て丸の内の賑わいを見つめた。
幸福というテーマを胸に、ウェルビーイングの思索を深めていくのだ。
この幸せ巡りは、ただの気ままな移動ではない。
都市の事物や心象のリズムに身を委ねながら、
人間が求める「幸せ」とは何かを探る。
第6章 人生の始発ホームたる東京駅
春の朝は清々しい。
東京駅の赤レンガは、「今日も人生やり直し放題ですよ」と言わんばかりだ。
筑後訛りの残るオンボロ人生のオイは、駅のピカピカのトイレで深呼吸した。
「今日からオイの幸せ探しのウォーキングが始まる、ウォーキングアップやね」
すると、
「おっちゃん、やっと動いたか! 冬眠してた宇都宮のクマより遅いぞ!」
甥っ子が、勝手にツッコミを入れてくる。
続いて、落ち着いた声が響く。
「無理はするな。幸せは急がず、気づくものだ。慌てる乞食は貰いが少ない」
ワイズマンは、気功やヨガや禅に目覚めて生悟りしている。
さらに、風鈴のような声が舞い降りる。
「空と風と隆さんの中に、答えはあるのよ〜」
スピ女がニッコリして言う。
オイは頭をポリポリかきながらつぶやいた。
「オイの脳みそ、いつからシェアハウスになったんかね?」
オイは、駅の丸の内口を見上げた。
赤レンガの重厚な建物は、人生の節目を祝福するように堂々としている。
「ここから、また歩き出すっちゃね」
すると、魂の声が降下してきた。
《人生は何度でも始発駅に戻れる。
おぬしの魂の履歴書には、失敗も再起もちゃんと書かれておる》
オイは思った。
~魂の履歴書も紙の履歴書も、日本一の富士の山のごとく真っ白やけどな?
「おっちゃん、それ逆にレアだぞ。
肩書ゼロの自由人って、現代では価値が高いからね!」
健二が妙にポジティブな励ましをくれる。
オイは意気揚々と歩き出した。
「よーし、まずは皇居方面に向かうばい!」
「おっちゃん、そっちは八重洲口だぞ。逆方向や!」
「えっ、そうなん?東京駅は出口が多すぎて、オイは迷子になるっちゃ。
東京駅は迷宮だからな」
ワイズマン:「量子論では、出口の波動関数が広がっている状態だ」
「波動関数とか言われても、オイはただ迷子になっとるだけやけん!」
頭が回るオイは叫びながら、駅前をぐるぐる回った。
スピ女:「隆さん、迷うのも旅の一部ですよ。人生も同じ。
迷った分だけ、きれいな景色が増えるわ」
そのとき、オイの足がピタリと止まった。
「なんか、ええこと言うねぇ。
迷子も幸せの前座みたいなもんかい」
「そうよ〜。迷ったときほど、宇宙はあなたにヒントをくれるの」
スピ女が、脳内でくるりと舞う。
オイは、東京駅のホームを眺めた。
電車が出発するたび、風が頬をなでる。
「なんか、ええねぇ。
電車の出発音聞くだけで、ちょっと幸せや」
「それだよ、おっちゃん!」
甥っ子が叫ぶ。
「幸せって、でっかい宝箱じゃないよ。
こういうちっちゃい瞬間の積み重ねなんだよ!」
賢人も静かにうなずく。
「気づいたな、高田君。幸せは探すものではなく、感じるものだ」
~我感じる。ゆえに青い鳥の我なり?
オイは、東京駅を背に歩き出した。
「よーし、今日からオイの幸せ探しのウォーキングの始まりばい!
迷子になっても、財布が空でも、なんとかなる、ケセラセラだよ」
魂の声が優しく響く。
《その意気だよ。人生の始発ホームは、いつだっておぬしの足元にある》
而して、オイの青い鳥探しの東京散歩が飛躍するのだ。
この東京漫遊記は、
きっと、あなたの人生や世界の根本原理を示唆し、
あなたが経験などから作り上げた人生観や
世界観、処世術の一助になるでしょう。




