15 ひらめき
「どうやら説得は失敗だったようだね」
と、すさまじい勢いでマルノウチのビル群を平らげながら進む、なんでもたべちゃうゴンの後姿を見つめながら、小さな男の子が言う。
「それにしても、すごい食欲だな? いったい、あのお腹の中はどうなっているんだろう?」
その光景を見つめながらシュレーディンガーが素直な感想を述べる。
男の子たちが見ている間にも、あっちのビル、こっちのタワーと、なんでもたべちゃうゴンの食欲は尽きることがない。
「さあさあ、役目は終わったんじゃ。早く帰るとしよう」
と弘左衛門がポツリと呟く。
「おい、弘じいさん! 何をいっているんだ。せっかくここまできたのに、単にUターンして帰ったんじゃ、何のために来たのかわからないじゃないか!」
シュレーディンガーが弘左衛門の意見に真っ向から対立する。
「ここは、もう少し探りを入れるべきだ!」
そう言うとシュレーディンガーが小さな男の子の方を振り返る。
「キミはどう思う? まさか弘じいさんと同じ考えだなんて言わないでくれよ」
すると小さな男の子が考え深げにシュレーディンガーに答える。
「どうして、なんでもたべちゃうゴンは、あんなにすごい勢いでものを食べられるんだろう? ねえ、おかしいと思わない?」
けれども男の子の問いかけに二匹の仲間たちはただただ首を振るばかり。
「わからんな」
「ご同様じゃよ」
小さな男の子は額のまん中、目と鼻のつけ根の辺りに右手の人差指を当てると、じっと考え込む。そしてしばらく経ってから、こう呟く。
「ね、入ってみない。なんでもたべちゃうゴンのお腹の中にさ。そうすれば、謎が解けるかもしれないよ!」




