167話
此処は多分カプリスダンジョンの最奥近く。
私は女王箱ことピュアミミックエターナルの女王
ナルちゃんと対峙していた。
私は遠目から真空刃を定期的に放って様子をみていた。
「さぁさぁ、どうするのかなぁ? ナルちゃん」
突然ナルちゃんは箱を仕舞うとその部品を腕に取り付けていた。
あれ、何ソレ。
そんな動き見たこと無いなぁ。
私の知らない何かをするのかしら。
今の私のカンは多分だけど凄くてあの行為がとても気になるみたい。
絶対に何か有るよアレ。
「……………………」
よし、じゃあこっちもアレをしておこう。
直ぐさま正面にもう一体の『さらおっち』を生成。
気が付かれない様に私は入れ替わり物陰へ。
うーん。何をするのだろう?
ナルちゃんにびゅんびゅんと真空刃を適当に放つ『さらおっち』
このままもう少しだけ様子を見よう。
適当に放たれた真空刃はナルちゃんに簡単に躱されている。
しかしあるタイミングで何故か躱さずに腕で弾く行為をした。
そう。タイミングも気になった。
何かを狙うような……そんな感じに思えた。何だろ?
その腕で弾いた真空刃は半分月を描くかの様にぴゅーんと弾かれ…………ながらも勢いを……あれ?
気が付くとギュルギュルと音を立てて私へと文字通り刃向かって来た。
数倍にもパワーアップされているであろう新真空刃は勿論『さらおっち』へとブーメラン。
しかも早い。多分避けられないだろうなぁと他人事の様にさらおっちを見守る私。
しかし私の予想を半分外したさらおっち。
なんと腕一本切られるだけで耐えた。
まぁ実際には致命傷レベルなんだけど私が生成したもどきだからねぇ。
私から見たらあれは耐え。
まだやれる。
という事でじじいことイトウさんの方を確認するとマジかじじい。
私の自慢作のさらおっちシリーズ計4体を完全撃破してやがる。
しかもご丁寧に一体ずつオブジェのように重ねてるし。
その上で一服してコッチを見ていた。
「こういうのの相手はワシ得意なのよのお……」
「じゃあ私がそっち」
ナルちゃんにさらおっちシリーズを追加で4体出してイトウさんへと向かう。
しかし、そのタイミングで先程耐えた個体が事切れた。
むむっ。
そしてこっちを見ながら飄々としているじじいことイトウさん。
多分、今の私ならイトウさんにも勝てると思うんだけどまさかさらおっちシリーズが瞬殺とは。
もしかしてだけどイトウさんってもっと強いのかしら。
…………私の感覚だと私の方が強いって感じなんだけどなぁ。
「まさかそういう形で強くなるとは思わなかったぞい」
「そういう形?」
「今のお前さんは恐らくダンジョンの意思に取り込まれかけている」
「ダンジョンの意思…………」
「つまり、今のお前の強さは自分のモノでは無いという事じゃ」
「……だからどうしたと言うの。強さには変わらないんでしょ?」
「そのままだとお主は…………まぁ良い。先に鼻をへし折ってやろうぞ」
わかったよ、強くなった私という存在を。
これからわからせてあげる。




