166話
「くっ…………早い!」
正面から飛んできた空気の物体。
更に増えた。
右、無理。上。駄目。ガード!
魔法……間に合わない!
「うわわわわわっ!」
瞬時に防御姿勢を取り衝撃を受けた。
重いし痛い。壊れちゃう。
私の外殻。宝箱のお家に多重でガードの魔法を掛けたけど
間に合わなかった。
コレを壊すわけにはいかない。
はぁ……仕方ない。
「さらちゃん…………今度はこっちから行くよ!」
さらちゃんの顔を見た。
彼女がどういう考えの上でどういう動きをしているのか……
もう間違いない。
さらちゃん。今の彼女は『ダンジョンの意思』そのもの。
私もこのお祭りで一番になった時。その『ダンジョンの意思』に取り込まれそうになった。
もう自分の意思では無いんだ。
でもそれがどの位融合しているのか。どちらが優位を保つか。私の時は偶々自分の意思が勝ったんだ。
「戻って来て……………………さらちゃん」
外殻を収納し小さい面積の盾に変化させた。
上手くガードできればどんな攻撃でも防げる代物。大きさは私の手のひら程度。
ソコに反射を掛けた。このカウンターは誰も防げない。
コレが私の隠し武器『ミラー・ザ・ボックス』
女王箱の最終兵器の一つ。
クールタイムは65535分。残念ながらもう当面は使えない代物。
結構地味なんだけどカウンターに特化していて、更にこの攻撃を受けた者は必ず気絶させるという特殊効果を持つ。
気絶させればなんとかなると思うんだ。うん。
箱の中で作ったさらちゃんの木刀の類似品を手にし、多重の真空刃を叩いて落とした。
さらちゃんの武器から放たれている真空刃は結構素直な動きをしている。
コレに対しカウンターを仕掛けるのはそんなに難しくない。
「さぁさぁ、どうするのかなぁ? ナルちゃん」
さらちゃんは真空刃を再び飛ばしてきた。もうヤルしか無い。
タイミングを見計らって『ミラー・ザ・ボックス』に当てる真空刃を選ぶ。
…………よし、次のアレで行こう。
素直な動きをしている真空刃。その一枚に対し左腕に付けている盾『ミラー・ザ・ボックス』を当てた。
金属が擦れる鈍い様で甲高い独特な音がして『ミラー・ザ・ボックス』のカウンターが発動。
ソレを模倣し反射した真空刃(箱)は相手へと跳ね返る。何倍もの威力となって。しかも必中。
近づいてこないで更に遠くからの攻撃をする者には最適な返し技。
上辺へ、弧を描くように跳ね返った真空刃(箱)はさらちゃんの胸部付近から肩口へと刺さった。
そんなさらちゃんを見守っていると数秒後に膝から崩れ落ちた。
よし、今のさらちゃんがどれ位の時間気絶しているか解らない。
急ごう。
私は駆けてさらちゃんの元へと急いだ。




