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164話

此処は恐らくカプリスダンジョンの最奥近く。



私はとある二人と対峙していた。



出会ってからはまだ間もないかも知れないけど、色々と教わって、お話して。


一緒に戦って。

沢山鍛えてくれた。


色々と話したり一緒にご飯を食べたりしていく内に絆が出来た気がしていた。

サマーさんの時とは違うと。




――――――――二人の強さは底知れず。


私もそんなに強くなっているとは思わずに。

二人に少しでも近づける様に。


私自身、強くなるために。

私自身の目的のために。

五次郎を助ける為に。



私なりに頑張ってきたと思う。

信用していた人達に騙されて。

地獄と変わらないような場所に落とされた。




私って……何なんだろう。




そんなに私、強くないんだよ?

それじゃあ駄目…………かなぁ?


なんでそんなに強さに刺激されるのかな?

…………意味分かんなし。

もう、ほっといて欲しい。



でもね……それ自体が違ったみたい。



自分の心の内は何時しか変化していったんだ。

少しずつ強くなって、どんどんと強くなって。


強さに酔いしれる程に。

手を伸ばせばその先へと届くようになる。


あと、数センチ。更に数センチと。

貪欲に――――――――



強さを求めることの意味を、その本質に触れてしまった。



知らない私は彼等からは異質だった。


この場所で弱いままいる事の罪深さ。


そんなステージで生きている者達。

気がつかない内に私はその一員になっていたんだ。



仲が良くなった二人。

私から見れば師匠も同然。親も同然。

力の差もかけ離れていた。


卵の殻を破ったら強い二人がそこにいたんだ。



でも全然さ、解らなかったんだよ。

私。何時の間にかそんな二人よりも強くなっちゃってた。







勝負は時の運。


そんな運が左右されない程の差が。




彼等と私の間には存在する。



おかしいなぁ。変だなぁ。

別に私はそこまで強さを求めていた訳では無いんだけどなぁ。



もしもこの地獄でそんな事を考えるだけで侮辱になるだろうか。



単純にこの階層で一番強いのは誰?

それがダンジョンの階層王。



じゃあ――――私がソレかなぁ。




さて、どちらから相手にしようかな?


二人同時だと私が楽しめないでしょ? あはは。



「おいで……………………わたしの分身」



合図とばかりに手を斜め下で軽く振る。

私の左右に私の分身体。

今覚えた術。


『さらおもどき』を4体出現させた。


でも、もどきってやーね。

うーんと、次からは『さらおっち』で良いか。


さらおもどきA~Dは正面の敵を一瞥し私を見て命令を待っている。


「オマエ達はあっち。遊んであげなさい…………」


さらおもどきを4体。

イトウさんへと向かわせた。


もどきとは言え侮るなかれ。結構強いの出来たよ。

初めて作った私の分身。


「さぁ、ナルちゃん。本気で行くから…………覚悟してね」

「…………私に勝てるなんて100年は早いんだから!」


「紅蓮の鎌よ……」


私の言葉に応じる様に虚空から紅蓮の鎌が出現し私の手に収まる。

軽く振るうとやはり、この武器。私によく馴染む。とても使いやすい。

私の身長近くある棒状の部分に両手を広げた位の鎌。


「気を付けてね……ナルちゃん」

「…………さらちゃんの癖にっ!」



その台詞。言われると面白いね。思わず顔が綻んだよ。


「うしっ!」


遠目でナルちゃんへ鎌を振るい紅蓮の真空刃を放つと同時に駆けた。

私の持つ最高速で。



真空刃は決して遅くは無い。

寧ろ早いが私のスピードも魔力により加速されていた。

もう真空刃と隣同士で追い抜きざまにナルちゃんへと横凪ぎで鎌を振るう。


判断は後方。宝箱から上半身を出しているナルちゃんは重みのありそうな箱のボディをガシャンと素早く動かし後方へと退避。

私は身体を半歩避けて真空刃を進ませたと同時に再び真空刃を追加でお見舞いした。



私から見る限り逃げ道、死角は何処にも無い。

空間を埋め尽くす多重の真空刃は目標を捉えた。

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