154話
恐らく敵であろう腕が藻掻くように動きそのまま消え去った。
多分…………死んだと思う。
地面に胡座で座り直しホット一息。
「ふぁー。何とかなったー」
『お、さらっちの声』『おめでとうさらちー』『何かと戦ってたっぽいね』
『腕っぽいの見えた。アレが敵でしょ?』『さらっちー姿みせてー』
『ままどこー』『さらっちの声久々……』『うう、目が回るー』
「ええと、カメラワーク変更。リアル上空斜めから」
画面が私の斜め上にセットされた。
微調整して、うん。よしよし。
カメラに向かってブイさいん!
笑顔もプラス。うんうん、サービスサービス。かわよな私。とくと見れー
『…………うわースプラッター』『だ、誰か、衛生兵ー』『うわやば血みどろぴーすさん』
『ヤンデレを越えた何か。流石さらっち』『うわえぐっ……』『これはコレで伝説』
『ま、ままぁーーーー』『血みどろヒャッハーたん降臨』
……じ、実況編集。
今のやつ見せて…………。
「………………無いわー」
短い夢だったなぁ。
あー。やっちゃったよおー私ぃー。
み、みんなごめん。酷いの見せちゃったよう……。
と、とりあえず水の魔法で全身にザバーっと。
水も滴る良い女。の方がマシか……。
……………………半泣き状態の健気な笑顔で挑んでみた。
『大丈夫だよさらっちー』『何時も君は可愛いよ』『幼女はどんなだって良いのだ』
『さらっちがんばえー』『BAN不可避』『だ、だっ、大丈夫だから!』『あぁ、暖めてあげないと……』『キャーままがずぶ濡れにー』『でも血みどろひぉやっはーさんは皆の心に残りんす』
うん。おわた。
とりあえず画面を強制終了してしゃがみ込む様に泣いた。
「うわーん。ないわぁーーーー」
何々あれ、あの顔。
私だったら「ひっ……」てなるよお。
笑顔のアクセントがスプラッタ過ぎるし夢に出る系の奴。
ああーもうもうもうもう。
「勝利…………くま」
「……………………」
「オメデトウゴザイマス。連鎖識の腕を撃破シマシタ」
「……………………全然嬉しくないんデスけど?」
しかも腕って何よ?
意味分かんなし。
とりあえず最悪なのは皆にスプラッタを見られた事。
あーもうアレ切り抜きとかで上げられてるよ絶対。
変な脅かす系の動画とかに組み込まれるんだきっと。
オチとかにも使われるんだ。あーもう。もうもうもうもうもうはうしー。
落ち込んでも何にもならない。
……………………つ。
つ、強く…………なってやるんだ。
もう腕力で解決していこう。
逃げちゃ駄目だ。
「よし、絶対に逃げない!」
濡れた全身も暖めて乾かした。
笑顔の練習……は止めて、開き直ってクールに行こう。
もう始めたらなるべく止めない。
「すーーーーーーはーーーーーー」
実況編集から……スタート。
『あ、戻った』『お、おかえりさらっちぃー』『おいちゃん待ってたよー』
『皆んな優しいから大丈夫。生暖かく見守るって!』『…………流石さらっち。コレだから推しは止められない!』『ままぁーボク泣いちゃったよ(35歳)』『←私が泣かす』
やっほ。皆、驚かせたね!
さらっちも驚いたよ。自分、あんなに……あんなに…………うっ。
ご、ごほん。あんなにスプラッタになってたなんて。今年のハロウィンはアレで決まりだね!
てなわけで強敵のなんとかーって腕を倒したよ! みんな。
レベルも凄くアップしたよー!
…………あ、アレ。ホントに凄くアップしてる気がする。
さらっちドンドン強くなってダンジョン王になるからねー!
応援よろしくぅー。
……くじけぬ心を手に入れたかもしんない。




