149話
此処はカプリスダンジョン。
地下190階層のダンジョンマスターを決める祭りの最中。
大混乱の後、会場は凍り付いていた。
瞬間的に。
この子のやった事は責任を取らないと母親としては……って誰が母親やねん。
――――この状況。
……どう切り抜けたら良いねんなーとか頭高速回転気味で考えていた。
静まっている会場、その静寂からの歓声、怒声、野次が入り交じった様な。
それまでの雰囲気がガラッと変わり。
会場にいる者達の割れんばかりの歓声で会場は揺れていた。
そんな中、近くの牛の女性。
審判である彼女は私の側まで恐る恐るとした様子で来てからこう話した。
「えーと、貴方の勝ちです」
「…………は、え?」
審判の気弱そうな牛娘さんは私の腕を持ち上げて勝利宣言をした。
『勝者、名も無き少女』
その牛娘の宣言に対し更に会場の歓声は更に強くなった。
リアちゃんはパタパタトトッと来て私の足にしがみついていた。
「みゃーみゃあ……」
「あ、あはははは……………………」
辺りは火の海。
とまでは行かないけど燃えている何か。
そこら中で色々なモノが燃えていた。
そんな状態で勝利宣言を受けても素直に喜べないというか、……私じゃ無いし?
とか色々と、心の持ちようを考えていたけど良い言い訳が思い付かない私は何かを誤魔化したくて人差し指で頭を掻いていた。
通常だとそのまま次の戦いを始めなければいけないのだけど会場はそこいら中まだ燃えていた。
その後、運営からのアナウンスにより今大会は白紙に戻された。
「……ちと運営に行ってくる」
イトウさんはそう私に言い行ってしまった。
「一旦帰ろっか、さらちゃん」
「うーん…………そうだね」
女王箱のナルちゃんの提案に乗って私たちは200階層に一度、戻る事にした。
特にすることも無かったのでイトウさんを待ってればいっか。
という事で少し休んでようかなとベッドへ行くとリアちゃんも付いてくる。
「みゃうみゃう」
「…………」
ベッドの上にリアちゃんを乗せて頭を撫でた。
白いふさふさの毛は柔らかく暖かい。もっふもふだね。
「…………うーん……うん。君は凄いね」
「…………みゃお」
その後もふもふだけでは飽き足らず。
あの猫を吸うという徳の高い技。
ひっさつの猫吸いならぬ龍吸いで良いのかな? ドラゴンだからドラ吸いかしら。
とか思いながらリアちゃんを堪能していた。
「すーう。すーう……すんすん………………ふわぁ」
此処は地下だからお日様は出てないけれどリアちゃんからは何故かお日様の匂いがした。
あぁー地上に戻りたい。
戻って来たイトウさんからの話しによると、ダンジョンマスターを決める戦いは方式を変えて明日からの一週間限りのサバイバル形式となった。
1チームは棄権をし残り3チーム9名。
ルールは無し。好きに戦い最後に残った者が勝利者と。
チームメンバーが残り終了を宣言するとかもアリらしい。
チームで行動しても良いしソロで動いても良い。
状況に寄っては1対3とかも全然アリ。
但し、期限だけ設定されていた。
一週間。
これが過ぎた時点で強制終了する。
勝負が、決着が付かなくてもおしまい。
次回に持ち越しという話しらしい。
…………因みに次回は50年後とか。
私は無理ですからね! そんなにこんな所にいないからね!
絶対だよ! 念を押しておくんだ。自分にねっ!
……まぁ大まかなルールは解ったけど良く解らない事も有ったからイトウさんに聞いてみた。
「誰が相手だか解らないんですが……」
「…………ああ、それはじゃの」
つまり地下199階層のほぼ全域が戦場。
見かけたら確実に敵(出場者)ということらしい。
他の参加しない者は殆ど全員がこの階層から待避する。
審判数名を除いて。だってさ。




