第五話 やっぱり不労所得
【神界】
「報告!転移者レイジが祝福を借入ようとしています!」
「借入だと?」
「転移者レイジは、転移早々に商人を助け、その娘の管理番号1024-Dに接触しました。彼は軽く教会へ行き、調べ物をすると、1024-Dの祝福を解除しようとスキルを発動しました。」
「...なんというスキルだ」
「【借入】悪いものを借り、良いものを貸すことが出来るというファンタズマの最弱スキルです。」
「なら問題ないだろう。だが、【神贄の祝福】は良いものと定義しておけ」
「はっ!」
「転移者レイジが【是非曲直】を発動しました!」
「1024-Dの祝福が呪いに改変されました!」
呪いだと!?贄とされるもののための、尊ばれるべき祝福を呪いと定義するだと!?なんともけしからん!
「管理者権限を喪失しました!」
「管理番号1024-Dの祝福が消滅しました!」
「馬鹿な...」
「転移者レイジに対する対応はどういたしますか?」
「...ブラックリスト最上位に登録しろ。そして、今回の出来事を教皇、枢機卿達に伝えろ」
「わかりました」
くそ..なんというやつだ。転移者レイジ...
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ログは収まったが、未だに混乱してるんだが。
【貸借を発動】
↓
【神界からの干渉】
↓
【神贄の祝福が良いものに定義】
↓
【是非曲直が反応し発動】
↓
【MPを全消費し、クラリスの神贄の祝福の2文字を変更できるようになった】
↓
【神贄の祝福を神贄の呪いと変化させた】
↓
【管理者権限で神贄の呪いを悪いものに定義】
↓
【神贄の呪いを借入し、特殊条件を達成した?】
↓
【神贄の呪いが騎士の祝福に変化し、クラリスに与えられた。】
↓
【神界のブラックリストに登録された】
一瞬にしては濃すぎる。異世界来て初日にブラックリスト登録ってどういうことだよ。絶対やっちゃいけないことだったのか。つまるところ、【神贄の祝福】ってのは神が与えたものってことが分かった。司教が言ってたとおりなら、才能のある人を生贄として私腹を肥やしてるのか?それを妨害したってことで神は怒ってるのかよ。まぁ、商人は心配そうにこっちを見てるし成功したことを知らせるか。
「成功した。これでもう大丈夫なはずだ。」
「え、もう終わったのですか!?」
「あぁ。安心して娘を抱きしめてやれ。」
「っ!」
商人は息が整ってきた娘をぎゅっと抱きしめた。感動シーンなんだがな、、荒みきった俺の心には響かねぇわ。だからって雰囲気をぶち壊すのも野暮だ。ここはそっと見守っとこう。
クラリスの目が開かれる。
「...お..父.さん?」
「クラリス..!目が覚めたか!」
「えぇ..なんだか枷が外れたような、スッキリとした心地よさを感じる。」
「...治ったのか?」
「多分。もう苦しさもないから。お父さんが治してくれたの?」
「いいや。私にそんな力はないよ。そこの御方が治してくれたんだ。」
「なんと!?あの不治の病とされるものを治すとは、、どれほど高位な神官様なのでしょうか!?」
神官、、嫌気がするな。あのクソ神に仕える奴らだ。上層部は蝿がたかってるだろ。
「神官なんて大層なもんじゃねぇよ。ただの旅人みたいなもんだ。」
「だとしても、私を救ってくれた恩人であることには変わりはありません。」
「そうだ。報酬をお渡しせねばなりません!言い値で構いません50枚はもちろん、必要であればさらに用意します。何をお求めでしょう?好きなように言ってください。」
ほう?いいじゃねぇか。だがな、俺が求めてるのはそういうのじゃないんだ。金貨50枚、そりゃ大金だ。だが、金は使えば消える。そんなの取り立て屋やってりゃそれで破産してるやつを散々見るわけだ。本当に勝ちがあるのは、継続収入だ。
「わかった、じゃあ、俺が商業ギルドで新しい事業を立たせる権利をくれ。」
「はい?」
商会長だけじゃない、クラリスなど医務室に居た全員が固まった。
「俺が欲しいのは...継続収入だ。」
今日は父の日です。みなさんはクラリスみたいに父親を心配させないよう健康に生きてくださいね。
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