第四話 やっぱクソ神はクソだ
教会につくと、嫌でも大きなステンドグラスが目に入る。扉の上にある絵画のような女神が描かれたステンドグラスは、まるで莫大な財力を誇示するような圧倒的な存在感がある。教会の収入といえば、お布施だ。それを具現化したようなものが目の前にいる。
「お布施をお願いします!」
はぁ。多分教会に入ろうとすると強制的にさせられるんだろうな。
チャリン
チャリン、?
チャリン チャリン チャリン
え?
チャリン チャリン チャリン チャリン チャリン
は?
チャリンチャリンチャリンチャリン..etc
待て待て待て、どいうこった。人が通るたびに金が入る音がする。まさか、全員がお布施をしているということか!? 信仰心が厚いなんて話じゃないぞ。狂信的、妄信的そんなんじゃ収まらないだろ。おい、気づいたら列ができてるんだが。時々銀貨入れたり金貨さえ入れる人もいるんだが!?信仰自由の日本に生まれたからか、この光景は狂気的だ。
このままお布施を払わずに協会に入ろうとするとどうなるんだ。さすがに不安だ。手持ちには銀貨しかないな。少し手痛いが必要経費だ。
俺は列に並び、お布施をして教会の扉を開いた。床に敷かれたまっすぐな絨毯を進んでいく。そこには司教様がいるので、話しかけてみる。
「すいません」
「どうしましたか?」
「少し勉強したいことがあありまして。ちょうど16歳で死ぬ奇病について。なぜ16歳なのか知っていますか?」
司教様の警戒が少し強まった気がした。この司教何か知ってるな。
「えぇ、それはまだ解明されておらず、私も知らないんですよ。しかし、16というのは神の数であり、成人し大人になるときの年という二つがあるため、何か関係しているのではないでしょうか?」
司教の瞳孔が一瞬開いた。怪しいな。
しかし例の二つは有力だ。調べたらすぐわかることは噓をつくことができないからな。
「はぁ。ほかには、16歳以上の人がこの病気になったという話は聞いたことがありますか?」
「いいえ。基本的に先天性の病気とされているので、そういった事例は報告されてませんね。それと、この病気にかかるものは基本的に特出した才能があるとされていますよ。一部の方は、才能のある人を亡くすのは惜しいという意見があるそうです」
やっぱりそうか。もしかして、神の贄として16歳しか選ばれていないのか? 16歳が神様の好物ってか? やっぱ趣味悪すぎだろ。少女好きってか。まぁ、これでわかった。俺が引き受けても即死する可能性は低そうだな。ってか、一部の方って言い方は少し引っかかるな。まるで自分は良いものとして思ってるかのような。苛立ちがこみ上げ来る。だがまぁ、ここで喧嘩を売っても面倒なことになるだけだ。ここで手を引くとするか。
「ありがとうございました。いい勉強になりました。」
「いいえ、ぜひ気軽にまたお越しください。」
あそこで【神贄の祝福】の名前を出していたらどうなっていただろう。シャレにならないことが起こることぐらいは想像がつく。いったん俺は商人のところに向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~
医務室につくと、クラリスがとても苦しそうにしている。金色の長い髪はぼさぼさで、顔が火照っている。呼吸さえ危うい。商人はオロオロと周りを見渡し、慌てている。俺を見つけた商人はこちらを見て懇願してきた。
「どうかクラリスを!うちの娘を!助けていただけませんか!」
「あぁ。はなからそのつもりだ。助ける目途が立ったのでな。」
あとは、貸借が【神贄の祝福】を善悪どちらで解釈するかだな。効果は悪辣だが、祝福って入ってるんだ。呪いでもあながち間違いないがな、もしこれが善いとされるのなら、手が付けられない。
「あまり期待しすぎるなよ。成功率は五分五分ぐらいだ。」
「だとしても!私にはもう出来ることもないのです!お願いします!」
「わかった。」
おっさんの懇願を一生分見た気がする。もうおなかいっぱいだ。さっさと終わらせるか。
[【貸借】『借入』を発動]
[【神贄の祝福】を借入します]
[警告]
[対象は神界管理下の権能です]
[管理者権限による干渉を検知]
[【神贄の祝福】は良いものです。なので借りることはできません。]
は?
[装備スキル:【是非曲直】の反応を検知 発動しますか?y/n]
え、知らないぞそのスキル。だが、悪い方には動かないはずだ。俺はyを選択する。
[【是非曲直】発動 対象を選んでください]
言えば良いのか?
「クラリスの【神贄の祝福】」
なにかがごっそり抜けた気がした。
[対象が選択されました。MPをすべて消費します。消費MP:5]
[消費量が足りないため、変更可能なのは2文字のみです。]
なんだそれ!だったら...
「【神贄の祝福】を【神贄の呪い】へ変更する。」
[宣言されました。今後クラリスの【神贄の祝福】は【神贄の呪い】になります。
[対象の定義変更を確認。管理権限を移譲します。]
[管理者権限による干渉を検知。不可。これは【神贄の祝福】とは別のものであり、管理者はレイジです。]
管理者が俺、?ならば、
「【神贄の呪い】を悪いものとして定義する!」
[【神贄の呪い】が定義されました。]
俺はもう一度【貸借】を発動する
[【貸借】『借入』を発動]
[【神贄の呪い】を借入します]
[レイジが【神贄の呪い】状態になりました]
[クラリスの【神贄の呪い】状態が解除されました]
[条件不一致:一方的な「借入」は天秤を傾けます。早急に「貸出(返済)」、または相応の「対価(利息)」を渡してください]
[特殊条件達成。〇〇の祝福を渡すことができます。二字を選んでください。]
は!?え、えと、
「【騎士】」
考えるより前に言葉が先に出た。
[取引が完了しました。]
[【神贄の呪い】が解除されました]
[クラリスがスキル【騎士の祝福】を手に入れました。]
[【騎士の祝福】が変質しました。【騎士の加護】に変化しました。]
クラリスの体から金色の拘束具のようなものが浮かんでき、砕け散る
その瞬間、空の彼方、誰かからの視線を感じる。
[神界のシステムにエラー]
[ザーーーーーー 神界からのピーーーを検知]
[ブラックリストに登録されました]
は?
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