第十九話 宿
転移陣を使ってフォルトの街につき、俺は宿屋に向かおうと考えたが、その前に冒険者ギルドに立ち寄ることにした。昼間狩ったゴブリンの魔石を売らなきゃいけないし。
冒険者ギルドに着いた俺はカウンターに向かった。
「換金をお願いする。」
「はい。冒険者証を確認します。レイジさんですね、前回のゴブリンキングの魔石の換金が終わったので、お渡しいたします。」
「ゴブリンの魔石を先に出していいか?一緒に渡してくれると助かる」
「わかりました、カウンターにお出しください。」
ジャラララ。
――――――
「はい、集計したところ魔石46個ということで、銀貨9枚と銅貨20枚です。そこに、キングゴブリンの魔石の買取金、金貨2枚ということで、合計金貨2枚、銀貨9枚、銅貨20枚になります。」
結構キングゴブリンの魔石って高いな。ゴブリンの魔石の1000倍の値段だ...
「しっかり受け取りました。」
よし、宿屋に向かうか。―――宿屋についた俺達は、まず食事をした。昼抜いてるじゃん俺達そういえば。昼を抜いてたことを思い出した。腹が減るわけだ。明日は気をつけよう。うん。ちなみにクラリスはお腹が空いていたのか3回おかわりしてたよ。追加料金払ったよ...申し訳なさそうにしてた。
部屋に戻った俺は、昨日掲示板で見たスキルの進化ってのが気になった。俺のスキルも例外ではないのか?条件がわからないみたいだし放置するしか無いのかもしれない。
そういえば、教会から何もアクションがないのが気がかりだな。俺がブラックリストに登録されてる割に突っかかってこないと言うか。街で過ごしてても、教会の前を通っても。あの宗教の名前は確かエルディア教だったか。創造神エルディアを中心とした宗教。ヴァルドさんによると、聖エルディシア教国とやらに、潜入調査を行ってるチームがあるそうだ。もうすぐ帰ってくるらしい。いずれ話を聞きたい。
「クラリス、昨日はお前が椅子で寝てたから今日はベッドで寝ろ。」
「いえ、レイジさんが寝てください。金銭を払ってるのはあなたです。」
「じゃあ二人で寝るか?」
「――っ!?」
なんか急に頬を赤らめたんだが。恥ずかしいか。そうだよな、15歳の少女だもん。やっぱ俺床で寝るわ。
「冗談冗談、俺は床で寝るよ。毛布はもらうけど。おっさんと寝ても恥ずいだけだもんな。」
「?...おっさん?」
「え?」
「どう見てもあなたは16~20ぐらいの若い青年に見えるのですが...」
「いやいや、俺は心だけなら中年のおっさんだぞ」
「私の目がおかしいのでしょうか...」
若々しいと言いたいのかそれとも本当に若くなってるのか...明日ヴァルドさんに聞いてみよ。
「とりあえず、若い女の子を連続でベッド以外で寝かせるわけにはいかないって...」
「でしたらいっそ―――二人で寝ましょう。」
「えぇ?言い出したのは俺だけど...まぁサイズ的には二人でも寝れそうだけど...」
ここでイケナイ妄想をするのは若者の仕事だ。
「今晩だけ二人で寝てください。今度からベッドを分けれる部屋に変更すればいいので。」
「わかったよ。今夜だけな。」
二人で毛布に入る。ライトを消すと月明かりだけが部屋を照らす。
まだ二日目だが色々あったなぁ。こっちにいると退屈しないな。まったく。左を見ると無防備な護衛がいる。護衛が無防備で良いのか...?安心しきった寝顔をしている。うちに子どもは居なかったからな...娘が居たらこんな感じだったのだろうか。裏の仕事をしてると季節なんて考えないから、春はずっと来なかった。
ウトウトしてきた...なんか左腕に感触があるような――――…
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