第一五話 造反者
まだ昼までには余裕があるし、色々店を回ってみるか。道具屋とか防具屋とかあると思うし。俺気づいたときには麻の服だったんだよな。この世界に合うような。そんなの契約書に載ってなかったぞ...
ってかあれ?【天地の天秤】ってどこに行った?覚えてねぇ、、落とした..?いやそんなわけねぇ。契約の時には確かに受け取った。だが、異世界へ来てから一度も見ていない。そういや【是非曲直】は知らないスキルだ。しかも効果が狂ってるほど俺の【貸借】と相性がいい。偶然じゃないのかもしれない。いや、これ以上考えても無駄だな。推測の域を出ない。道具屋に向かうとしよう。
道具屋に着いた俺等はまずポーション類を揃えた。HPポーション五本、MPポーション五本、キュアポーション三本。全部で銀貨八枚だった。ちょっと高いか、?いや、怪我をしずに半日で銀貨十枚稼げるってことは余裕で元が取れるか。次は洋服屋に行き、クラリス用の服と、俺用の服を買った。俺は最低限あればいいから、少しクラリスのを多めに買ってあげた。とても嬉しそうだ。
気がつけば日はもう高く登っていて、ジリジリと太陽が照りつけてくる。そろそろ北の門に向かわないといけないな。
北の門につくと、少し大柄で強面の人が居た。見るからに強そうで、首にかけられたプレートは白銀に輝いている。あれがプラチナプレートか。
「すいません。待たせてしまいましたか?」
「あぁ?あんたがレイジか。いや、俺が少し早く来すぎちまっただけだ。俺がヴァルドだ。よろしくな。」
「えぇ、よろしくお願いします。」
手を差し伸べると握手してくれた。強面だがいい人なんだろうな。
「すまんがちょっと寄ってくれ。そこの嬢ちゃんも。転移するから範囲内に居ないと一部だけ取り残されるぞ。」
「怖っ!」
「冗談だと思うかもしれんが実際にそういう事件があってな。そうならないよう改良された魔術もあるにはあるがな、MP消費が激しいから普段使いにはこれが良い。いまから俺の率いるギルドに向かうから範囲外に出るなよ。」
魔術って改良できるんだ。やっぱり来てから長いこといる人とは会話するだけで新しい知識が手に入るな。
「いくぞ。【転移】」
[ヴァルドが【転移】を発動しました]
うわっ、視界が光で埋め尽くされた。グニャって曲がるタイプじゃなくてよかった。俺酔いやすいからさ、、だんだん視界が戻ってきたな。うおっ、何だここ。洞窟の中か?入口の前に転移してきたのか。洞窟の中にしては明るいな。
「ここが俺のギルドだ。周りにバレないように入口を偽装した洞窟の中に作ってある。造反者っていうグループの頭領やってんだ。教会とかにバレたら一瞬で首が飛ぶわ。」
やっぱり教会からバレないようにやってるのか。ってか次からどうやってこれば良いんだよ...
「ちなみにここは天然のダンジョンってやつになってて、だから明るいんだよ。ダンジョンへの転移はファストトラベル、通称ファストラとしてステータスから利用できる。まずlv70を超えないと魔術書を読んでも習得できないから頑張ってレベルを上げてくれ。」
「えぇ、、次入るときってどうすれば良いんですか?」
「掲示板でこの前みたいに誰かに送ってもらえ。うちのギルドは精鋭揃いだからな。パシリ感覚で使ってくれ。」
嘘だろ...
「……で、本題だ。」
ヴァルドの表情が急に真面目になった。
「どうやって【神贄の祝福】を解除した?」
うわっ、プレッシャー強い、、
「え、えと、俺のスキル【貸借】と【是非曲直】を使って【神贄の祝福】を俺が引き受けた結果、成功して、クラリスから【神贄の祝福】を取り除くことができました」
「は?なんだそのぶっ壊れスキル!?ユニークスキルなんだろうがな、、、」
「はい、相性が良すぎるんですよねこの2つ。そういえば魔術書、でしたか?それってどういったものなんですか?」
「んぁ?あぁ、魔導書ってのは読めばその魔術の仕組みがわかってそのとおりにすると魔術書に描かれた魔術を使えるようになるんだ。お前lv17だったか?そのレベルで手に入れれるのは、ほとんどうちにはないな。あぁ、そうだ。【クリエイト】って魔術がある。あんま使ってるやつは見たこと無いな。まぁ図書館にあるし、立ち話も何だ、とりあえず入ってくれ。うちのギルメンに質問攻めに合うだろうが、俺が説明しておくから安心しておけ。」
なんだ?あっさり引き下がるな。もっと俺のスキルについて問い詰めてきててもおかしくないのに
「本当はもっと聞きたいがな、ギルドのルールだ。聞かねぇ。うちのギルドではステータスの派手な詮索は禁止だ。だから不快に感じたらすぐ俺に言ってくれ。スキル名までとかなら良いが、その効果とか手の内を見せることを強制するのはダメだ。」
それなら安心だな。俺達はギルドの入口を開き、中にはいると
「「「「「ようこそ!造反者ギルドへ!」」」」」
「うおっ、よろしくお願いします!」
……いや、名前は物騒だが、思っていたよりずっと温かい場所なのかもしれない。
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