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図書室ピエロの噂  作者: 鳴猫ツミキ(水鳴諒/猫宮乾)
【SeasonⅢ】―― 第二章:寺生まれのTさん ――
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【095】くねくね

 今日は、亮にいちゃんと薺と、健康祈願のお守りを買いに、十焔寺に来ている。

 泰我先生の名字と同じだから、ここが家なのだろう。

 ぼく達は手を合わせて鐘を鳴らし、お祈りしてからお守りを買った。

 ついでにお墓参りをすることにしている。


 ぼく達は、お母さんのおはかがあるところに向かった。

 山のしゃめんにある。


 すると薺が立ち止まった。


「あれなに?」


 薺が指さしてる方向を見るとしろいくねくねしたものがいた。

 すると亮にいちゃんが息をのんで、真っ青になった。


「くねくねだ」

「くねくね?」


 ぼくが首をかしげると、亮にいちゃんがあわてた様子で続けた。


「見ると呪われて、頭がおかしくなるらしい。目を合わせたらダメだ。すぐに逃げないと!」


 そのときだった。砂利を踏む音がした。


「破!!」


 そして念珠のたてるジャラジャラという音がした。

 ぼくがふり返ると、いつもと同じ紺色のウィンドブレーカー姿の泰我先生と、その少し後ろに水間さんが立っていた。


「泰我先生! と、水間さん!」


 ぼくが声を上げると、泰我先生がにこやかに笑った。


「俺がいるから、呪われない、大丈夫だ」


 先生の声は力強い。ぼくは安心して、むねをなでおろす。


「廣埜は遊びに来てたんだ」

「まぁ、そうだな」

「よく来るんだよ。だらだらしに」


 泰我先生はそう言うと、薺を見た。そしてポンポンとふいに薺の肩を叩いた。


「あれ? なんだか体が軽くなったよ!」


 薺が目を丸くしている。

 泰我先生は笑っているだけだ。


 その後ぼく達は、泰我先生と水間さんも一緒に、おはかまいりをした。手を合わせて、天国にいるお母さんに、薺が元気になりますようにとお願いした。




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