88/101
【088】叔母さん
日曜日になると、とうとう柚子叔母さんが家に来てくれる日になった。
柚子叔母さんはやせていて背が高い。
すごく明るい人で、優しい。ちょっと強気だ。
「瑛も来年は中学生かぁ。大きくなったわね」
ぼくが挨拶すると、柚子叔母さんがぼくのカタをポンと叩いた。
「うん」
ぼくがうなずくと、柚子叔母さんはうれしそうな顔になった。ぼくも会えてうれしい。
もしお母さんが生きていたら、同じくらいのとしだと思う。
そこでぼくは思い出した。
――ぼくの本当のお母さんは、もっと昔に死んでしまったらしい。
透くんに聞いたお話だ。薺には話していないから、薺は知らないままだ。ぼくが知っていることを、多分お父さんも知らない。
きっと叔母さんなら、ぼくの本当のお母さんのことを知っていると思う。
だけど。
ぼくは亮にいちゃんと笑顔で話している叔母さんを見て、一人で小さく首を振った。今、聞くことではない気がする。もっと大人になってから、聞いてみようと思う。
その後は、叔母さんが作ってくれたチャーハンを食べた。
亮にいちゃんの手料理以外を食べたのは、久しぶりだ。
ぼくは、亮にいちゃんのほうが、料理が上手いと思った。




