【081】最後の七つ目
明るい気分で、ぼくは次の日学校に行った。
すると道家くんがぼくを見た。
「嬉しそうだ」
「うん。わかる?」
「瑛は顔に出やすいしね」
「そ、そっか。聞いてよ、薺が退院することになったんだよ!」
「へぇ! それはよかったね」
道家くんも笑顔になった。ぼくは何度もうなずく。
こうして授業の時間が流れて、放課後になった。そのとき、ぼくはまとめていた資料のことを思い出して、ふと気になって道家くんを見た。
「あのさ、道家くん」
「なに?」
「学校の七不思議さ、資料には、『七つ目は知ると死んでしまいます』って書いたんだけど、本当にそうなの? 道家くんは、七番目の不思議も知ってるの?」
ぼくの言葉が聞こえたみたいで、哀名もふり返った。
すると道家くんがうでを組んだ。
「ボクが一緒なら死なないと思うけど、聞きたい?」
その声を聞いて、ぼくと哀名は顔を見合わせてから、うなずいた。
道家くんはぼく達をそれぞれ見てから、瞬きをする。
「 裏学校だよ」
「裏学校?」
聞いたことがない言葉に、ぼくはくびをかしげる。
「教室にボク達以外だれもいなくなったら、連れて行ってあげる」
道家くんに、ぼくと哀名はそれぞれうなずいた。
ぼく達は雑談しながら、みんなが一人、また一人と帰っていくのを見守る。
そうしつつぼくは、学園の七不思議のそれぞれを思い出していた。
七つのうち、六つは、『トイレの花子さん』『十三階段』『二宮金次郎像』『ベートーベンの肖像画』『黒板じじい』『保健室の少女』だ。ぼくが調べたりかかわったりしたものだけでも、いろんなエピソードがあった。今ふり返ると、まだ学習発表会の前なのに、やりきった気がしてしまう。けっこうぼく達は、がんばったと思う。
だけど、最後の七番目を知るのは、ちょっと怖い。
道家くんがいるから、大丈夫だと言うけど、裏学校ってなんだろう?
そう思う〝はんめん〟ぼくは、ワクワクもしていた。




