【079】資料の整理
家に帰ってから、ぼくは『学校のお化け図鑑』のPDFを作ることにした。
リビングで家族みんなで使うノートパソコンを起動して、ソフトを開く。
そこに学校の七不思議や、生首ドリブル、テケテケのことなどを打っていき、解決方法をまとめる。
「何をしてるんだ?」
すると亮にいちゃんがリビングにきて、不思議そうに言った。夕ご飯を作り終わったところみたいだ。そしてノートパソコンの画面をのぞきこんだ。
「へぇ、こんなに都市伝説ってあるんだな。学習発表会の資料か? すごいな」
亮にいちゃんの言葉を聞いて、ぼくはひらめいた。
――資料として配付したら、自然だと思いたった。
「うん」
それならば、共有のアプリにアップしても、説明がしやすい。
いい考えだなと思いながら、その日はずっと資料を作っていた。
翌日の放課後は、今度は班での発表用の資料のまとめをすることになった。イラストをつけたり写真をつけたりするので、さまざまなものを模造紙にはりつけたり、はりつける位置を決めたり、マジックでタイトルを書いたりした。
「ここはこの色のマジックがいいと思う」
道家くんのていあんに、椿ちゃんが笑顔でうなずいている。
意外と道家くんも楽しそうだ。ぼくは安心した。
道家くんもクラスになじんで、本当によかった。だれも道家くんが図書室ピエロだって知らない。泰我先生は知っているみたいだけど。
この日は道家くんと一緒に帰ることにした。
校門を出てから、ぼくは聞いた。
「学校、楽しい?」
「まぁまぁ」
そう答えた道家くんは笑顔だ。
「寂しくはなくなったかな。瑛っていう友達がいるし」
それを聞いたら、哀名を見ていて感じるむねの温かさとはまたちがう、なんだかぽかぽかした気持ちになった。友達になれたのがうれしい。
友達ができて笑顔が増えた哀名も同じかもしれないけど、友達がいると、一人とはぜんぜんちがう。
ぼくも道家くんと友達になって、いろいろ一緒に経験して、本当に楽しいからわかる。
「これからもずっと友達でいたいね」
すると道家くんが照れたように頷いた。
「そうだね。ボクも瑛と友達でいたい」




