【100】学習発表会
――いよいよ学習発表会当日が訪れた。
ぼくと道家くんは、教室の展示物を見に来る人を数える係になった。一人また一人と、ぼくの知っている人や、家族がきた。まずお父さんと薺と柚子叔母さんが入ってきた。薺はうれしそうにキョロキョロとしてから、ぼくを見て手を振った。僕も小さくふりかえす。つぎに、亮にいちゃんと透くんが入ってきた。なにやら言い合いをしていたが、ぼくを見ると二人とも笑顔になった。やっぱり、そういうところは似てる。そのあと――水間さんと步夢くんがきた。
水間さんは、じっと道家くんを見た。道家くんもじっと見ている。
ぼくは、〝きんぱく〟した気配を感じた。
「もう普通のお友達になれるんだよね?」
すると步夢くんがそういった瞬間、その場の空気が和んだ。
水間さんが深々と息をつく。
「更生したらしいな」
その声がひびいたとき、ひょいと泰我先生が顔を出した。
「廣埜、心配は無い」
「ああ。お前がそう言うんだから信じてる」
水間さんはそう言うと、步夢くんと手をつないで、展示物のほうに歩いていった。ぼくは道家くんを見る。心なしか、ほっとしているように見えた。
「なに?」
「ん? ああ、都市伝説のブース、みんな立ち止まってるから、人気だなって思って。ぼく達がんばったもんね」
「そうだね。ボクも作るの楽しかったし、瑛は頑張ってたのもわかるよ」
うなずいてから、ぼく達は係の仕事をした。
そしてお昼のお休みのときに、お弁当を食べることに。
班ごとに食べることになっていたので、道家くんと哀名、それから椿ちゃんと食べつつ、午後のクラス別の全体発表の合奏の話をした。正直、ぼくはカスタネットに自信が無い。
だけど――いざ合奏がはじまって、頑張ってカスタネットをたたいていると、不思議と一体感があった。曲を奏でながら、ぼく達のクラスは 一丸となって、全力を出し切った。
曲が終わるころには、ぼくはスポットライトと熱気から、ダラダラと汗をかいていた。
そのとき盛大な拍手を送られて、ぼくはやっとひと息つけた。
小学校最後の学習発表会を、このクラスのみんなとできて本当によかったと思う。




