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異世界旅はハンマーと共に  作者: 月輪林檎
再会の旅路

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エスキモードッグ到着

 リタが近道と言った通り、エスキモードッグに一日で着く事が出来た。そこで一つ問題が起きた。エスキモードッグにて、リタとキティの捜索隊が組まれそうになっていたのだ。二人が誘拐され奴隷になっていたという事実を知っている者が多いという事もあり、また人攫いにやられたのではないかという考えが広まっていたのだ。

 事情説明を諸々していく必要があり、それに時間を使わなくてはいけなかった。


「ふぅ……ようやく終わった……」

「ヒナ、お疲れ様」


 アリサが頭を撫でてくれる。色々な説明を私がやっていたからだ。


「ごめん、ヒナ。まさか、朝戻らなかっただけで、ここまでなるとは思わなくて……」

「まぁ、心配する理由も分かるから、特に問題ないよ。宿というか貸家を探さないとだけど。ギルド行って、話聞かなきゃ」

「ああ、それなら任せて。お父さん、ちょっと」


 リタがリタの父親と何か話をしていた。どんな話をしているのかは聞こえないけど、私に任せてと言ったから宿とかを紹介してくれると思う。


「じゃあ、それでお願いね。ヒナ! 決まったよ。貸家を紹介してあげる」

「え? 良いの?」

「良いの良いの。ね、お父さん」

「ああ。君にはリタを救って貰った恩がある。このくらいは当然だ。契約の金額はこのくらいでどうだ?」


 そうして提示された金額は、一ヶ月で二十万リルという安さだった。


「えっ!? こ、こんな安くて良いんですか……?」

「勿論だ。どのくらいの期間滞在する予定か教えて貰えるか?」

「最低二ヶ月ですかね」

「なら、先に二ヶ月契約。延長の時も同額でどうだ?」

「お願いします!」

「良し。不動産に行くか」


 そうしてリタのお父さんの紹介で、本当に月二十万リルで借りる事が出来た。しかも、ギルドが割と近い。徒歩五分も掛からずに行ける。更に二階建てだ。部屋が余るけど、それは良しとしよう。


「あ、お父さん。私とキティもヒナの貸家で過ごすから」

「え?」

「ヒナ達と旅をするから、ヒナ達に鍛えて貰いたいから。前に話したでしょ?」

「ああ……なる……ほどな……う、うむ。きょ、許可しよう」


 リタのお父さんは、苦笑いしながら頷いていた。娘が離れるという事が心配で仕方ないのだと思う。


「む、娘をよろしく頼む……」

「はい。お任せください」


 リタ達が一緒に暮らすのであれば、この部屋数も埋める事が出来る。まぁ、私、アリサ、スレイアはほとんど同じ部屋で過ごすだろうから、結局余りそうだけど。

 家に案内して貰うのと同時にキティがこっちにやって来た。キティも両親に話して許可を貰ったらしく、軽く荷物を持っていた。


「え、えっと、ヒナちゃん」

「リタから聞いたよ。一緒に暮らしたいんでしょ? 良いよ」


 私がそう言うと、キティは嬉しそうな笑顔になった。


「さてと、諸々の契約も済んだし、夕飯の買い物かなぁ。安くて品質の良い食材が売ってる店知らない?」

「そうね……うちの系列店に行く? 手放しに安いとは言えないけど、品質は保証するわ」

「ひとまず見たいかな」

「こっちよ」


 リタの家が経営している商会の系列店である食料品店は、本当に品質の良い野菜がいっぱいあった。


「ここは天国だぁ。種類いっぱいじゃん。これまで見なかったものばかりだ。バリエーションが増えるぞぉ」

「ここの近くに農業都市があるのと、うちが大きな商会だから結構色々なものを売っているのよ。小さい頃は当たり前だと思っていたけど、この品揃えは大分珍しい部類ね。何に使うのか分からないのだけど」

「色々出来るよ。おっ! お肉も良いものばかり! う~ん……どうしようかな……うわっ!? スパイスだ! えっ、これもあるの? うわっ……頑張ればカレーが出来るな……そうでなくても、ハンバーグがよりそれらしくなるし……」


 色々迷っているような口振りをしているけど、私はどんどんと籠に商品を入れていた。インベントリ持ちの私はこれらを腐らせずに保存する事が出来る。買わない手はない。


「おっ! お嬢ちゃん、今夜はこっちのステーキ肉なんかどうだい?」

「ステーキ……再会の記念に奮発は有りか……五枚……いや、六枚ありますか?」


 アリサは普通に二枚食べるので、全部で六枚が欲しい。


「おお、奮発してくれるじゃないか。一枚はおまけにしてやろう」

「おお! ありがとうございます!」


 そうして買い物を終えた私達は貸家に戻る。アリサにお風呂を用意して貰ってる間に、私はリタと一緒に夕食の準備をしていく。


「リタも料理するの?」

「冒険者をやるって決めてから、この一年勉強したわ」

「キティに振る舞うためじゃなくて?」

「私に右手に握られているものが何か分かっての発現かしら?」


 リタの右手には、野菜を切っている包丁が握られていた。


「ふっ……包丁で私をやれるとでも?」

「全く厄介な子に厄介なスキルが与えられたものね」

「ふっふっふっ、厄介でしょ?」

「厄介ねぇ」


 私達は同時に吹きだした。一年以上も離れていたけど、私達は昔からの仲良しみたいな感じで普通に話す事が出来ている。スレイアも、少しずつキティと喋っているし、アリサも今ではそこそこなコミュニケーション能力を持っているので、すぐに打ち解けられると思う。

 というか、スレイアとキティの会話が夜方面に傾いている気がする。リタが気付いていなくて良かった。気付いていたら、多分私がやられる。あの会話のきっかけは私になるだろうから。

 皆で懇親会を開いて、一緒に色々と話していく。これから一緒に行動するのだから仲良くなるのは重要だしね。スレイアも相手が信用して良い相手って分かったらちゃんと打ち解けられるから、取り敢えず問題ないかな。

 今日の夜はアリサとスレイアの二人と一緒に寝る。キティとリタにもそれぞれの部屋を用意出来るけど、二人は一緒の部屋で良いという事なので一部屋だけ使っている。

 取り敢えず、明日は皆で依頼を受けて稼げる額を調べるかな。二人を鍛えるという意味では、Cランク依頼が丁度良さそうだし、そこら辺で適当に見つけられれば良いな。

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