本当の気持ち
花は、飲み屋から出てきた真緒達に帰ることを伝えて、そのままは足早に家に戻った。
そのままベッドにダイブした。
スマホを見ると、真緒から着信が来た。
『はい‥もしもし』
『あ、花?大丈夫?ヒラマサと喧嘩したの?』
『‥まあ、そんなとこ。ごめん。』
『いやー別に良いけどさ!今、隼人と北川と和紗と寺倉と飲み直ししてるのー!隼人から色々聞いたよー!』
『‥そっかー。』
『ごめんってさー!』
『はいはーい。』
『あ、あとね!私、今日ヒラマサのこと見てたけどさ、やっぱり寺倉とはデキてないと思うよ!』
『‥そう?』
『うん!飲み会中も花のことばかり見てたし、隼人が酔っ払って花に抱きついた時のヒラマサの顔見てた?』
『見てない‥』
『目で殺意バキバキだったよ?』
『目で‥』
『そうそう!そのくらい怒ってたよ!』
『‥そう。』
『だから自信もちな!ヒラマサって不器用じゃない?だから、気の使い方や配慮が空回りしてるだけで花のことは大好きだからさ!大丈夫!自信もって!』
『‥ありがとう。』
『んじゃね!隼人のことは私らが慰めておくから大丈夫だよ!おやすみ!』
『うん。‥ありがとう。おやすみ。』
インターホンが鳴った。
モニターを見るとヒラマサがうつっている。
やっぱり来た‥。もう嫌になる。
かまってちゃんだよね。着信もすごい来てるし、メールも来てる。
話ちゃんと聞かなきゃダメだよね。
オートロックのキーを開けた。
1分ほどしたらドアの前のインターホンが鳴ったので、静かに開けるとヒラマサが立っていた。
『あの‥』
『佑々木。ごめん。』
『‥え?』
するとヒラマサは、花を抱きしめてきた。
『ちょ、ちょっと!せめてドア閉めて!』
『あ、ごめん。』
ヒラマサは花を離して、ドアを閉めた。
『中に入って話そう』
『花、ごめん』
『‥私もごめんなさい。隼人と距離近かったよね。嫌な気持ちにさせてごめん。』
『‥そうだな。もう西岡には会いたくないな。』
『ごめんなさい。』
部屋に沈黙が走る。
『村田さんから変なこと聞いたでしょ?』
『‥うん、まあ。』
『俺、村田さんと付き合ってたのは事実だけど、何もしてないよ。一緒にご飯食べただけだよ。』
『‥え?そうなの?』
『うん。世間一般的なカップルがしてるような触れ合いは何もしてない。』
『‥世間一般のカップル。』
『2人で食事をして、同じ研究室で勉強してた。それだけだ。』
『付き合ってたのに?』
『そうだよ。』
ヒラマサの顔は至って真剣。
視線もしっかり合う。嘘を言ってるようには見えない。んじゃ本当に村田さんが嘘ついてただけなのか‥。
『えっと‥んじゃ、ヒラマサが本当に好きなのは?』
『佑々木だけだよ』
『んじゃ‥寺倉は?』
『‥?????』
『寺倉のことは好きじゃないの?』
『‥俺の恋愛対象は女性だ。』
『あ、そ‥そうだったの?』
『女性だけ、佑々木だけだ。』
『え‥てっきり、両方いけるタイプなのかと‥』
『はぁ‥。』
すると、ヒラマサは大きくため息をついて頭を抱えている。
『ごめん‥私の早とちりで変なことばかり』
『いやいいんだ。俺も悪かったよ。勘違いさせるような行動ばかり取ってた。』
『‥ヒラマサ。私ね、抱きしめて欲しいの。』
『‥。』
『手も繋ぎたいし、抱きしめて欲しいし、キスもして欲しい。もっとそれ以上のこともしたい。‥ごめん、変なこと言って。』
するとヒラマサは、花のことを抱きしめた。
花の目から涙が溢れてくる。
『ヒラマサがいつも私のこと気にかけてくれてるのはすごく伝わってたけど、恋人同士みたいな関わりが少なく感じて‥勝手に自信が無くなってたの。ごめんなさい。』
『俺もごめん。勝手に我慢してた。』
『ほんと?』
『うん。』
『女性として魅力は感じる‥?』
『しっかり感じてる。悪いけど、修行僧にでもなったのかな?ってくらい我慢したから、そんなこと言われたら、もう我慢できないから。』
『え?』
『佑々木と一緒に寝てる時に毎回毎回、どれだけ抱くのを耐えてたと思ってるの?』
『えっと‥』
『煩悩に負けそうな時はわざと研究室にこもって体に鞭を打って終電で家に行って、顔だけ見て寝に行ってた。そうでもしないと我慢できなかった。』
『そ、そうだったの?それなのになんで来てくれてたの?』
『佑々木が心配だったのもあるけど、純粋に毎日会いたかったからだよ。』
『‥!!』
『大切に大切にしてたのに、これだけ俺が必死に我慢してたのに、西岡にあんなにベタベタされたのを見たとき、正気になれそうになかった。』
『ご、ごめんなさい。そこまで考えてなくて‥。』
『許さない』
『ごめんなさい‥』
『俺は佑々木が思ってる10倍嫉妬深いし、根に持つタイプだから。その上、佑々木が思ってる100倍は佑々木のこと好きだ。』
『‥!!』
『悪いけど、今日はもう我慢しないから』
すると、ヒラマサ優しく花にキスをした。




