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不安

授業中、隼人から連絡が来た。


『今日来れない?』


というものだった。最近、お互いに講義や研究が忙しくてあまり行けてなかったかもしれない。


ななめ後ろの離れた席に座る隼人を見る。

ぱっちり目が合う。

小さくジェスチャーでマルを作ると、隼人はニカッと笑った。

久しぶりだな、ゆっくりするの。嬉しい。

あ、そうだ。久しぶりに隼人の好きなオムライスも作ろう。

帰りに材料買って帰らなきゃ‥。

全ての講義が終わると隼人が声をかけてきた


『花。バイク乗ってく?』

『あ、うーん。スーパー寄って行きたいんだよね。』

『おけ、寄っていくよ。ほら乗りな。』

『ありがと』


スーパーで一緒に食材を選んで、隼人のアパートに着いた。


『約束通り夜は俺が作るよ、明日の昼は花のオムライス!』

『一緒に作ろうよ』

『いいねー!』


2人で小さなキッチンに横並びになりながら料理する。といっても、隼人はやたらとベタベタくっついてくる。野菜を切ってるのに、後ろから抱きついてきて、頭にキスばかりしてくる。


『もー邪魔しないで』

『久しぶりだから』

『確かに‥2ヶ月ぶりぐらいかな?』

『うん、堪能してる』

『ふふ、一緒にお風呂入ろ?』

『入る!』


大体の食事の準備が済んだら、お風呂を沸かして一緒にお風呂へ入った。

買った泡が出る入浴剤を使って、お風呂を泡まみれにして遊んだりした。

子どもみたいだ。


夜ごはんに使ったガパオライスを食べた。

食べ終わると、花がほとんど作ったから洗い物は俺がやると食器洗いをしてくれた。

隼人が食器を洗っている間、花はソファに座ってボーとテレビを見ている。

すると、ピコンとライムがきた。

ん?誰だろう‥。

ヒラマサからだった。


『最近調子どう?』

『まあまあかな。ヒラマサは?』

『忙しいしよ、寺倉は実習で死んでる。』

『相変わらずだね〜みんな大変そう』

 

少しLINEでやりとりした。


『花〜洗い物終わったよ。アイスでも食う?』

『あ、ありがと!食べる!』


スマホを咄嗟にバッグにしまって、隼人の方へ駆け寄っていった。


『見たい映画があるの観てもいい?』

『いいよ』


隼人は、バッグにしまったスマホをチラッとみた。


『誰と連絡してたの?』

『‥お母さん!今日はお泊まりするし、明日の夕方に帰るねって連絡したの』

『‥そっか』


咄嗟に嘘をついてしまった。

隼人はヒラマサと連絡を取ることをよくおもっていない。電話でのやりとりは控えるようになったが、今でもたまにポンと連絡が来る。

内容は深いものじゃなく現状報告や体調を気遣うものばかり。親の連絡みたいなものだ。

優しい嘘だよね‥?


ずっと観たかった恋愛映画をみる。


『花。』

『んー?』


買ってきたポップコーンを食べながら映画をみて、耳だけ勇人に向けている。


『俺のこと好き?』

『当たり前じゃない。好きだよ。』

『そう』

『好きだから一緒にいるんだよ』

『んじゃキスして』

『‥うん?』


花は隼人の方へ目を向けると、真剣そうな表情でこちらを見つめていた。


『どうしたの‥?なんかあった?』

『別に。好きならキスできるでしょ。』

『それはできるけど‥』


いつもと雰囲気が違う隼人にちょっと身構えてしまう。ゆっくり顔を近づけると、向こうからキスをしてきた。


『わ、私からしようとしてたのに』

『遅い』

『ご、ごめんなさい。』

『‥眠い』


すると、隼人は花の肩に顔を乗せてきた。

本当に眠かったのかそのまま目を瞑ってしまった。

せっかく一緒に映画見ようと思ってたのに‥。

そのまま隼人の頭を自分の膝の上に移動させて1人で映画を見た。


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