No.5 体育の合同練習
体育の時間になった。
1組から3組までの合同練習で体育大会での競技決めや当日の流れの説明が行われた。
クラス対応リレーと障害物競走、騎馬戦、応援合戦でのダンスパフォーマンス中でどれかを選ぶ。
クラス対応リレーはクラスの中で足が速いメンバーが選ばれる選抜でその他のメンバーは障害物と騎馬戦とダンスで選ぶ形だ。
女子から圧倒的人気なのはダンスだ。
そして私も必然的に真緒の押し売りでダンスになった。ダンスは、最近入った競技で各クラスがオリジナルダンスと衣装でパフォーマンスの完成度の高さを目指す。
ダンスといっても各クラスの応援合戦の延長のような形で同じ組の人たちを応援するのだ。
先生と生徒会メンバーでの審査で得点が決まる。
毎年、1組赤、2組青、3組黄色、4組緑、5組紫
それぞれのカラーの衣装と鉢巻をつけて応援するためにダンスするのだ。
学年は縦で分かれるので色分けで勝負だ。
負けたら三年生からどやされてしまう。
私は1組なので赤の衣装になる。
『ねえねえ。ヒラマサは2組だから青の鉢巻だね!どこにいるかな?』
『んーあの辺かな?』
『あ!いたいた!きゃー似合ってる!』
確かに華奢で色白なヒラマサに情熱的な赤よりも爽やかな青色の方がよく似合う。
俗に言うブルベというやつか。
『ヒラマサって運動出来なさそうだもんね』
『何いってるのよ!ひらまさは、中学の時は弓道部だったんだよ!』
『弓道にそんな機敏なイメージないけどね。今は帰宅部でしょ。』
『うっ、そうだけど‥』
『それよりも今は柳田に注目してあげれば?リレーでアンカーだよ。』
『柳田って足早いんだー!けど、2組だからライバルだけどね』
『まあ確かに、けど、うちのクラスの先鋭たちも負けてないからね!』
『そんなことよりも!ヒラマサの鉢巻ゲットしなきゃ!体育大会終わったらもらうんだー!』
『そんなこと‥まあ、予約しとかなきゃね』
『そうなの!意外とライバルいるからね!』
『意外と‥とか言ってる』
『まあまあ!』
応援練習に入る、私のクラスは男子は学ラン、女子はチアリーダーの格好をしてポンポンを持つらしい。定番のやつだ。
スカートの中に見せパン履くって言ってたけど、普通にジャージじゃダメなのかな‥。
『ねえねえ、花!めちゃ衣装可愛くしようねー!んで、花と私は一緒のツインテールか、それともお団子ツインでもいいかも!!お花とかつけちゃって〜♪』
『おおお‥さすがだね』
楽しみにしている人がいるので、私も全力で楽しむしかなさそうだった。
ただ一つだけ大きな問題があった。
『ちょっ、花ってば、下手くそすぎ!』
『あははは!』
『何その動き!!あはは!』
『佑々木さん面白すぎー!』
『リズム感覚が壊滅的だね』
私はダンスが壊滅的に苦手だった。
クラスのみんなからの酷評もいただいた。
『‥佑々木がダンス苦手って意外だな』
『和紗まで‥けど、何も言えませんわ‥』
応援団長をしているみんなに優しい学級委員長である木村和紗が苦笑いをしていた。クールビューティー和紗ですらフォローしてくれない。
『みんな笑いすぎ!失礼だから!』
『真緒‥』
『いっぱい練習すれば出来るようになるよ!ね!?花!頑張ろうね!』
『うん‥ありがとう!』
少し練習して、体育の時間は終わった。
ダンスは各自に次の体育までに練習しておくことになった。私はしばらくは放課後練習になりそうだった。真緒が協力してくれるので頑張るほかない。
更衣室から出てくると、男子たちもわらわらと出てきていた。
その中ににょきと頭ひとつ抜けてる背の高い人。
『あ、ヒラマサ』
『‥佑々木ってダンス下手くそだったんだな。』
『なっ!!』
『悪いことじゃないと思うぞ。頑張れ。』
『バカにしてるでしょ?』
『してないしてない』
『そういうヒラマサは、何になったの?』
『障害物競走』
『へー実物ですなー!』
『見せものじゃないぞ』
『体育大会なんですけど』
すると、離れたとこから真緒が駆け寄ってきた。
『花ー!待って〜!あ!ヒラマサもいる!』
『あ、あの子確か』
『赤石真緒。私の友達!』
『こんにちは!!何話してたのー?ずるいよー!あ!ヒラマサは、なんの競技になったの?』
『障害物競走だよ』
『へー!楽しみにしてるね!』
『いやだから、見せものじゃないから』
『えー体育大会なのに?』
『運動は得意じゃないからあまり好きじゃない』
『えー背高いのに!意外!』
『意外じゃないでしょ。見たまんまじゃん。』
『どういう意味だ、佑々木。』
じとー‥とこちらを軽く睨みつけるヒラマサからそっと視線を外す。
すると真緒が何かを思い出したようにパッと顔が明るくなった。
『あ!ねえねえ、ヒラマサ!体育大会終わったら青色のハチマキ欲しいな!』
『ハチマキ?』
『そうそう、好きな人のハチマキが欲しいの!』
『はぁ‥そういうのっておっ広げて言うものなの?』
『私はそういうタイプなんですよ!』
『‥はぁ、まあ別に良いけど』
『ほんと!?』
『うん。どうせ使わないし』
『ありがとう!ヒラマサー!』
『近い近い』
『あ、ごめん』
『んじゃまた。佑々木はちゃんと赤石にダンス教えてもらえよ〜』
『はーい!まかせてくださーい!』
『いちいち一言多いわね』
そのままヒラマサは去って行った。
真緒はハチマキをGETできる算段を手に入れて満足そうだ。
私は体育大会までにダンスを仕上げないと‥




