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No.4 バイト先

‥チリンチリン


『いらっしゃいませ!』

『どうも』

『あ‥』


休みの日はパン屋さんでバイトだ。

駅前の小さなパン屋さんで朝6時から夕方6時までのシフト制で働かせてもらっている。


そして、そこにヒラマサがやってきた。


『ここでバイトしてんだ』

『あ、まあね‥ヒラマサは、今からおでかけ?』

『予備校』

『へー‥』


ヒラマサは、トレーに次々と甘い菓子パンを入れていく。

そして、飲み物は苺ミルクだ。


『‥本当にイチゴミルク好きなんだ。甘いものばっかりだね。甘党なんだ。』

『本当にって‥誰からか聞いたの?』

『柳田くん。』

『あのばか。変なこと広めやがって。』

『ふふ、お可愛いこと』

『うるさい。早くよこせ。』

『カスハラ』

『‥‥っ!』

『お会計850円になります』

『‥電子決済で』

『はい。』


その日以降。休みの日にシフトに入ると高確率でヒラマサが現れるようになった。

店長に話すと、元から常連のようだった。

同じく駅前の予備校に通っているからここで朝ごはんや昼食を買っているみたい。


元々常連なら仕方ない。

私が気づいてなかっただけか。

まあ、これを機に仲良くなれば真緒と仲良くできるチャンスも増えるし別に良いか。

次の期末試験までに勉強会とかしたいな。

周りから固めていこうかな。柳田とか‥。


‥あれくらいしか伝手がないのが悲しい。


ピコン。バイトの休憩中にlimeがきた。


《バイトばっかしてないで勉強もしなさい。》


噂のヒラマサだった。

余計なお世話よ。と思いつつも試験前だけ勉強してるようじゃダメだよね。と思い、家に帰って参考書を開く心準備をしていた。


最近は、試験期間だけでなく普段から意識して勉強するようになったおかげか少しずつ授業も頭に入るようになってきた。

小テストも問題なくすらすら解ける。


最初から黙って予習復習しときゃこんなきとにならなかったのに‥バカだな私。

それに気が付けただけ良かったとしよう。


休み時間、真緒と話してるのクラスの女の子たちが声をかけてきた。主に真緒に用事があるらしい。


『昨日のインスタ見たよー真緒ちゃん!花ちゃん!やっぱりめちゃ可愛いよね!私もそこのカフェ気になってたんだ!』

『パンケーキ美味しかった?』

『えへへありがとう♪おいしかったよ!おすすめ!』

『花ちゃんも髪の毛巻いてて珍しかったけどめちゃ似合ってたよ!可愛い!』

『あ、うん、ありがとう』


真緒は、顔が美人でオシャレに敏感なだけあり、Instagramのフォロワーも多く女子たちから人気者だ。

ついでに一緒にいる私も褒めてもらえるので良い女になった気分が味わえる。


『私が花の髪巻いてあげたんだよ!』

『さすが真緒ちゃん!』

『花の髪はサラサラで艶々なんだから♪お洒落したらめちゃ可愛いんだよ!』

『ありがとうーけど褒めすぎ!』

『事実です!』

『てか、次体育だからそろそろ着替えないと』

『あー!ほんとだ!忘れてたー』

『体育祭の準備だよね。楽しみ。』

『2組と合同じゃん!早く行こ!』


そういえば、そんなこと言ってたような‥。

さすがよく覚えているなぁ。

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