No.3 お礼参り
ヒラマサに勉強を教えてもらうようになって、1週間が経った。
問題を写真に撮って、分からない点と一緒にメッセージを送ると2、3時間以内にわかりやすい解説とともに説明文が送られてくる。
ちなみに答えは教えてくれない。
‥最近流行りのチャット型の生成AIと話している気分だ。
ただとてもわかりやすい勉強アプリ感覚でヒラマサを使っていた。
そのおかげか中間試験の結果はめちゃくちゃ良くなった。
『すごーい!花すごいじゃん!』
古典や現代文、英語は得意なので90点以上
世界史日本史や化学、親生物は80点
数学では過去最高点の76点だった。
『すごいよ‥嬉しい‥』
『すごいよ!よく頑張ったね!花頑張ったね!』
『うん‥真緒は、93点だけど‥』
『まあまあ、私は良いじゃん』
嬉しい‥いつも40点前後で本当に苦手意識が強い科目なだけあって、自信を完全に失っていた。
それなのに今回はこんなに良い点数が取れた.嬉しい。平均点は62点なので平均点以上だ。
ヒラマサにお礼言わなきゃ‥。
『ねえ、真緒。ヒラマサに補修でたくさん勉強教えてもらったしお礼言いに行きたくてさ、真緒も一緒に来てくれない?』
『えええ!行く行く!一緒に行く!』
キラキラした目で真緒が飛びついてきた。
昼休みに2人で2組の教室を除くと、同じようにヒラマサにお礼を言っている生徒がたくさんいた。
『ヒラマサすごい人気だね』
『そりゃ色々な人に勉強教えてるって聞くからね!みんなお礼参りだ!』
『んじゃ‥私は別に言わなくて良いかな』
『なんで!?私のこと紹介してよ!』
『あ‥そか。』
真緒と一緒に教室に入ると、ヒラマサがこちらに気がついたようで話しかけてくれた。
相変わらず背が高いので小さな花と真緒をゆっくり見下ろしている。
『佑々木さんと‥その子は?』
『私は、赤石真緒と申します!はじめまして!』
『はあ‥どうも』
『私の友達なんだ』
『へー、初めまして。んで、何か用事?』
『あ、テストでね。過去最高得点が取れたの。これもヒラマサが教えてくれたおかげだなと思って、お礼を言いにきたの。ありがとう。』
『わざわざ、こちらこそありがとう。けど、暇つぶしに勉強教えてただけだから気にしないで。学校全体のレベルが上がれば俺も嬉しいし。』
『さすがですね!ヒラマサくん!』
『‥ども、てか、赤石さんだっけ?‥距離近い』
『あ、ごめんなさい!』
『‥ちなみに、ヒラマサは何点だったの?』
『100点』
『え』
『えー!すごーい!!さすが!かっこいい!!!』
『今回は簡単だったからな、赤点者多くて難易度下げろって石田先生が他の先生から圧力かけられてたみたいだし。』
『そ、そうなんだ‥』
『んじゃ今回の点数がまぐれにならないように勉強頑張れよ。』
『‥なっ!!』
そのままヒラマサは、教室に入って自分の席に戻って行った。あまりにもあっけなくそしてそっけなかった。
『かっこよかったー!嬉しかったなーヒラマサくんと話せて幸せだった!紹介してれてありがとう!』
『‥え、そう‥?なんかちょっと嫌な感じだったよね。上から目線だし。』
『なんでよ。実際勉強教えてもらったんだから仕方ないでしょ。』
『そ、そうだけど‥』
恋は盲目だな‥あんな塩対応されたのに目をキラキラ輝かせている真緒を見て思う。
真緒は顔が美人でおしゃれで成績も優秀なこともあり同性異性問わず人気が高い。
今年に入ってすでに3人に告白されている。
そのうち1人は3年生。そのうち1人は他校のファンだ。
こんな可愛くて人気者の真緒にあんなにチヤホヤしてもらっておいて、あの塩対応‥。
本当に男の子なのかな‥?勉強以外興味ない?
まあ、でもそんなことより‥
『ねえ、真緒。試験も終わったし、また遊びに行こうよ!あのカフェとか行きたいな。』
『あ、良いね!んじゃまたバイトのシフト出たら教えてね』
『うん。先月は試験もあって入れなかったし、今月からはいっぱい稼がなきゃ!』
『私も頑張るぞー!』
次の行事は体育大会だ。
体育大会へ向けて各自練習が始まる。
それまで私はまた勉強をしながらバイトづけの日々が始まる。




