石垣島旅行4
バーベキューが始まった。
みんな各々好きなものを載せるので、網の上はすぐにいっぱいになった。
『おい、肉の上に野菜を置くな』
『野菜の上に肉を置くのは?』
『食材を重ねるなって言ってるんだよ』
お腹ぺこぺこの真緒はどんどん食材を乗せるのでヒラマサに怒られていた。
『ねえ、隼人。これ美味しいよー!北川くんが作ったスペアリブ、プロ見たい!』
『え、まじで?一口ちょーだい!』
『うん』
手に持っているお肉を隼人の口に入れた。
『ほんとだ、うま!』
『でしょー?パプリカパウダーを使うのがこつね!』
『美味しいー!』
『寺倉も食いなよ!』
『ん?あぁー!食べる食べる!ほんとだ美味しいそー!』
さっきから寺倉の様子もちょっとおかしい。
ヒラマサに何か言われてからそわそわしているようだった。
ど、どうしたんだろ。
ま、まさか‥ヒラマサが大学辞めるとか‥!?
それをさっきカミングアウトされて寺倉がドキドキしてるんじゃないか‥。
『佑々木さんどうしたの?』
『え、あー何もないよ!寺倉くん、あんまり食べてないし大丈夫かなって。』
『あー、大丈夫!僕元々少食だからさー、ありがとうね!心配してくれて!』
『うん。』
『寺倉がボーッとしてるからでしょ?』
『わ、分かってるよー』
寺倉の横に座る、和紗が寺倉のことを肘でつっついた。すると、寺倉の顔が明らかに赤くなり、照れてるようにみえる。
和紗は美人だからね‥照れるよね。
いや、やっぱり寺倉くんは和紗のことを‥
『ヒラマサもっと食べなさい!あんた痩せすぎ!』
『分かってるよ!うるさいな!減量してるんだよ!』
『もうすでにガリガリでしょー!もっと肉食べて身体大きくすること考えなさいよ!』
『母親かよ!てか、そんなに食えるか!』
『男ならこれぐらい食べなさい!』
あまり食べていないヒラマサに真緒が怒ってさらに肉を盛っている。
本当にお母さんみたいなこと言ってる‥。
ヒラマサは、文句言いながらも肉を全てしっかり食べていた。
バーベキューが終わると次はみんなで花火をすることになった。
大きな噴射型花火を見て、次は手持ち花火で遊んだ。
みんなが浜辺で楽しそうに遊んでる姿を見ながら、花火をするのは至福の時だ。
まさか高校での友達と大学卒業してまで付き合うことになるとは思わなかった。
幸せだな‥。
ヒラマサは真緒や和紗に浜辺で海水をかけられて逃げている。
表情は嫌そうだが、少し楽しそうで時折笑っていた。
それを見て北川くんや寺倉も笑ってた。
『元気そうになって良かった。』
『ん?なんかいったか?』
『んー別に何も〜』
残った花火を神から外していると、隣にいる隼人が頬にキスしてきた。
『ちょ、ちょっとみんないるのに、』
『向こうで遊んでるだろ』
『そうだけど‥』
『何、嫌なの?』
『嫌じゃないけど、みんながいる前でされるのは恥ずかしい‥』
『‥だって旅行中花と一緒にいるのに、全然イチャイチャできないし、なんか悶々としてるんだよね。』
隼人はくちをとがらせながらむすっとしている。表情は不満そうだが、ちゃんと花火を整理していた。
『‥ごめん。けど、帰ったらまたお泊まりしよ?それまでの我慢だよ!』
『‥分かったよ。次は2人で旅行とか行きたいな』
『そうだね。どこいく?』
『うーん、テーマパークとか行きたいな。絶叫系乗りたい。花は?』
『本気のやつは厳しいけど、ちょっとした絶叫系なら乗れるよ!』
『お、まじ?んじゃ次は遊園地で決まりだな』
『そうだねー楽しみ!』
ニコニコ笑う隼人を見て愛おしくなる。
みんながこっちを見ていないことを確認して、花も隼人の唇にこっそりキスした。
『‥!!』
『へへ。大好きだよ。』
『やばいって‥』
隼人は急に真っ赤になって手で口元を押さえている。乙女な反応だ。
『隼人たくさん助けてくれて、ありがとう。やっぱり隼人は頼りになるね。一緒にいると落ち着くし、安心するよ。』
『‥それなら良かったです。』
『いいこいいこ』
花は西岡の頭を撫でた。
『おい。子どもあつかいするなよ‥』
『ごめんごめん』
『‥手繋ぐだけならみんなの前でもいい?』
『‥こっそりならいいよ?』
『バレたら大石に怒られそうだもんな』
『あはは』
すると、隼人は手を握ってきた。指を絡めて恋人繋ぎをしてきた。
そのまま2人で花火をしていた。
『あー!2人とも!何してんのよ!西岡!』
『わーかってるって!!』
真緒が怒って戻ってきたので、隼人がさっと手を離した。
『私が目を離した隙に‥キスとかしてないわよねー?』
『し、してないしてない』
『んー?』
『真緒、花火しよ!』
『はぐらかしたわね!?まあ、いいか!さあさあ、沢山あそぶわよー!!』
真緒と和紗とたくさん花火をして、写真もたくさん撮った。
ヒラマサがカメラを持ってきていたので、みんなでたくさん写真を撮った。
その日は片付けが終わったら、みんな順番にシャワーに入って、眠りについた。
夜。
ベッドに下着姿で横たわる花。
白いレースの下着を身につけて布団で伸びをして、気だるげな表情を見せながら微笑んでいる
『ねえ、ヒラマサ。好きだよ。』
花が胸元に手をやる‥
『触ってもいいよ‥?』
『ダメに決まってんだろッ!!!』
ガバッ、!!!
ヒラマサが叫びながら飛び起きた。夢だった。
やばい。煩悩の塊のような夢を見てしまった。
恥ずかしすぎる。
なんて下世話な夢を‥。
きっと昨日の午前中にみんなで海に行った時の佑々木の水着姿のせいだ‥。
今でも鮮明に想い出される。大石や木村は、俗に言うスタイルが良い部類の人間で、細身で長身で胸はしっかりある感じの雰囲気だった気がする‥。けど、佑々木は、身長が低い分スタイル抜群とはいかないが色白で華奢な体つきとは対照的に腰回りや胸にはしっかり肉付きがされていた。もっと、幼児体型的なものを想像していたし、あんな大人っぽい水着を着てくるとは思わなかった。そしてあんなに大人っぽい体つきをしているとは思わなかった。
ここまでしっかり覚えてる自分のキモさにも引いてしまう。
しかも夢にまででてくるなんて‥。
『ヤバい‥』
西岡ごめん。エロい夢を見てしまった。
あのまま夢の続きを見てたらどうなっていたのか分からない。夢の続きを見たかったような見たくなかったような‥。
『‥何してんのヒラマサ。』
『うわあ!!!!』
『驚きすぎだろ‥』
後ろを振り向くと、西岡が立っていた。
手にはインスタントコーヒーを持っている。
『うーん‥うるさいよ、ヒラマサ‥僕まだ寝てんのにさ‥』
『早朝から大きな声出さないでよ‥』
布団の中でから北川と寺倉の声が聞こえてきた。
『ご、ごめん‥』
そのまま2人はもう一度眠ってしまった。
『あ、西岡‥その、俺は何も見てないぞ』
『ん?今の今まで寝てたじゃないか』
『そうだ。俺は寝てた。』
『‥変な夢でも見たか?』
『‥うん。ちょっと‥』
『‥お疲れ様だな。今から海沿い走りにいくけど、ヒラマサも一緒に来るか?』
『え、もうそんな時間?』
『朝の6時前だよ。』
『あ‥そうなんだ。んじゃ一緒に行こうかな』
そのままをスウェットのまま水を一杯だけ飲んで西岡とコテージを出た1時間ほど走り込んだ。西岡はさすが陸上部と言うだけあって、フォームも綺麗で、足も早くて体も軽かった。
早く走る走り方とか綺麗なフォームを教えてくれたので、充実した時間になった。
こうみると、西岡って案外良いやつだな‥。
けど、さっきの佑々木の下着姿みたいな格好をきっと西岡は何回か目にしてるんだろう‥。
そして、そこから‥本当に触ったり‥。
いかんいかん。
首を激しく振る。自分の頬をビンタした。
『お、おい。どうした!?大丈夫か!?』
『大丈夫‥西岡ありがとうな。良い気晴らしになったよ。』
『それは良かった‥』
『帰ってシャワーでも浴びようかな』
『そうだな、まあまあ汗かいたし、そろそろ暑くなってくる頃だもんな。戻ろうぜ。』
そのまま2人はコテージに戻ってシャワーを浴びた。上がってくる頃にみんながゾロゾロ起きてきた。
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朝になり、遊覧船に乗ったり、鍾乳洞をめぐったり、子猿と触れ合える施設に行き、みんなと沢山写真を撮った。
昼ごはんは、八重そばを食べて、午後から色々なところを巡った。
足の晴れは続いていたが、痛みはかなりマシになっていたのでたのしく過ごしていた。
昨日もバーベキューで焼肉をしたので、北川くんの希望で石垣牛で有名なお店で牛しゃぶをみんなで食べて悶絶してた。
石垣島2日目が終わり、いよいよ、明日帰る時になった。
最後の夜だ。
みんなは、深夜一時半までジュースを飲みながら、おつまみを食べて、ワイワイしゃべっていたがみんな眠ってしまった。
トイレに行きたくなって、1人でトイレに向かうとコテージやベランダに1人で空を見ているヒラマサが立っていた。
『何してるの?』
『‥佑々木こそこんな夜中にまだ起きてたのか』
『トイレ行ってたの。空見てたの?』
『うん。石垣島は星空が綺麗に見えるからな』
ヒラマサの隣に立って空を見る。
『ほんとだ、綺麗だね』
『だろ』
『二日間楽しかったね‥』
『そうだな』
佑々木の横顔を見て、昨日の夢を思い出す。
いかんいかん‥記憶から消さないと‥。
本当にごめん。佑々木‥あんな夢見てごめん‥
『久しぶりにみんなと集まれて良かったね』
『‥うん。』
『ヒラマサ‥なんか元気ないよね?』
『え?』
『いつも通りに見えるけど、なんかどことなく暗いというか、ため息ついてそうな顔してる。』
『あー‥そうかな。』
『しんどい?』
『‥まあ、今さ。ちょっと色んな嫌なことが重なってしんどい時期ではあるよね。だから久しぶりにみんなと会えて良かったよ。』
『そうなんだ』
『‥宇宙飛行士目指してていのかなって』
『え、なんで?』
『‥大学には俺より優秀な人がたくさんいるんだ。勉強ができるだけじゃなくて、リーダーシップがあって、コミュニケーション能力が高くて、しっかり自分の意見が言えるんだよ。』
『うん。』
『俺にないもの持っている優秀な人ばかりなんだ。それなのに、俺みたいな人間が目指して良いのかなって。』
『目指すだけなら別に誰が目指したって良いじゃない。』
『‥そういうもんか』
『それに、ヒラマサは優秀だよ!』
『そういってもらえる嬉しいよ』
『‥それに、私ね、ヒラマサは月に行くと思うんだよ!』
『ほー?』
『なんかそんな気がする!』
『ほー‥』
『信じてないね』
『根拠がないだろ』
『ヒラマサは、優秀だから。何にだってなれる。もちろん宇宙飛行士になって月に行ける。』
『‥』
『私も優秀だから!何にだってなれる!』
『それは大きく出たな。』
『な、なに!?』
『いや、受験期にお腹くだして教室で吐きそうになりながら泣いてたやつとは思えないなーと思って。感心してるんだよ。』
『なんで知ってるの!?』
『知らないわけないだろ。』
『私だって勉強して、優秀な成績取って優秀な薬剤師になるよ。アメリカとかで仕事しちゃうかも?』
『それは、楽しみだな』
『ヒューストンにある医学研究所で薬剤師として活躍してるかもよ?』
『んじゃ、俺はヒューストンにあるNASAでロケットに乗って月に行くかもな?』
『行ってるかもねー?』
『それは楽しみだ』
『うん!今は‥しんどいかもしれないけど、そしたら次に良いことがあったときにめちゃくちゃ幸せに感じるんじゃないかな。
今この気持ちを忘れずに努力し続けた末に見る月から地球はきっと絶景だよ。
だってここから見る月ですらこんなに綺麗なんだから、きっと宇宙から見る次は別格だ。』
『‥そうだろうな。』
『そう思うと、もう少しだけ諦めないでいようかなって思えない‥?』
『ちょっとだけだけど、思えたよ。』
『良かったー!』
『ありがとう。佑々木。』
『いいえ!どういたしまして!昔からヒラマサには励まされてばかりだからね、今度は私がはげましてあげようと思ったのさー』
『なんだそのドヤ顔』
『それに月の石持って帰ってきてもらわないと!』
『そうだな、月に行ったらウサギが餅つきしてたりしてな?』
『それはちょっとホラーだよ。宇宙人だよ。』
『身長148cmくらいの運動音痴でギター弾いてる宇宙人がいるかなー』
『んー?なにかいったかなー?』
『別に〜』
イタズラに笑うヒラマサに花は少しドキッとしてしたった。けど、良かった。
旅行中、ずっと様子が変だった。
いつもより表情も暗くて、みんなが楽しく遊んでるのに少し離れたところからそれを見てた。
声も小さいし、口から出る言葉は少し感情的で時に冷たい言葉もあった。
ヒラマサらしくない。そう思った。
けど、少しだけいつものヒラマサに戻った気がした。
安心すると眠くなってきた。
大きなあくびをしてしまう。
『あ、もう寝るか。遅いし。』
『うん。そうだね。明日も早いしね。』
『佑々木は早く寝ないと身長伸びないぞ』
『‥もう止まってますぅ‥』
『あ、それは失礼。』
2人で部屋の中に入って、お互いの男子部屋。
女子部屋に入った。
部屋に入ると和紗も真緒も爆睡している。
花も布団に入って、眠りについた。
ヒラマサが部屋に戻ると、北川くんと寺倉がすやすやと寝息を立てている中で西岡が暗闇の中でベッドに座ってスマホを触っていた。
『西岡、起きてたのか?』
『ああ。ヒラマサこそ。深夜だぞ。』
『もう寝るよ』
布団に入るヒラマサ、目を瞑ろうとすると
『花と何話してたの?』
『‥別に、普通の話しかしてないよ。西岡が心配するようなことは話してない。』
『ふーん‥』
『‥寝るけど、良い?』
『おう、おやすみ。明日もまだまだ遊ぶから覚悟しとけよー』
『わかってるよー。』
布団に入って目を瞑るヒラマサ。
すると、西岡が息を吐きながら天井を見上げてる。
最終日。
平久保埼へ行き、みんなで景色を堪能。
シーサー農園へ行き、写真を撮り
みんなでお土産屋さんに寄った。
帰りもフェリーに乗り、沖縄から飛行機に乗って帰った。
『んじゃまたね!』
『次は冬に飲み会でもしよーぜ!』
『そっか!そしたらみんな成人してるもんね!お酒解禁できるー!』
『楽しみだなー!』
『またね!』
『おう、ありがとー!』
各自各々帰宅することに。
ヒラマサは寺倉と帰り、
西岡と花と和紗は同じ方向へ
北川くんと真緒が同じ方向で別れた。
『ヒラマサ!またね!』
『おう、元気でなー!』
『あんま無理すんなよー』
『ありがとう、西岡。教えてもらった走り方でランニング頑張るよ。』
『おう!基礎体力作り頑張れな!』
ヒラマサは、この2泊3日でたくさん食べて沢山遊んだせいか顔色も良くなってきた。
『いつまに2人でランニング行ってたの?』
『朝方目が覚めて、一緒に行くか?ってなったんだよ。』
『へー!楽しそう!』
『まあ、楽しかったよ。朝早い涼しい時間に海沿い走るのも良かったなー』
『今度は私も一緒に走ろうかな』
『花だと、ウォーキングかな?』
『走れる!』
『はいはい。次は一緒に走ろうな!』
隼人が家まで送ってくれて、そのまま別れた。
後日、ヒラマサからみんなに撮った写真のデータが送られてきた。
沢山撮ってくれていたので、気に入った写真を何枚か現像してアルバムに残した。




