末路
いつもと変わらず、サークルでも集まりだ。
和紗たちや先輩達と話していると、1人の女性の学生がサークル部屋に乗り込んできた。
茶髪の方まであるパーマをかけた髪にタイトやワンピースをきた綺麗な女性だ。おそらく先輩。
彼女は眉間に皺を乗せて、入り口の1番近くにいた女子生徒に声をかけにきた。
『佑々木さんって人いる?』
『え‥』
『あの、どうかされましたか?』
花と仲良しの女子の先輩が何かを察してか、彼女に声をかけに行った。
『私、千葉快斗の彼女なんだけど。佑々木さんって人と浮気してるって聞いて、来たんだけど!』
サークル中がざわついた。
ここ1週間ほど千葉先輩はサークル部屋に来ていない。
『快斗も全然学校に来ないし、連絡も取れないからここにいると思ってきたんだけどいないの?』
部活内でもざわざわとしている。事情を何か知っているであろう先輩達が顔を見合わせている。
『あの、お言葉ですけど、佑々木さんは浮気なんてしていませんよ。付き合ってなんかいません。』
和紗が女性の前に立って言いに行った。
『なに、あんた。一年?』
『1年薬学部の木村和紗です。』
『あ、あの!私が佑々木です!』
『あなたが?』
『付き合っていませんし、千葉先輩とは何もありませんでした!』
『1ヶ月前に貴方とカラオケに入って行くところを見たって人がいたわよ!』
『あ‥それは‥』
『そもそも、それも!千葉先輩が一年の後輩をしつこく誘ってきたからですよ!しつこい先輩からの誘いを断われっていう方が難しいんじゃないですか?』
『‥う、それはそうね。快斗は今どこにいるの?』
『知りません。連絡とっていないので‥』
『そもそもサークル部屋にも1週間前ぐらいから来てませんよ。』
『ええ?そうなの?』
その様子を見て、コソコソ話している学生が何人かいる。
なんだか不穏な雰囲気が部室内を漂っている。
そして、1人の男子生徒が千葉先輩の彼女を名乗る女性に近づいてきた。
『あの。千葉快斗ならもう当分大学には来ませんよ。』
『え?』
『え?』
『え?』
みんなが頭にハテナを浮かべている。
声をかけてきたのは軽音サークル部長だ。
『もうすぐ大学から正式に発表されます。彼はおそらく退学になりますね。』
『‥は?』
『え、なんで?』
『彼だけでなく、彼のバンドメンバー全員です。』
『‥!!』
『彼らのおかげで軽音サークルも今朝、活動停止と通達されました。』
『はぁ!?』
『ど、どういうこと!?』
『何したの!?』
部内に困惑と悲鳴が響き渡る。
『もうすぐテレビでも報道されるのでもう言いますけど、彼らは他の大学の女子学生数名に睡眠薬を飲ませて危害を加えたとのことで傷害罪、不同意猥褻罪で逮捕されましたよ
。』
『‥!!』
『嘘でしょ!?』
『やばすぎ』
『気持ち悪い』
『ありえない‥』
『あいつ確か医学部だったよね?』
‥!!驚きを隠せない。あの時のカラオケボックスで見た白い粉末はやっぱり睡眠薬だったんだ‥。飲まなくてよかった。
花は、胸に手を立てて震えている。
その様子を見て和紗がさっと手を握ってきた。
千葉先輩の彼女さんは、現実を受け入れられない様子で口を開けてわなわなと震えている。
部長は何も喋らないが、表情からかなり怒ってる様子だった。
『‥嘘でしょ?』
『それは知りません。けど、実際佑々木さんにもサークル活動中もしつこく声をかけていたという証言は複数上がってましたし、僕からも何度か彼には注意しましたが聞いてくれませんでした。責める相手を間違えてますよ。』
『そんな‥』
『というわけで我々、軽音サークルは当分サークルとしての活動はできませんので、今日はこれで解散します。このことは正式に発表があるまで他言しないようにお願いしますねー。』
そういうと部長は深いため息をつきながら、ギターを持って部屋から出ていった。
次の文化祭でのライブパフォーマンスを一番楽しみにしていたのは部長だった。
きっと1番ショックを受けているだろう。
千葉先輩の彼女はその場で倒れ込んで動けなくなってしまった。
他の先輩達に連れられて、保健室までまた連れていかれていた。
そして、その数日後、報道機関と大学双方から正式に発表があり千葉先輩は退学になった。




