大学入学式
4月になり、大学入学に至った。
入学式になった。
スーツで出席する。隣に和紗が座っており、緊張よりも楽しみが勝った。
『あの〜、ここって新入生の席やんな‥?』
同じくスーツを着た女の子が話しかけてきた。
黒髪のおかっぱヘアーだが、耳にジャジャラとシルバー系のピアスをつけてるロックバンドないそうなタイプで色白で三白眼が特徴的なアンニュイな雰囲気の美人さんだ。
『あ、そうだよ!あなたも新入生?』
『良かったー!あってた!そうやねん。うちも新入生。和泉由奈っていうねん。よろしくねー!君はなんていうん?』
『私は佑々木花。この子は木村和紗。』
『よろしくね。関西弁ってことは関西出身?上京してきたの?』
『そうやねん!私、滋賀県の田舎民やからさ〜都会に憧れて上京してきたものでして。』
『へー!よろしくね!』
『入学早々友達できて嬉しいわ!しかも、こんな美人さんと!嬉しい!』
『いやいや〜そんなことないって』
『私、薬学部やねんけど、2人は?』
『え!私たちも薬学部なの!んじゃこれからずっと一緒だね!』
『えー!嬉しい!嬉しい!!仲良くしよな!』
入学式早々、お友達もできた。
連絡先も交換した。
入学式から1週間経過した時、学校内では新歓といってサークルの勧誘が相次いだ。
『ねえ、君。音楽とか興味ない?』
1人の男性に声をかけられた。
顔立ちが整っており、清楚で爽やかで優しそうな雰囲気をした人だ。
『音楽ですか?』
『うん。僕さ、軽音サークルしてて良かったら見に来てよ。』
その先輩はチラシを一枚渡して来た。
『軽音サークル‥』
『僕は、医学部三年の千葉快斗って言うんだ。君はなんて名前なの?』
『佑々木です。佑々木花。』
『うさぎ?可愛い名前だね!』
『いや‥あはは』
『覚えやすいな、うさちゃんだね。んじゃサークルの部室で待ってるよ。今日午後2時から中庭でステージするからそれもよかったら見に来て。』
『分かりました。ありがとうございます。』
『んじゃ!またあとで!』
軽音サークルか‥今の人も優しそうだし、和紗と由奈ちゃんを誘って行ってみようかな。
2人に話すと、一緒に行ってくれることになった。
ステージにいくと、多くの生徒で賑わっている。
その中には北川くんもいた。
『あ、北川くんも軽音サークル入るの?』
『おー!佑々木ちゃん達じゃん。そうしよっかなーと思って、とりあえずステージ見に来た!』
『一緒だー!』
『文化祭での演奏楽しかったしね』
『やっぱり大学といえばサークルみたいなとこもあるしね』
『確かにね』
『あ、ステージ始まるよ!』
先輩達の演奏は、文化祭で私たちが披露した演奏よりも本格的なものでみんなとても上手だった。
あ、あの時の先輩もいる。
ステージには、ベースとして花にチラシを渡してくれた千葉快斗先輩もいた。
『きゃー!千葉先輩かっこいいね!』
『うん!かっこいいー!』
『医学部だし、頭もいいのにベースもうまくてイケメンなんてハイスペだよね!』
『ねー!仲良くなりたい!』
そんな女子達の会話も聞こえてきた。
やっぱりモテるんだ。
確かに、千葉先輩は、爽やかで一見地味めな雰囲気だが顔立ちは比較的整っている。
しかし、横を見ると‥
『ん?なに佑々木ちゃん。顔になんかついてる?』
『‥いや別に』
『ねえねえ、あそこにいる男の子かっこよくない?』
『え、本当だ。イケメン‥!』
『塩顔っていうの?モデルみたいだね』
‥北川くんというガチモンのイケメンがいるので、あまり比較対象にすると可哀そうだ。
『すごいね。私も花と一緒に軽音サークルに入っちゃおうかな。』
『え!和紗も一緒に入ってくれるかな、私も入りたい!』
『ね、一緒に入ってみようか。合わなかったらやめたらいいし。』
『そうだね』
『ねー!結構本格的で楽しそうだよね!由奈ちゃんはどうする?』
『うちがっつり初心者やけど大丈夫かな?』
『大丈夫だよ!私もほぼ初心者みないなものだしさ、興味があるなら一緒に入ってみない?』
『んじゃ私も入ろうかな!』
そのまま3人で軽音サークルに入ることになった。
そして、新入生歓迎会として軽音サークルで飲み会が開かれた。
『今年度はなんと!!16名も新入生が入ってくれました!ありがとうー!これから軽音サークルを一緒に盛り上げていきましょー!では、かんぱーい!』
『『『乾杯ー!』』』
軽音サークルの女性の先輩たちに囲まれて話で盛り上がる。隣には和紗と由奈ちゃんもいるので、人見知りだけど安心だ。
『そっか!んじゃ和紗ちゃんと花ちゃんは経験者なんだね!即戦力じゃん!』
『いや‥即戦力というほどじゃないですよ』
『あそこにいる北川くんはかなり即戦力になれるかと思います。』
『あー!北川くんね!あの子すごい上手だね!ギターやベースも弾けるし、花があるからステージに立つだけで映えるから逸材だよね!』
『北川くんと同じ高校って聞いたけど、北川くんって高校時代からモテてたの?』
『あーそうですね。そこそこ。』
『やっぱりそうだよね!』
『てか、高校ってどこ出身?』
『あ、極陽高校です。』
『え。あの極陽?めちゃくちゃエリートじゃん!』
『いや‥あはは』
『佑々木さんも和紗ちゃんも北川くんも頭良さそうだもんねー。』
『そんなことないですよ。必死に勉強してここに入ったので‥』
『そういえば学部も薬学部だもんね!』
『そりゃ賢いわ』
『薬学部や医学部は5年になると実習で忙しくなるから今のうちにたくさん遊ばないとね!』
『そうなんですか?』
『そうだよー!』
『まあ勉強が1番大事だけどね?』
『もちろんです!』
『あはは、真面目で可愛いね!』
女性の先輩達と話してるがみんなとても気さくで良い人だ。ここに入ることを決めて良かったかもしれない。
由奈ちゃんは、コミュ力の高さで他の学部の子達とも楽しそうに話している。
飲み会が終わり、店出る。
二次会に行く人たちもちらほらいるみたいだ。
『うさちゃん‥だよね?』
『あ!あの時の!』
千葉先輩が声をかけてきた。
『あ、やっぱりあってた!軽音サークル入ってくれたんだーと思ってさ、さっきは他の子と楽しそうに話してたから声かけられなかった。嬉しいよ。これからよろしくね!』
『はい!よろしくお願いします!』
『僕もそんな上手じゃないけど、なんでも相談乗るよ!それに薬学部なんだよね?俺も医学部だからさ、同じ医療系の特殊な学部同士仲良くできると良いな』
『そうですね。ありがとうございます。』
『‥せっかくだし、連絡先交換しない?』
『あ、はい!』
『やった。ありがとう。4月早々こんな可愛いこと連絡先交換できるなんてラッキーだ。』
『え、そんな‥そんなこと言われたの初めてです。』
『うそ?めちゃ可愛いなぁと思ってたんだよね。つい可愛くて声かけちゃった。ごめんね?ちなみにさ、彼氏とかいるの?』
『いやいや、そんな。彼氏派いないです。』
『え!?こんなに可愛いのにー?んじゃ狙っちゃおうかな?てか、謙遜するところもいいね〜いつでも頼りにしてくれていいから!なんでも言うこと聞いちゃうよー!よろしくね!』
『あはは‥よろしくお願いします。』
そういうと千葉先輩は、二次会に行くメンバー達に合流して楽しげに話にいった。
大学生って感じの人だな‥。
なんかちょっと、意外とチャラい‥?
『花。何してるの?』
『あ、和紗ちゃん。由奈ちゃん。あの千葉先輩って人と話してたの。連絡先交換した。』
『へー‥なんかでもあの人、私苦手だな』
『なんかチャラそうやな』
『うーん‥ちょっとチャラい感じするよね』
『なんか信用できない。』
『同感や』
『まだ話したこともないのに、なかなか言うね?』
『あーいう人は簡単に信用したらダメよ。』
『わかってるよー』
『なら良いけど‥私たちもう帰るけど、花はどうする?』
『私も帰ろうかな。どうせ未成年だからお酒なんて飲めないし。』
『そうだね。んじゃ一緒に帰ろっか』
『んじゃ俺も一緒に帰ろうかなー、女子3人で帰るの危ないでしょ。』
『モテ男の北川くんや!』
『あ、どうもー!名前、なんて言うの?』
『和泉由奈です。よろしくー!』
『和泉さんね!よろしくー!』
由奈が変なポーズで挨拶すると北川くんも同じく変なポーズで返してきた。
気が合いそうな2人だ。
『北川くんも帰って良いの?』
『うん。連絡先交換してって囲まれるのもううんざりだわ〜』
『はぁーモテ男やな』
『モテるってのも大変なんだよ』
『はいはい。ほら帰るわよ。』
帰ってスマホを見ると、ヒラマサから連絡が来ていた。
《大学どう?》
《みんないい人だよ。和紗と北川くんと西岡もいるから楽しいよ。ヒラマサは、どう?》
《俺も変わらず寺倉と一緒にいるよ。一年の時は講義も一緒だから一緒に過ごすつもり。天文部サークルに入った。姉ちゃんも同じサークルにいるからうるさいけど。》
えー楽しそう。お姉さんか‥杏奈さんもヒラマサと同じ帝都大学なんだ。兄弟揃ってすごい。そういえば、医学部に行くって言ってたし‥。
帝都大の医学部とか‥賢すぎる。流石エリート姉弟‥。
《楽しそうで、羨ましいな。
私は軽音サークルに入ったよ。和紗と北川くんと一緒に。西岡は陸上を続けるみたい。》
《そうなんだ。んじゃまた文化祭でステージとかする機会あれば観に行くよ。寺倉も誘って一緒に行く。》
《気が早いよ〜でも、楽しみにしてて!練習頑張るね!》
ヒラマサとは、またこうしてlimeで連絡を取り合うことが多い。
仲良くしてくれてるのが嬉しい。
大学が離れて疎遠になってしまうのではないかとドキドキしていたが、前と同じく接してくれるのが嬉しかった。
この距離感をなんとしてでも保たなければ!




