仲直り
『あ!二人とも戻ってきた!遅かったじゃん』
ヒラマサと二人で急いでテーブルに戻ると、寺倉が駆け寄ってきた。
テーブルに行くとコトコト煮えた美味しそうなカレーと真っ白ツヤツヤの白米ができていた。
『他の班はもう食べ始めてるよー』
『早く食べよう!』
早速、出来上がったカレーライスを皿に装ってみんなで食べた。
自分たちで作ったご飯はとてもおいしかった。
真緒と少し話せて心の霧が少し晴れたかだろうか、この修学旅行中たくさんのご馳走食べたけど、どんなご馳走よりもしっかりと味がする美味しいご飯だった。
『えっ!?そんなことがあったの?柳田たちあいつら反省してないね〜大丈夫なの?』
『少しじんじんする。たんこぶもできた。』
『かわいそうに』
『柳田は、バカだからね』
『てか、なんで飯盒炊爨中にサッカーしてるのよ』
『まずそこからおかしいよね』
『ヒラマサが馬鹿なっちゃったらどうするんだよって話だよな!』
『そんなことで馬鹿にならねえよ』
ヒラマサがボールをぶつけられた話をして少し盛り上がった。
『んじゃ洗い物するかー!』
みんなで使用した鍋や皿や調理器具を洗う。
『ねえ、花。』
『‥ん?どうしたの?』
真緒が手洗い場で横に来て小声で話しかけてきた。
『話したいことがあるの。』
『‥私も。この後でもいい?』
『うん』
食器が洗い終わり、自由時間になった。
真緒と二人で少し離れた場所でベンチに座って話すことにした。
久しぶりの真緒と二人きり空間に心臓がバクバク鼓動する。やば、緊張する。
『花、本当にごめんなさい!』
真緒が急に頭を下げて謝ってきた。
真緒が‥頭を下げて‥謝ってるとこなんて初めて見た。
『え‥え、えっと‥私もごめんなさい!』
『花は謝ることないでしょ!』
『あるよ!真緒に何も言わずヒラマサとご飯行ったことも、成り行きとはいえちゃんと報告するべきだった。ごめん。夏祭りも‥ごめん。』
『花は悪くないよ.夏祭りは、私がドタキャンしたせいだよね。本当にごめん。』
『いやいや、全部報告すべきだったのに隠してるなんて嫌な気持ちになるよね。本当にごめん。』
『花は悪くない‥。私が勝手に勘違いして暴走して花を傷つけた。いじめみたいなことして最低だよね。本当にごめん。許してもらえるなんて思ってないけど、本当に後悔してるし、謝りたいの。ごめんなさい。』
真緒は大きな目に涙を溜めて泣くのを必死に堪えていた。
『ありがとう‥もう真緒と二度とこうやって話せないかと思って。すごく怖かった。勇気出して声かけてくれてありがと‥嬉しいよ。』
『うん‥ありがと。いつも、そういう花の優しいところに甘えすぎちゃってて‥ごめん。亜美たちのことも止められなくてごめんね。』
『良いんだよ。‥良くないけど。』
『ごめん‥もう亜美たちには昨日キツく言ったから!花にもう当たらないでって!』
『そうなんだ。ありがとう。』
『でも、当たらないでも何も、煽ったのは私だから‥都合のいいこと言うなって話だよね。‥本当に情けない。ごめん。』
『大丈夫だよ。』
花はゆっくりと真緒を抱きしめた。
『ありがとう。私のこと沢山考えてくれてたんだね。友達でいてくれようとしてたんだよね。
ありがとう。真緒。』
『うん‥』
『私たち友達に戻れるかな?』
『うん‥うん。ありがとう。花。』
『こちらこそ、ありがとう、真緒。』
そのまましばらく真緒は泣いてたし、私もずっと抱きしめ続けた。
私も少し泣いてしまった。
せっかくできた大切な友達。
一年生の時からずっと仲良くしてる大切な友達。
ここで離れ離れになって二度と話せたくなる方がずっと辛かった。本当に良かった‥。
その様子を少し離れた茂みから見つめる。
千佳、和紗、綾羽、ヒラマサ、西岡、柳田、寺倉の7人。
『‥え、あの二人って喧嘩してたの!?』
『お前まじか』
『ちょっと黙れ』
一人だけ状況が把握できてない西岡を残して、他6人は、二人を黙って見つめていた。




