花火大会
やばい。緊張しすぎて30分前に着いてしまった。
浴衣着てきたけど、私服の方が良かったかな。
私だけ浴衣だったら恥ずかしいかも。
髪飾りも派手すぎたかな、髪の毛も自分でやったからいまいち上手く出来なかった。
真緒がいたら真緒が綺麗にしてくれたのにな‥
『佑々木、来るの早いな』
『わ!ヒッ‥ヒラマサ!』
『びっくりしすぎだろ』
『ヒラマサこそ、まだ、30分前だよ!?』
『‥早く着きすぎたんだよ』
『あら!そこにいる可愛い子ちゃんは将生の彼女かしらー!?』
『違います!』『違うから!』
白Tシャツにデニムズボンにウエストポーチを肩から下げているThe普通ファッションのヒラマサの後ろから出てきたのは、白と水色の朝顔柄の浴衣を見に纏った杏奈さんだった。
『杏奈さん!めちゃ綺麗です!』
『いやいや!花ちゃんもめちゃ可愛いよー!』
『今日は急に参加してすみません』
『いいのよ!お友達が熱出ちゃったんでしょ?残念だったね〜、このメンバーで楽しもうね!』
杏奈さんと話してるとすぐに到着時刻になりみんな集合できた。
『んじゃみんな揃ったことだし!いきまっすか!』
‥上級生もいるのに柳田が仕切ってる。
『行きましょう!えいえいおー!』
『杏奈さん!荷物持ちますよ!』
『良いよ!寺倉くん!これは、このバッグがあって初めてファッションとして成立するんだから持たれたら困るよ!』
『そうなんですか!すみません!』
寺倉ってわかりやすいな‥。
寺倉は確か、ヒラマサに次いで成績は学年2位。生徒会会計担当だ。
杏奈さんは生徒会長で‥あの横にいるちょっと太ってる男の人が副会長かな?
『あ、君が佑々木さん?今日はよろしくね。僕は生徒会副会長で3年の村田だよ。』
『僕は生徒会書記で2年2組の相澤です。』
『僕は寺倉。去年同じクラスだったし知ってるよね?』
『よろしくお願いします。今日は飛び入り参加させていただいてありがとうございました!』
『いいよいいよ!2年生の可愛い女の子が来てくれて華があって良いねー。杏奈だけだと、ごり‥』
『あ?なんていった?村田ってそんな偉かった?』
『いえ、なにもありません。全ては会長が美しく、そして素晴らしいです。』
『よかろう!』
『クソ姉貴だな‥』
『会長今日も素晴らしいです!』
何だか濃いメンバーだな‥。
『なあなあ、ヒラマサ。』
『ん?なんだよ。柳田』
『佑々木ちゃん可愛いね〜』
『別に普通だろ‥』
『女子の浴衣姿は可愛いだろ?』
『別に』
『お前、分かりやすいな〜』
『は!?』
『とにかく、佑々木ちゃん可愛いから目離すと変なやつに絡まれるかもよ?ちゃんと守ってやれよ〜お前が連れてきたんだから』
『‥うるさい。分かってるよ。』
柳田とヒラマサがこそこそニタニタしながら何か話している。何話してるんだろ。
『佑々木』
『ん?』
ボーっとみてると、ヒラマサに呼ばれた。
『あまり離れて歩くと人混みに入った時にはぐれるぞ。』
『あ、ごめん』
履き慣れない下駄を履いてきてしまった。
杏奈さんは、歩きやすそうなおしゃれなサンダルを履いていた。私もあーいうのにすればよかった。迷惑だったな、スニーカー履いてくれば良かった‥やらかした‥。
『俺が隣歩くからゆっくり行こう』
『え、いいよ。そんなの。』
『1人で迷子になられる方が大変だろ。』
『うっ‥ごめんなさい。』
『こういう時はありがとうだろ。』
『あ、ありがとう‥』
『有料席の閲覧席をとってあるんだ。』
『え?そうなの!あとでお金払わなきゃ』
『いいよ。父さんがツテでとったやつだから。他の奴らもお金なんて払ってないし。』
『そうなんだ‥ヒラマサのお父さんってなんか強そうだね。』
『なんでそうなるんだ?』
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少し歩くと屋台がたくさんある通りに出てきた。案の定人が多い。
『佑々木。はぐれると面倒だし、掴んでて良いぞ』
『え、どこに?』
『俺の腕』
『え、そんな悪いよ』
『嫌なら服の裾でも良いから』
『うっ‥どうも』
お言葉に甘えて、服の裾を軽く摘んだ。
しかし、人混みはなかなかのものでヒラマサの言う通りしっかり掴んでいないとはぐれそうだった。ヒラマサの腕は意外と筋肉質であの運動会でダメダメだった姿とは似ても似つかない。
『体の使い方が下手なだけなのか‥』
『‥聞こえてるぞ』
『あ、ごめん』
『あ、佑々木。りんご飴あるぞ。食べるか?』
『あ!食べたい!』
『んじゃ寄っていくか』
りんご飴を一つ購入した。
『甘くて美味しい!』
『そりゃ良かった。みんなもう閲覧席についてるって言ってる。フライドポテトと焼きそば3つ買ってこいって姉ちゃんから連絡来た。』
『あ、ごめん。私が遅いせいで』
『あいつらが歩くの速いだけだろ。焼きそばとポテトか、どこだろ?』
『あっちの方にあったと思う』
『んじゃゆっくり歩きながら探すか。』
『うん』
ヒラマサと2人で歩いてると、遠くの方に同じクラスの亜美たちが歩いてるのが見えた。
まあ、地元の祭りだし同級生の子達がいても不思議じゃないか。
『‥え』
亜美たちと一緒に楽しそうに歩いてる真緒を見つけてしまった。
え、今日は風邪引いてたんじゃないの?
熱で家で寝込んでるんじゃないの?
見間違いだろうか、いや、でも‥
じっと見つめていたせいだろうか、真緒と目が合った。
真緒も少し驚いた顔をしたけど、そのまますぐに、視線を逸らして亜美たちと行ってしまった。
え‥亜美たちとお祭り行くために私との予定はドタキャンしたってこと‥?
なんで?何のために‥?
『おい、おい、‥おい!佑々木!』
『あっ‥ごめん。』
『どうした?』
『いや‥なんでもない』
うつむく花を見て、ヒラマサが周りを軽くを渡した。クラスの亜美達と一緒に楽しそうに歩いてる真緒を見つけてため息をついた。
『とりあえず、みんな待ってるし行くぞ。』
ヒラマサに手を引かれてそのまま閲覧席へ行った。
閲覧席に行くと、ブルーシートで区画が区切られている場所があり、そこにレジャーシートが敷いてあった為みんなそかに座っていた。
焼きそばやたこ焼き、フライドポテトを渡すとみんな喜んでくれた。
けど、私の心はずっとふわふわ浮いていた。
頭から真緒の姿が離れない。
私が何かしただろうか。
『佑々木、フライドポテト食べる?』
『ありがとう‥』
『小籠包は食べる?』
『ありがとう‥』
『はい。』
『小籠包‥?』
ヒラマサが差し出してきたのは小籠包だった。
『こんなの売ってるんだ!』
『姉ちゃんがそこの屋台で買ってきたんだよ』
『美味しいよー!ぜひ!うさちゃんも!』
『あ、ありがとうございます!』
『佑々木、りんご飴早く食べないから手がベタベタじゃん。ウェットシートで拭きなさい』
『あ、ごめん。ありがとう。』
ヒラマサがポケットからウエットシートを出して渡してきた。
受け取って、手を拭く。
『‥佑々木さ、分かりやすいな。』
『え?』
『はぁ‥赤石もなんか事情があるんじゃない?また今度会った時にでも話せば良いよ。いつも一緒にいる仲良しな親友なんだろ?』
『ごめん‥バレてた?』
『あんなわかりやすい顔でフリーズされたら流石に見ちゃうし大体分かるでしょ。』
『ごめん‥』
『あーもう‥早く小籠包食べろ!』
『ちょっと!将生!あんた、何があったかしんないけど、女の子になんて口の聞き方してんの!ごめんねー!うちの愚弟は気が利かないなよ!』
『え、全然!そんなことないですよ!』
すると柳田がニコニコしながら割って入ってきた。
『まあまあ、杏奈さん!ヒラマサは照れ屋さんなんですよ!照れ隠しで言葉尻が強くなっちゃうやつなんですよ!』
『あ、そうだったわね。ごめんね〜悪いやつじゃないから!』
『そうそう!ツンデレだから!』
『お前ら、ほんとうるさい。』
『ありがとうございます。いただきます。』
少し元気になった。花火を見たら少し気も紛れるだろう。
真緒にはまた話を聞こう。
何か悪いことをしてたら謝らないと‥。
とりあえず家に帰るまでは、今は花火を楽しもう。




