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撫子は強く咲く〜美少女サッカー育成ゲームにTS転生した俺、最弱高校で最強を目指す〜  作者: 風野唄


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045話 いずれ最強の世代と呼ばれる者達

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

 前半を終えてベンチに戻ると、刈谷崎(かりやさき)先生が大量のスポーツドリンクを用意して待っていた。

マネージャーがいる訳でもないので、これは全部刈谷崎先生1人で用意したのだと思う。

相当苦労しただろうに、迎える時は満面の笑みだった。


 45分間ずっと走り続けて、体は水分を求めている。

この場にいる1年は感謝を述べながらも素早く受け取り、喉を鳴らしながらありつく。

体内を巡るキンキンに冷えたドリンクが、溜まりに溜まった火照りを冷ました。


 それでもまだ暑いと感じる。

いっそ蓋を開けて頭の上から掛けたいくらいだけど、我慢しなければ。

まだ後半が残ってる。

ユニフォームが濡れたままでは試合にも出れない。


「……みんな、お疲れ様」

(かなで)! 大丈夫だった?」

「いぬいぬだぁー! 心配してたよー!」


 少し体調が悪そうにも見えるけど、動けるまでには回復しているみたいだ。

とりあえず彼女が気になっているのは、試合の途中経過のはず。

体を気遣ってベンチに座らせ、奏が倒れた後の事を報告した。

本当であれば隠しておきたい事実を含めて全て。


「……2対3」

「これはアタシの責任。本来であれば、同点までには追いつけた。だから、奏。アンタが気負う必要はないわ」

「ちょいちょい、アタシ達でしょ。それにまだ負けた訳じゃない。こっからいくらでも逆転できるでしょ」

「あの、私が言える事じゃないとは思うんですけど、……私もまだ勝てると思います」


 これは奏に向けた慰めなんかじゃない。

本気で勝つつもりでいるんだ。

そして、それは俺だってそう。


 前半は猛威を振るえていない。

プレーと思考の両立。やはり、そこが俺の課題だ。

加えて、長時間のハードな運動。

前半の終わり掛けは、作戦なんて考えてる暇もなく振り回される一方だった。


 だからこそ、このハーフタイムが有難い。

俺はいつだって、どんな時だって、監督として、ゲーマーとして、策を講じるのが役目だ。


「それにしても困ったねぇー。本当に先輩達動かないんだもん」

「ほっとけば良いわよ、あんなの。今の彼女達にプレイヤーとしての価値はないんだから」


 価値はない……、価値は……。

本当にそうだろうか。

彼女達は嫌々でもフィールドの上に立っている。

何故だ。


 刈谷崎先生に頼まれたから、ただそれだけなのか。

真宮先輩のように来ない選択肢だって頭に浮かんだはずだ。

それなのに、前半終了後もまだ居続ける理由は。


 あるはずなんだよ。

彼女達の奥に。諦めの奥にはまだ。

何のしがらみもない普通のサッカー少女としての魂が。

何も考えず、ボールをただ蹴っていた──。


 その瞬間、俺の中で全てが繋がるような衝撃を感じた。

散りばめられていた点と点が、答え合わせをするようにゆっくりと。


「もしかしたら……あるかも知れない。先輩達を上手く使う方法」

「はぁー? そんなのないわ。黙って立っているような人達が点を取れるはずがない」

「点は取れなくても、相手のキーマンの機能を止める……と思う」

「え!? キーマンってあのゴールを入れた2人だよね? 何々、どうやって!?」


 敵だけでなく、先輩達にも聞かれてはならない秘密の策。

奏も含めた1年で密になって、その策を打ち明ける。

完璧とは言えない一か八かの賭け。

にも関わらず、全員が真剣に話を聞いてくれる。


「──ということなんだけ、どうかな」

「まぁ、理屈は何となく分かったわ。どう転ぶかは分からないけど、試してみる価値はありそうね」

「もぉー、素直にすごいって褒めれば良いのにたかりんも」

「うっさいわね。そろそろ後半も始まるから、さっさと準備する。あーあ、それと奏。アンタはベンチからしっかりと見ておきなさい。予定は狂ったけど、ちゃんと勝つわ」

「ありがとう。……頑張って」


 (りん)の言ったようにそろそろ後半が始まる。

身体的には疲労が抜けない。

だけど、心は準備が出来ていると叫ぶ。

早く戦わせろと叫ぶ。

ビハインドからの再開。

にっこりと上がる口角が、今の胸の内を代弁する。


「気合い入れていこう、雅野(みやびの)


 気合の入った返事が返ってくる。

みんなもまだ勝ちを諦めてなんかいない。

この試合のことだけを言ってるのではなく、この先もずっと。

弱小校なんて悲しい肩書きのままでは終わらない。


────


「ハーフタイムは有意義に過ごせたかな、雅野さんは」


 後半に入ったというのに、よくも懲りずに絡んでくるものだ。

その執念には嫌悪感を超えて、賞賛すら覚える。

よっぽど雅野を嫌っているんだな。


「有意義も、有意義。逆転のシナリオを書くには十分だったよ」

「そのシナリオ、バッドエンドに進まないといいね」


 俺にだけはハッキリと見える炎のオーラ。

ハーフタイムを挟んだ今も尚、続く過集中(ダイブ)

普通であれば、集中力は途切れて後半まで続くはずがない。

阿久間と主人公を除いてはの話だ。

まさかその例外に毒島(ぶすじま)も含まれるのか。


 恐ろしく強い。

秋風(あきかぜ)も毒島も。

ゲームの時は旧2年生世代、つまり今の3年生世代が最強なんて言われていたけど、それを覆す可能性がある。

だから、燃えるんだよ。

強敵を倒す瞬間が頭の中を駆け巡って。


 前半は雅野からスタートだったので、後半は必然的に立海山からのスタート。

相手の作戦は変わらず、深い位置にまで下げる。

こちらが釣られて前に出るのを見てから一気に攻め込む。


 ハッキリ言って甘いな。

俺の前で、2度同じ手は通用しない。

それが俺の意地とプライドだ。

ご覧いただきありがとうございました。

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