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撫子は強く咲く〜美少女サッカー育成ゲームにTS転生した俺、最弱高校で最強を目指す〜  作者: 風野唄


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033話 集結、雅野の1年生

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

 練習再開後は(あん)の守備練習を兼ねて、2対2をすることになった。

ペアは最初の練習と同じ。

こちらは犬飼(いぬかい)と一緒なので、序盤は圧倒的に有利。

だけど、後半になるに連れて、ほぼ1対2の状況になるのは目に見えている。

口うるさくペース配分には気をつけてと言っては見たが、それは本人が1番分かっていることだ。

気合いでなんとかしてもらうしかない。


「それじゃあ、始めようか!」


 英理奈(えりな)と杏は楽しそうに守備へ。

さっきの時間に教えたことを実践形式で試したくてウズウズしているんだろうな。

ならば、敢えて手加減をしてやる必要もない。

俺も杏も知りたいのは今、自分自身がどこまで出来るかだ。


「犬飼さんに合わせた方が良い?」


 ボールを地面に置きながら尋ねる。

後半は使い物にならないことを考えると、序盤で出来るだけ犬飼中心にプレーをしたい。

彼女の個人技は見たけど、連携が上手く出来るかは別問題。

立海山の練習試合でいきなり連携を取るより、今のうちに把握しておくべきだ。


「……大丈夫。必要ない」

「じゃあ、全部1人でやるってこと?」

「……そう。今までもそうやって来た」

「分かった。任せる」


 口ではそう言ったけれど、これじゃあ2対2の意味がない。

俺が犬飼のレベルに付いていこうとすると、足手纏いなのは分かっている。

ただ、下手な味方も上手く扱えないようではいずれ苦しむ。


「よーし! それじゃー、スタート!」


 今回はキックオフ形式でミニゲームが始まる。

犬飼に任せると言ったので、俺が最初にボールを蹴った。

優しく犬飼の足下へ転がる。

吸い込まれるような鮮やかなトラップ。

動き出しに一切の無駄が感じられない。


 無口で常に気怠そうな雰囲気はどこへやら。

動くことすら躊躇わせる覇気がそこにはあった。

このままでは彼女の独壇場になる。

そう思われたが、思い描いた通りに事は進まない。


「あーちゃん、前出て! そこだと位置低いよ!」

「分かりました!」


 細かい立ち位置を英理奈が指定。

空いていたスペースを埋められる。

仕掛けようとしていた犬飼は、それを見て動きを止めた。

強引に突破するのかと思ったけど、ここでは無理をしないのか。


 駆け引きで考えると英理奈に軍配が上がる。

どフリーで立っている俺にパスが回らない時点で、英理奈は犬飼が1人で行こうとしているは分かっているからな。

更に言えば、犬飼のプレーは杏も体験済み。

格上だと分かった上で対策を練れば、前回のように一筋縄ではいかない。


「……私は負けない」


 足を器用に使ってボールを挟みお得意のヒールリフトの動作を見せる。


「あーちゃん! 前詰めて体入れて!」


 ボールに触れさせないよう、間に体を入れてフィジカルで守るようだ。

フィジカルの数値がそこそこある杏に合わせた技術。

パラメータを確認できないはずの英理奈が思い付いているのは、流石としか言いようがない。


「基礎が前よりしっかり。……でも、まだ勝てるレベルじゃない」


 ボールは確かに宙を舞い、杏を通り越して行くはずだった。

英理奈の指示もそれを見越して。

しかし、俺達は犬飼 (かなで)の実力を見誤っていたようだ。

あの時の勝負で見せたものは片鱗に過ぎない。

もっと奥深い深淵が彼女の中には眠っている。


 犬飼が高く飛ぶ。

接触すれば危険な状態で怖気付くこともなく。

いつもの様子からは考えられないくらい軽々と。

地に背中を向け、落下して来た球に向けて足を伸ばす。


「オーバーヘッド……。これで運動苦手は絶対嘘だろ」


 ランニング前の会話を思い出して、自然と口から言葉が出る。

あの体勢で通常のシュートと変わらない威力。

どこをどう見たって運動が得意としか思えない。


 2回目にして驚かなくなってしまった犬飼のゴール。

地面にそのまま落ちて、倒れ込んでいる方が驚く。

全員慌てて安否確認の為に近寄る。

背中を強く打っていたように見えたので、大きな怪我に繋がっていないか心配だ。


「だ、大丈夫!?」

「大丈夫、……疲れただけ」

「今のは危険ですよ。念のため保健室に───」

「大丈夫。……少し休めばまた動ける」


 本人がそういうならと、日陰のある涼しい場所まで運ぶ事に。

全員が運ぼうとして上手く行かなかったので、代表して俺がお姫様抱っこをする。

犬飼も恥ずかしいと抵抗することなく、首に手を回す。


「きゃー!!! 王子様とお姫様みたい! いいなぁー!」

「このままお運びしますね、お姫様」

「……うん///」


 英理奈の言葉に冗談で乗っただけなのに、本気で顔を赤らめるのはやめてほしい。

忘れかけていた男としての本能が呼び覚まされそうだ。

全員、顔はアイドル級なんだから完璧してくれ。


 なんとか気持ちを沈めながら犬飼を運び切る。

絶対安静にするよう注意してから2人の下へと戻った。

最後に申し訳なさそうな顔をしていたけど、こればかりは仕方のないことだと割り切っているので、俺自身は気にしていない。

足りない所を補っていくのがチーム。

当たり前のことを当たり前にしたまでだ。


「3人になってしまいましたね。どうしますか? 練習メニューは引き続き同じものにしますか?」

「うーん、そうだなー。迷うところではあるけど、実践してから、フィードバックしたいしそのまま1対2かな」

「いや、ちゃんと2対2が出来るんじゃないかな?」

「えっ? どういうこと?」


 英理奈がニコニコっと笑って、徐ろにどこかを指差した。

何の事を言っているのかと思い、振り返る。

すると、グラウンドの端から気怠そうにこちらへ向かってくる人影が見えた。

よく見る為に目の上へ手を当て、日光を遮りながら目を細める。


「まさか……。……まじか」


 段々とハッキリと見えて来た少女は、いつものように不機嫌な表情を浮かべていた。


「ちゃんと来てやったわ。これで文句はないでしょ?」

「……待ってたよ、たかりん」

「約束したから仕方なく来ただけよ。あぁ、それと言っておくけどね───」


 2つ結われた赤い髪を揺らして、俺に近付く。


「同じチームとか関係なく、いつかリベンジさせてもらうから」


 瞳から溢れるメラメラと燃える炎。

それでも今までより確実に、歩み寄ってくれている気がする。


 1人ダウンしているけど、雅野の1年生5人が揃った。

その事実が少年漫画の王道な展開みたいで、密かに胸を躍らせる。

この調子で全て上手い具合に話が進めば良いのに。

悪いフラグになりそうで口には出せない願い。

きっとその答えは、神によってすでに決まっているのだろう。

ご覧いただきありがとうございました。

よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!


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