020話 秘策のアイテムを手に入れろ
誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。
面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!
この世界で過ごす初めての土曜日。
学校は休みなので、それに合わせて部活も休みに。
本当は練習するか迷ったけど、休息も適度に必要だと判断した。
それに加えて、今週の土日はやらなければならないこともある。
1つは昨日の放課後にも話した立海山との練習試合のアポ取り。
本来であれば顧問を通すのが筋だけど、雅野の顧問はアレだからな。
率先してそんな面倒なことをするとは思えない。
だったら、偵察も兼ねて日曜日にやっている練習に突撃しようという魂胆だ。
そして、もう1つが今日の主題。
昨日も話していた金策ととあるアイテムについて。
この為に俺は休みなのにわざわざ朝早くに起きて、数ある私服の中から自分で選んで着て外へ出ている。
到着した目的地は、雅野商店街の奥にある古びた木の看板が掲げられてたお店。
看板に達筆な字で書かれた和龍堂という文字。
商店街の通りは賑わっているのに、この店の周りだけは誰1人として立ち止まる気配はない。
まるで誰にも見えていないようだ。
「こんにちはー」
「若い女の子の客とは珍しいな。らっしゃい」
中に入ると70代くらいの風貌の白髪を生やしたお爺さんが、新聞を広げて店番をしていた。
ゲーム内でも度々お世話になるが、無愛想なところは相変わらず。
軽く挨拶をすると、コーヒー片手にまた新聞へ視線を落とす。
店内には何に使うかもよく分からない物や奇妙な置き物が所狭しと並んでいた。
しかし、よく見ると乱雑に陳列されている訳でも、商品が埃被っている訳でもない。
きちんと定期的なメンテナンスは行われていそうだ。
「嬢ちゃん、冷やかしなら帰ってくれよ? ここは美術館じゃねーんだ」
「いや、違うから。ちゃんと欲しいものがあるの」
「それなら良いんだがな。最近、店に入って何も買わねぇー客も多くて困ったんだ、こっちは」
どうやら客ではないと思った店主が、ぶっきらぼうに注意してくる。
愛想が悪いと客足が遠退くぞとアドバイスしてやりたいけど、相手は年上で意固地な性格に見える。
2人しかいない店内で怒鳴られても面倒なので、心の内に秘めておくことにした。
「おじちゃん、この店に石ない? 石」
「石だぁ? んなもん、山程あるぞ。値段も幅広いし。でも、大半は嬢ちゃんじゃーあ買えねえ値段だな」
「あっ、もう自分で探すから大丈夫」
「そうかい、好きにしてくれ」
なんだ、このジジイ。
歳を取ったせいで、接客の仕方も忘れたのか?
確か今の俺と同い年くらいの孫がいたはずだよな。
孫が懐いてくれないと嘆いてたけど、その原因は完全にジジイにあるだろ。
ここまで来たら自分で探すしかない。
端から順にしらみ潰しで探すと、奥のこぢんまりとしたスペースに石が並べられている棚を発見。
店内の落ち着いた雰囲気もあって、そのどれもが高そうに感じる。
これでようやくお目当ての物が手に入ると、石が飾られている棚の前まで行き[分析]を発動。
文字の波が一気に押し寄せる。
突然のことで頭の処理が追いつかない。
視界の情報が多すぎて、頭が痛くなってきた。
これではどれが何か全く分からない。
大雑把に全体へ向けて[分析]を発動したのが悪かった。
今度は陳列されている石を1つだけ慎重に手に取り、[分析]を再度発動。
名前:ただの石
説明:川で拾ったただの石。丸みを帯びていて、茶色。和龍堂店主・和門 大作は、これを3万円で仕入れた。
「おもいきり騙されてるじゃんか」
他にも鑑定していくと、ここに陳列されている石はほぼ偽物だらけだった。
偶に本物もあるけれど、黒字になるかと言われたら難しい。
目利きの出来ない爺さんが、骨董品を集めてるとはどういう了見なのだろうか。
ほんの少しだけ、気になったり、ならなかったりする。
「おっ、あるじゃん。これこれ」
名前:才能の塊
説明:歴史を作り上げてきて先人の才能が蓄積されて出来上がった塊。塊が割れた瞬間に才能が放出する。使用者はパラメータの才能がランダムに1段階上昇。値段は1つ10万円(税込)。
探し求めていた優先順位最上位アイテム、才能の塊。
使用者である主人公の才能を上げる破格の性能。
才能は高い程、そのパラメータを上げやすくするだけでなく、最大値の上限を上げる効果もある。
俺にはEXスキルの効果で後者の恩恵は必要ないが、どちらにせよ特化型で自身を育てるつもりなら、必須になるだろう。
今はまだ育成プランを絞り切れていないけど、どちらにせよ喉から手が出るくらい欲しい。
数は全部で3つもある。
全部買うとすると、合計で30万円か。
子供のお小遣い程度では到底払い切れない金額だ。
あのジジイが冷やかしだと勘違いするのも無理はない。
「なんだぁー、嬢ちゃん。目当ての品は見つかったのか?」
「見つかりはしたけど、持ち合わせがなくてね」
「ケッ、やっぱり冷やかしじゃねーか」
金がないと分かると、やれやれとため息を吐きながらレジに戻る。
本当に買うつもりがあるのに、冷やかしのようになってしまっているのも事実。
だから、その態度を咎めることはできなかった。
まだ俺は店内にいるけど、空気と変わらない扱い。
腹が立って仕方がないので、才能の塊を1つ手に取りレジへと向かう。
「買うから取り置きしておいてよ、今日中に取り来るから」
ドンと激しく置きたい気持ちを何とか堪えて、そっとレジカウンターに置く。
店主は商品と俺の顔を何度か往復して見た後に、読んでいた新聞を折りたたむ。
「閉店は21時だからな。それまでに取りこなきゃ、またあの陳列棚に逆戻りだ。でもまぁ、こんなの買う客そうそういやしねーけどな」
「はいはい、ありがとうございます」
嫌味たらしくも才能の塊をカウンターの下に置く店主。
一応、業務であれば断りはしないらしい。
どうにも煮え切らない気持ちになるけれど、俺は今からお金を稼ぐ必要がある。
しかも、大金の10万円。
持ち金を差し引いても8万円は必要だ。
秘策があるとは言えど、確実に稼げる保証はない。
ならば、なるべく多くの時間を労働に充てるべきだと判断して、足早に店を立ち去り次の目的地へと急いだ。
ご覧いただきありがとうございました。
よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!




