点字部
天才卓球少女 東条天音にコテンパンにされてしまったアナウンサー達は 筋肉疲労のままもう1人の卓球部員である 高橋太一くんの取材にやってきた。
「はぁはぁ ここが 最後の取材の場所、はあはあ ですね それでは行ってみましょう」
高橋太一くんがいる場所はサウンドテーブルテニスが行われる場所からは少し離れた場所 体育館ではなく 一つの教室にいた。
「ここが?ん?点字部?」
小さな小さな教室の場所には「点字部」と小さな文字の看板がある。アナウンサー達は恐る恐るそのトビラを開いた。
「ガラガラガラガラ」
「カタカタカタカタ」
「この音なに?」
小さな教室からは小学生、中学生、高校生、大人、老若男女の人たちがただ、一生懸命に「カタカタ」と音を鳴らしていた。
「おや?珍しいお客さんだね?」
そう声をかけたのは私よりも数倍年の離れたとおじいちゃんらしき人だった。
「複数人とみるともしかして取材でいらした人かな?」
私はあっけにとられていた。 声もまだ発していない、ドアを開けただけでこんなことまで分かるのかと。
「ど、どうして、取材だとわかったのですか?」
「体育館腋からなにやら賑やかそう声が聞こえてきましてね? それに盲学校では珍しいシャッターの音がしました。 機材を運ぶ音、複数人での相談や会話から取材なのだろうと」
「さすがです。」
盲学校では耳を頼りに授業を行うことが多い。 多分この人は 酸いも甘いも経験してきた人なのだろうかど、私は思った。
「ところでどういった取材ですか?天音ちゃんのかわいい声が聞こえたので天音ちゃんの取材は終わったのでしょ?」
「はい、実は新潟盲学校さんが え?」
私はもう一つ驚いたことがあった。
こうして会話している間にも 手は紙から離れず 規則的にカタカタと早く点字を打っていたのだ。
「会話しながら点字を打っているんですか?」
私はきいてみた。
「当たり前じゃないですか」
その人はさぞ、当たり前 当然かというように声をかける。
「みなさんだって会話しながら文字を書くでしょ?それと同じですね」
「あの、失礼ですがどのようなことを書いているのですか?」
「論文ですね」
「え?」
私であっても文字を真剣に書きながら会話をすることは難しい。
それは難しい話になればなるほどそのハードルは高くなっていく。
「すみません、お話が過ぎましたね。なにか用があって点字部に来られたんですか?」
「はい、新潟盲学校卓球部が北信越大会に出場するということでその取材に来たのですが」
「ほう、さすると卓球部員をお探しですね、はて、点字部と卓球部 二つの部活を掛け持ちしてる人はいたかな?」
「こんにちは!」
「おう、丁度よいところで 太一くん?卓球部員の取材で来られてますよ?」
「あ、ここまで来たんですね、 すると盲学校卓球部員は僕が最後か」
「あ!高橋太一くん!少しお話を!」
「まぁとりあえず教室の中に入りましょうか
「太一くん、せっかく点字部に来られたんですから点字の取材をしてもらいますか笑」
「それはいいですね」
「え?あ、はい お願いします!」
「これは点字なのでか?」
「はい、点字は視覚障害のある方が指先で触って読み書きする文字のことです。古くは1825年、フランスのルイ・ブライユによって考案され、日本では1890年に石川倉次が日本語用の点字を完成させました」
「そんなに古くから」
「縦3点・横2列の計6つの点の組み合わせ(1マス)で、ひらがな、数字、アルファベット、記号などを表します」
「はい、」
「点字文を書くために必要になるのが点字をつくための「点筆」「点板」「点字紙」 「点字器」が必要。点字器の四角の場所に点を打ち込む。だから、紙をひっくり返して読む側(凸面)から見たときと同じになるよう、読むときとは左右を逆(鏡文字)にして右から左へ打つんだ」
「なるほど」
「書き側と読み側を分けて覚えることが大事になってくる」
「読む側(凸面)から見て、左上から下へ「1・2・3」、右上から下へ「4・5・6」と番号で読む。この6点のひとまとまりを「1マス」と呼ぶよ」
「なるほど」
「{あ、い、う、え、お、)さえ覚えちゃえばあとは簡単だ、しっかり覚えておくぞ!」
「え、えぇー」
読み側
あ、1の点 い、
1,2の点
う、1,4の点
え、1,2,4の点
お、2,4の点
それを覚えたらか行、その覚えて、付け足しして6の点をいれる
「頭が痛い」
「太一くん、もっといい方法があるだろ! リズム感で覚えるんだ」
「そうだな、リズム感にな」
「か6さ56た35な3は36ま356ら5」
「これが点字文の覚え方だ!」
「太一くんいろいろ教えてくれてありがとね おかげで点字のことがよくわかったわ」
「でも、いいんですか? 点字の取材ってNHKみたいですよね」
「うう、そうね、このままだと点字番組になっちゃうね」
「あーそれなら明日 寄宿舎の「寮祭」があるんで来てください!きっと楽しいですよ?」
「あのー、サウンドテーブルテニスの取材なんですけど」
「もちろん、サウンドテーブルテニスもしますよ?」
「え?行きます」
「大変大変大変大変大変!」
「なんだ?どうした?」
「寮祭の出し物をする人が風邪引いちゃって!」
「あー、」
「サウンドテーブルテニスできないかもですね笑」
「え?笑」




