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STT 「サウンドテーブルテニス」  作者: 太陽
夕月遙 盲学校編

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盲学校の卓球

 僕は中学を卒業して新潟盲学校に入学した

先天性緑内障と違い急激な眼圧上昇の特発性緑内障は即座に盲学校入学であったが 僕の強い思いから中学卒業まで待ってもらったのだった



新潟盲学校に入学してしばらくすると僕は1年生にしてリーダーのような存在となった

やはり中学時代生徒会に属していたことが大きかった。


僕が休み時間 廊下を歩いていると体育館の入口から コーン という 聞き慣れない音がした まるでお正月でよくやる羽子板のような そんな音が耳に聞こえてくる


僕はそれがやけに気になって体育館の入口をのぞいてみると それは卓球の音だったのだ。


「これが?卓球なのか?」


卓球 とはなにか違う 通常はネットの上を通すのが普通の競技なのだが 僕の今みているものはネットを通してボールを打つものであった


もう2度卓球が出来ないと信じていた僕にとっそれは光り輝く希望に思えた

身体が自然に動きだし心がその卓球台に引き寄せられるように向かっていく



「ん?」



卓球を打っていた少女は1人であった 僕の小さな足音だけで反応できるのは相当な人なのだろうと思った



「誰ですか?」



卓球は対面でやる競技 2人でないと卓球は出来ない しかし その少女はひたすらサーブ練習だけをひたすら続けていた




 「おーい!1人で何やってるんだ」




そのかわいい少女は知らない人からの突然のの質問に困惑しながら 顔をこちらに向けた



「1人で卓球してるのか?」



天音「あのー どちら様ですか?」




「ハハハ!そうか 名前を名乗らなきゃだよな」




「僕の名前は夕月 遥 高等部の1年生さ」




天音「1年生?ってことは先輩ですか!?すみません!」



後輩だとすると少女は中学ということになる

それなのに あのようなサーブの速さと反射神経 僕はどこか愛花のことを思い出した




遥「一緒に卓球やろうか?僕は高校生から盲学校に来てるんだけど 中学校の頃は普通のネットを超えてやる卓球を部活でしていたからそこそこ強いと思うぞ!」




その言葉をきいた少女は心の底から嬉しそうで瞼から溢れるものがこみ上げてきた




遥「へぇ~なんで泣くかな」










僕はその言葉に救われたんだ





天音「うん!卓球一緒にやりたいです!」









「そうそう!入部届け 必要だよな? って1人なのか?」



「うん!私が部長なの!」



僕は驚いた こんな小さな女の子が部長という重みを背負わせている現状に この卓球部の先輩たちは中学生に部長を任せていた 

僕はそれに許せなかった


このような女の子はついつい 自分に厳しく そして何かと抱え込んでしまう 僕は2度と愛花と同じようなことは起きてほしくないと思ったからこの卓球部に入学することに決めたのだった



「愛花、 」



「ん?」



「愛花じゃない 君の名前は?」



東条天音(とうじょうあまね)中学3年生です」



「天音 今日から僕が部長になる!君を背負わせてたまるか」




「遥先輩が?部長ですか? うん!卓球一緒にしてくれるなら!」



僕はこんな純粋で純粋を頑張る女の子を絶対に壊してはいけないと思ったのだった。


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