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STT 「サウンドテーブルテニス」  作者: 太陽
夕月遥

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58/67

日の当たる場所で燃え尽きもしなかった

 新潟県大会を制し、全国への切符を獲得した僕こと 夕月遥 は全国大会勝利のため 普段の練習以上の練習に汗を流していた。


やはり全国大会への出場というのは大きく周囲の人たちの期待はどんどん高まっていくように感じる

揚げ足を取りたがる僕の先輩や同級生たちも妙に静かになっているように感じた。



「全国大会まで1ヶ月だ これからもっともっと厳しくしていくぞ!」


(案の定 コーチも気合がはいっているようで さらに厳しさを増す。 そりゃこの学校から全国大会出場者が出たのだから 気合が入らないわけもないのだがな


 「引き合いを行う!カットだけでは勝てないからな」


練習も過酷さを増していった 相手は男子大学生の2人 つまり2対1ということになる


右利きと左利きの選手でセンターライン挟んで両サイドで待ち構え僕が打った玉を打ち合う



そして 引き合い つまりドライブで打ち合うことで攻撃力も高めていった。




 


 いよいよ全国大会まであと3日まで迫ってきていた


僕はいつものように大学生2人の強烈なドライブをカットを交えてオールを行う 1ヶ月も経てばもう慣れてきた。


    


「パーーン」


「パーン!」




強烈なドライブが大学生から放たれる それを僕はドライブで打ち カウンターをねじ込んだ



「よくやった!よくやったぞ!遥! 全国は守りだけじゃ勝てないぞ!攻めて攻めて攻めていけ――!」



珍しくコーチが褒めてくれたのか? 表情からしてこれはお世辞ではないとすぐに理解した。







全国大会2日前になった朝の全校朝会 全国大会が日曜日ということもあり 

体育館で決起会が行われた



「僕、 いや 私は 夕月遥は全国大会に出場します!応援よろしくな! じゃなくて よろしくお願いします!」



「かっこいい!」



「遥ちゃんがんばれ!



「優勝してね!」



「みんなありがとな!」



黄色い声援が体育館から飛び交う その声援が僕を蝕んでいることなど今の僕にはわからなかったと思う



放課後すぐに卓球練習を再開する 

全国大会直前ということもあり 練習量がさらに多くなっていった。



「もう一回!」


「はい!」


「もう一回!


「はい!」



結局練習が終わったのは夜9時を回ったところだった



僕は家に帰る気力もなく公園のベンチに座り佇んだ


お母さんはナイターの仕事だったからいつも料理は僕が作ってた


(これから 夜までテスト勉強して ご飯を作って  お風呂か、)




「遥?」


「ん?愛花か?」


夜に紛れてよくみえなかったがベンチの街灯でようやく愛花だと認識することができた



薄月夜の公園のベンチに愛花と2人で座る




「足 治ったんだな」


「うん、もう2ヶ月だからね」


「よかった これで卓球ができそうだな」



「うん!あと、遥 全国大会出場おめでとう!」


「愛花のおかげだな」


「違うよ 遥が頑張ったからね!」


「これで僕に勝ったら愛花は全国クラスってことだな(笑)」


「よし!じゃ全国大会が終わったら試合しょ?私が勝っちゃうけどさ(笑)」



「まだ出場してねーのに後のことを言うなよ 疲れるから」



「ごめんごめん (笑) 遥ちゃん 期待してる いっぱい勝ってね」


「弱いなりに頑張るよ」


「弱くても勝ってね(笑)」







それから愛花と別れた僕は家に帰って 手早く家事を済ませる



今すぐにでもベットにダイブしたい気持ちがあったが ここのところ全国共通テストのランキングが落ちて来ていることを危惧した僕は急いで勉強をはじめた。


お母さんは勉強にはとても熱心で卓球部に入る際も学力が落ちないならという条件で入部ができたという経緯があったことからキツイ練習の後でも勉強をする習慣が生まれたのだった






 「ん?もう朝か」

 

 集中しすぎて気がつけば日が昇ってしまっていた

勉強は深夜がはかどるとよくいったもので熱中しすぎると朝までやってしまうことがある 

だから小説も深夜に書くことが多いのか。




「朝練行かないと!」



僕は制服のまま 学校へと向かった



「遥!遅いぞ!」


「すいません」


「全国大会まであと1日なんだぞ!もっと自覚を持てよ!」



「すみませんでした。」



「そんなことで全国制覇できると思ってるのか!」



「いえ、」




「じゃあ すぐに練習だ!今回は8時間みっちり練習だぞ!」




「はい、」



「なんだ、どうした?」



僕の思考はだんだん薄れ強烈な睡魔が襲い掛かってくる。まるで脳だけを揺さぶられかのような感覚に陥り、朦朧とする意識を奪っていった


ぐるぐる回る瞳 と目まいについには意識まで奪われた



「ん?目が、 なんだ、これ?」



「パタン」



「は、遥ちゃん!?」



僕は電池が切れたように倒れ込んだのだった



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