第6話 再会
第6話目です!
学に届いたメール…はたして送ったのは?
午後8時。店にあった時計がずっと待ち続けていた時間を指した。僕は武美さんに見つからないように店内から外を見渡す。しかし、外は誰も歩いていなかった。一体、これから何が起こるのか。友美と会えるのか。そう思うだけで緊張した。
「学くん、あがってもいいわよ」
そんなことを思っていると武美さんの口から信じられない言葉が僕の耳に飛び込んできた。
「えっ? それってどういう…」
「どうせ、幼なじみの子のことが気になって仕事に集中できてないんでしょ?」
「うっ…それは…」
しまった…武美さんにはバレバレだったか…
「それに…あなたを待っている人もいるみたいだしね」
そう言って武美さんは僕がさっき見ていた場所と逆の場所を指差す。そこには1人の女性がこっちを見ながら歩いていた。よくよく見ると手を振っているみたいだ。僕は何も言えなかった。
「ほら、バイトは大丈夫だから。チーフにも上手く言っといてあげるからさ」
「すいません。ありがとうございます」
僕は武美さんにそう告げて、制服を着たまま店の外へと出た。
「……バカ」
武美さんが何か呟いた気がしたが、僕は気にしないようにした。
僕は店の外で立っていた女性に走って駆け寄った。するとその女性は僕の顔を見て笑った。
「?」
僕はそれが何を意味しているのか全くわからなかった。
「あはは。ほんとに学くんだ」
その女性は、そう言った。僕は、ますます状況がわからなくなった。
「ねえ、学くん。私のこと覚えてる?」
「友美ちゃん…だろ?」
半信半疑で答えた僕の心の中はドキドキだった。もし違ったら? 答えが返ってくるまで僕は苦しかった。
「学くん、そろそろ『ちゃん』はやめてよ」
「じゃあ、友美さん」
「『さん』も何かな~。普通に『友美』がいいな」
僕は緊張で何も考えられなかった。まず、友美が目の前にいるということが信じられなかった。
「と…友美」
たった名前を呼ぶだけなのに人生で一番緊張した気がする。
「何?」
「今までどうしてたの? 連絡先もわからなかったし…」
「ちょっとね。相変わらずお父さんの仕事関係で転々と…」
友美のお父さんは優秀でたくさんの仕事を任されている。そのため、日本各地いろんな場所に派遣されているのだ。
「何で僕の連絡先わかったの?」
「あーえっと…」
友美は何か言いにくそうにしていた。隠したいことでもあるのだろうか。結局、
「内緒」
と言われた。この雰囲気を壊したくなくて僕は、それ以上は追及しなかった。
「どれくらいここにいれるの?」
「う~ん、学くんとたくさん話したいから…1ヶ月はいたいな~」
1ヶ月…長いようであっという間に過ぎていくだろう。あの時みたいに1年とかいてくれればいいのに。
「ていうか、友美も僕のこと『くん』で呼んでるじゃん」
「細かいことは気にしない気にしない」
「何か不公平な気がする…まあいいけどさ」
僕の中でいつの間にか緊張は無くなっていた。僕と友美は時間を忘れてたくさん話した。それほど僕にとって、そしてきっと友美にとっても嬉しい再会だった。
読んでくださってありがとうございます!
念願の友美との再会を果たした学。それを止めれなかった武美。物語は動き出します。
第7話も頑張りますので、よろしくお願いします!




